アナザースカイ – 水嶋ヒロ @ チューリッヒ、スイス


水嶋ヒロ

「アナザースカイ」という番組がある。タレントやアスリートなどが自分にとっての思い出の場所への旅行。時に辛く、時に嬉しく、昔過ごしたあの場所へと、あの時の昔の自分に出会うために、そしてそこから再び何かに出会うために・・・

観光名所を巡るでもなく、昔の自分の過去の居場所へタイムスリップ。誰でも「アナザースカイ」を持っている。生まれ故郷を離れ、友達と過ごした街を離れ、新しい希望に向かって旅だった場所。いや、希望なんてなかったかもしれない。とにかく苦しい日々を過ごしたあの街へ。

「アナザースカイ」、地球のどこにいたって見上げる空は・・・感じることができる太陽の暖かさや観ることができる夜空に散らばっている星たちの輝きはどこにいたって同じなんだけどなぁ・・・Do you have your own another sky?

アナザースカイ – 水嶋ヒロ @ チューリッヒ、スイス

年ぶりのスイスですか?・・・17年とか(水嶋)・・・水嶋ヒロは1990年から1996年までこの街で過ごした。ドキドキ、緊張しながらチューリッヒ空港に降り立つ。なんで戻らなかったのか? ・・・嫌な思い出の場所だった。

彼のアナザースカイはスイスのチューリッヒ。彼はここで小学校の6年間を過ごした、父の仕事の理由で家族とともに移住。まずは街中を散策。チューリッヒの街並みの綺麗さに目を奪われる。どうやらカメラが趣味らしい、独学で学んだという。綺麗な街だなぁ、と思わずつぶやく。嫌な日々を過ごしていたから周りの景色を見る余裕などなかったのかもしれない。

子供の頃、そんなにスイスのこと、好きではなかった。友達と上手くいっていなかった、と打ち明ける。緊張していた理由はこれが原因か? いつも大体一人ぼっちの毎日。森とか林の中にいる動物が友達と告白。そんな子供時代をスイスで過ごしてきた水嶋ヒロ。

家族4人で暮らしていた自宅を目指す。チューリッヒ湖を臨む坂道。来る日も来る日も上り下りしていた記憶がよみがえる。そしてかつて住んでいた家を発見。ドキドキする。それは高級マンションのようなアパートメントハウス。17年ぶりに家の中へ、現在住んでいる住民の計らいで中を見せてくれることになった。

目に焼き付いていた風景が次々と現像されて行く。暖炉、壁の感じとかも・・・キッチンへ、母親が好きだった景色、チューリッヒ湖を眺めながら料理を行う。バスルームへ、収納棚もライトも一緒で変わっていなかった。

姉の部屋へ、3つ上の姉、日が入るし明るい感じ。自分の部屋には日が入らないので来た当初はどちらがこの部屋を取るかでよくもめていたらしい。そして当時の部屋へ、部屋の中にある窓にまつわる昔話をし始める。逃げ出す窓??? 現実逃避したくなったとき、いつもここからピョーンと逃げ出して近くの小川まで。ここから逃げ出したい、いつも思っていた。少年を苦しめたもの。羨ましいほど裕福な暮らし。何が原因だったのか?

肌が黄色でいじめられて、目がつり目でいじめられた・・・日本人というだけでいじめられた、自分ではどうすることもできなかった。変えられないから、だったら動物の方がいいや、と言って逃げていた当時の水嶋ヒロ。

近くにある小川へ、ここにいる動物達が友達だった。少年を癒してくれた場所、なぜ少年はこの小川で、癒しを救いを求めたのか? 雪解け水だから飲めるらしい、手を小川に浸してみる、冬の雪解け水は冷たかった。

手のひらはストレスから皮膚がボロボロになって荒れに荒れた。そのボロボロになった皮膚を綺麗に洗い流したかった。ストレスを洗い流したかった場所が少年にとっての癒しの場所、あの小川だった。そこまで追い詰められていた。

ここまで連れてきた両親を恨んだ。この国は好きになれない。もう2度と足を踏み入れることはない。そう思っていた。そう思っていたはずなのに・・・そうは思えなくなっている自分がいた。親見たら喜ぶだろうなぁ、と言って昔暮らしていた面影を探しながらシャッターを切り続ける。

