ウィンブルドン女子シングルス2005、絶対に諦めないビーナス・ウィリアムズ


ビーナス・ウィリアムズ

ウィンブルドン女子シングルス2005、絶対に諦めないビーナス・ウィリアムズ

子シングルスは準決勝から上を見るに限る。トーナメント序盤では力の差がありすぎて、結構あっさりと試合が決まってしまうため、面白みにかける。その点準決勝ぐらいになるとお互いのプレーヤーの実力が緊迫しているため、良いゲームになる可能性が高い。今年ウィンブルドンも昨日の女子準決勝の2ゲームは両方ともすばらしかった。

まず去年のチャンピオンのマリア・シャラポワ対ビーナス・ウィリアムズ。お互いに長身でスリム。モデルもこなせるプロポーションはどちらも魅力的。試合はビーナスの集中力のほうが、シャラポワのそれよりも勝っていた。このレベルになると自分からミスを連発すると、あっという間にリズムを乱し自分のサービスゲームを落とすことに繋がる。

リターンのミス、ダブルフォルトなど、英語で Unforced Error っていうんだけどこれが勝負を決めるポイントになる。1セット目はまさにどちらも譲らずに6対6のタイブレークへ。ここでシャラポワは焦りが出たんだと思う。過去2000年と2001年、連続優勝をしているビーナスを意識したのかな? 技術云々よりも、メンタルの部分が勝敗に左右される。

結局1セット目を取ったビーナスが2セット目も連取。彼女にとっては久しぶりのカムバックとなった。これは本人にとって本当に嬉しいだろう。2年のブランクは長かった。負けたシャラポワ。試合後のインタビューを見る限り相当に悔しかったみたい。彼女は今年も勝って2連覇狙っていた。それほど去年のウィンブルドン優勝が彼女を虜にしてしまったに違いない。

もう一つの試合がこれまたすごかった。僕の好きなリンゼイ・ダベンポートとアメリ・モレスモ。大体どの大会でもその中でベストマッチが生まれるんだけど、まさにこの二人の試合がそれ。1セット目タイブレークの末モレスモが取る。2セット目、これまたタイブレークでリンゼイが奪い返す。そして運命の3セットへと。ここまでの試合の流れがすごい。お互いに Unforced Error が少ない、相手コートにポイントを決めるテニス。凄いボールの打ち合いだった。

リンゼイのテニスは彼女が長身であるため、非常にボールに特徴がある。体重が乗って重くそれでいて、地面にバウンドした後加速する。彼女のボールを打ち返すには、相当筋肉を使ってのリターンになるんだろう。それにしてもリンゼイの人気はすごい。僕が LA に住んでいたこともあって、リンゼイには親しみを感じる。

対戦相手のモレスモ。どこかラテンのイメージから、いつもあのガブリエラ・サバティーニを想像してしまう。プレースタイルもどこか似ていないだろうか? 彼女のプレーの特徴は、サーブアンドボレー。あのジョン・マッケンローのスタイルのテニス。見ていて気持ちがいい。そして彼女のバックハンドスライスは、あのシュテフィ・グラフを思い起こさせるような滑らかさ。フォアハンドのショットも強い。リンゼイも好きだが、モレスモに勝ってほしい、と思いながら見ていた。

2セット目、アメリ・モレスモ取れたな。あそこで踏ん張ることができたのは、リンゼイ・ダベンポートの経験からなせる業だろう。モレスモよりもリンゼイのほうが、気が勝っていた。リンゼイが3セット目を取って、決勝進出かと思われたところで突然の雨。勝負は翌日に持ち越される。次の日結局、リンゼイが決勝進出となった。リンゼイは1999年以来の優勝を目指し、ビーナスは2001年以来の優勝を目指す。

ウィンブルドンテニス女子シングルス2005決勝

ィンブルドン史上、最も長い試合時間を費やした決勝戦となった。1セット目、6-4でリンゼイ・ダベンポートが取る。2セット目、6-7でビーナス・ウィリアムズが取り、3セット目へ。3セット目はすごい試合となった。ビーナスがあきらめない、最後まであきらめなかった。ここまでくると、試合を決めるのは精神的な強さといっても良い。

集中力を切らさずに、自分との内なる対話を繰り返し、常に冷静でいて勝つための最善策を打ち続けなくてはいけない。タフさが要求される。それも半端じゃないレベルの。ビーナスのそれはすごかった。何度もリンゼイにリードを許し、耐えてリンゼイの体力が落ちてくるのを待っていたビーナス。

どうしたら、相手が後6ポイントとか4ポイントで優勝という時、それでも負けないテニスができるのだろうか? 5-5で追いつき、6-6で追いつき、ついにそのときが7-7で7-8とビーナスがリードした時にやってきた。すごかった! 途中、25回もラリーが続くという物凄い両者の打ち合い。リンゼイのほうがこのときに体力を消耗したと思われる。

ビーナス、絶対にあきらめない。最後はビーナスが見事に復活 V 。彼女の喜びようがすべてを物語っている。すべては準決勝から始まっていたのかもしれない。ビーナスが準決勝で去年覇者マリア・シャラポワを負かした時点で今年は優勝できる、と確信を得たに違いない。

それが3セット目の粘りとなって現れたと思われる。リンゼイは後一歩を悔いる試合になってしまった。二人のどうしても勝ちたいという悲壮感が見ているものに伝わってくるほどの、すばらしい決勝戦となった。個人的にはリンゼイに勝たしてあげたかったなぁ。年齢的にも今年ぐらいがリンゼイの限界だろう。

これで今年の全米オープンは誰が勝つのか分からなくなってきた。ビーナスがメジャーを連続優勝するのか? それともリンゼイが巻き返すのか? 女王シャラポワ復活なるか? それとも今年の全仏オープン覇者、ジュスティーヌ・エナンが意地を見せるのか? 誰が勝ってもおかしくないくらいに、今の女子レベルは均等している。見るものにとっては嬉しい限り。

男子はロジャー・フェデラーの時代

は変わって、明日の男子決勝戦も見ごたえありそう。ロジャー・フェデラーとアンディ・ロディック。どちらも今が旬という感じのプレーヤー。フェデラーが頭脳的なプレーで勝つのかそれともロディックが気迫で勝ちに行くのか、とても見ごたえがある。

P.S. 結局、フェデラーが圧倒的な強さを見せ付けて優勝してしまった。フェデラーはとても頭のいいテニスをする。ロディックやレイトン・ヒューイットには気の毒だが、パワーでねじ伏せるようなテニスだけではフェデラーに勝てない気がする。

一昔前のピート・サンプラス全盛の時代だったらパワーテニスも通用しただろう。しかし、フェデラーのテニスは頭脳的。パワーテニスをうまく受け流しているような、それでいて時には自らパワーテニスに変身してみたりとつかみどころがないというか、相手の気を受け流したり、真から受け止めて、逆に相手に勝るような気で押し返す。

北斗の拳でいったらトキのような強さかな。そういえば病さえなければトキがラオウ、ケンシロウの中で一番強かった。ロジャー・フェデラーの時代はまだ当分続くだろう。若干23歳の若者は4ヶ国語を話す。  2005/07/03

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