LAST – 石田衣良
ショート・ストーリが全部で7編収録されている。すべてが緊迫感を持って読むことができ、さすがだなぁと思わずにはいられない。
特に一番印象的だったのが、「 LAST CALL 」。
今は無き(多分?) テレホンクラブ という密室で起こるサスペンス。中々のホラーぶりである。
読み進んでいくうちにすっかり自分がストーリーの中のある男と同じような心境になっていたから不思議。話し相手の少女が繰り出すストーリーに惹かれていったのだ。
そしてその結末は少女の秘密を打ち明けることで一気に展開されていく。
人を殺してみたい、という欲求は幻想的な殺人犯から聞くことができる動機だけど、なるほどねぇ、ストーリーにしてみるとやっぱり不思議な力が働くんだね。
いくらフィクションとはいってもやっぱりスリルがある。
その意外性に興奮するんだろうなぁ?
次に印象的だったのが「 LAST SHOOT 」。
あるビデオカメラマンが、心臓外科医の買春ツアーに付き合わされるお話。
場所はベトナムなんだけど、そこはかつての植民地支配者フランスの匂いときめくリゾート地、財力さえあれば快楽を提供してくれるという、いかにも ブルジョワ 的な雰囲気が漂ってくる。
ストーリーが鋭く緊張感を持って湧き上がってくる瞬間は、やはりその心臓外科医の趣味が 児童買春 という事実を知ってしまったところであろう。そう、この心臓外科医はペドフィリア であった。
その瞬間、またしても話の中のビデオカメラマンと同じような心境にさせられたのだ。
そしてこのストーリーでも殺人が結末に待っている。
生々しいまでの描写は実際にそのような光景を目撃したことがないので空想に頼るしかないのだけれど、やっぱり人間の死というものはそれほど感情にインパクトを与えるものなのだろう
「 LAST DRAW 」もよかった。。 (more…)