両親に見せてあげたい。夢中でシャッターを切っていた。歳を重ねた今になって、気持ちの変化、わかったことがある。1番不思議だったのはこの環境を見て、この環境をいきなりスイスに来て、暮らさなきゃいけない中で、ここまでいい環境を僕ら子供達に・・・(目頭が熱くなる)作ってくれてたんだなぁって、思うとすごく申し訳ない気持ちになっちゃって(水嶋)・・・

当時は両親に感謝できなかった? 当時は全く気づかなかった、気づくゆとりなんてなかった。むしろ親のせいにしていた部分もあって、もっと言えばスイスのせいにもしていたし。

何より父も母もすごい大変だったと思うんで・・・僕が記憶する限りでは、僕たちにそれを見せてる素振りがなかった。すごいなぁ・・・うちの両親すげぇなって、思っちゃいましたね。自分もやっぱり見習わないとなぁって・・・完全に調子狂ってます、今僕、と告白。

帰ってくることができて、気づくことができて良かった、本当に。ここで生活を築いていかなくてはいけないとか。子供がいたらどうしようとか。大人になって、家族を持った今だったからこそ、戻った時に気づいたいろいろな気持ち。

小学校6年生の時、初めて人間の友達ができた。彼の名前はフィリップ、一緒にサッカークラブに通っていた。帰国まで後一日、どこで何をしているかだけでも知りたい。スタッフが見つけてくれて連絡も取れたということに・・・スイスのモルジュで働いていた。今夜、電話してくれるらしい。

すげぇ嬉しい、緊張してきた(水嶋)。そしてフィリップから電話が・・・旧友との昔話。あんなこともこんなこともフィリップは水嶋ヒロと過ごした日々の思い出をみんな覚えていてくれた。

ずっと抱いていたスイスへのわだかまりは、あの雪解け水のようにどこかへ流れていた。また絶対に来たいって心から思えていますし、心にあったモヤモヤが晴れた気がする。来てその通りになったなぁって気がする。

スイスとはどんな場所? 時に厳しくも、凄く暖かい愛で僕のことを育ててくれていた第2の故郷です。着いた当初は緊張で表情が強張っていた。しかし記憶のかけらを集めている内、見えていなかった大切なものが見えてきた。感謝の気持ちも芽生えてきた。今なら自信を持って言える、ここが僕のアナザースカイだと。

水嶋ヒロ 水嶋ヒロ

見終わった感想

かったです。まず私は水嶋ヒロさんという役者のことは歌手絢香と結婚した人物ということ以外は知りませんでした。絢香さんのファンでもある私は、才能あふれる彼女のハートを射止めた人物とはさぞかし大した者なんだろうなぁ、と想像していたわけです。

大した人物でした。自分の過去の負の部分をさらけ出すって勇気がいることです。ましてや自分ではどうしようも出来なかった過去、いじめを受けていた過去の街へ戻るなんてドキドキ緊張したし不安でしたでしょう。こわばった表情は嫌だなぁ、という感情を処理しきれていなかったからでした。

その彼も大人になり、愛する女性と結婚して家庭を持つようになり、今では両親と同じような気持ちを持てる立ち位置まで来ました。写真を趣味にしているため、チューリッヒの街並みの綺麗さに感動します。あっこんなに綺麗な街だったんだぁ、ということはあの頃の少年には見えなかったでしょう。

そしてかつて暮らしていた住居で懐かしい景色を発見していく過程で、同じく過去、この場所で一緒に時を過ごしていた家族へ、同じ景色を見せてあげたかなぁ、という感情が湧いてきます。ここのシーン、良かったです。私ももらい泣きしました。

自分の両親が捧げる、捧げていた愛情に、思いやりに気がついたんです。それを偶々境遇してしまった環境で自分が苦しい体験を強いられたために両親の、スイスのせいにしてしまっていた。いじめを受ける環境に我が愛する子供をどこの親が進んで提供するでしょうか? 偶々だったんです。でもあのころの水嶋少年は辛かったでしょう。

フィリップ、いい人です。たった一人の、人間の、友達。たった一人しかできなかった友達でもフィリップさんは水嶋少年にとって、水嶋ヒロさんにとってかけがえのない、懐かしい思い出を共有できる宝物としての存在になりました。見ていた私も救われました。

番組の最後での水嶋ひろさんの表情はとてもウキウキした表情に変わっていました。また家族と一緒に戻ってくる計画をすでに頭の中で考えていたのでしょう。そしてまだ果たせていない少年の頃の親友との再会を果たすために自分は再びスイスに戻ってこようと。

人との出会い、素敵でした。

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