ジャパンブランド、チルドデザート市場を開拓した小さな洋菓子店、モンテール


モンテール

ジャパンブランド、チルドデザート市場を開拓した小さな洋菓子店、モンテール

われた10年、20年とネガティブな表現を日本経済、日本社会に当てはめることがある。確かにそのような部分もあるかもしれないが、皆が皆、全員が全員、ただ黙ってそのセリフを受け入れてきたわけではないと思う。私は「カンブリア宮殿」に登場する様々な会社経営者の生き様を観察してきて、ただではやっぱり日本人、転ばないなぁという思いを抱いている。

多くの個人はそのネガティブな潮流に流されゆくまま自分の身を任せ、他人も一緒だからいいや、とそのまま思考停止状態に陥る。私は危険だと思う。少数だが新しい社会の変化に対応しようと、または飽和状態の産業フィールドに新しい改革を起こそうとしている人間たちがいるという事実は勇気を与えてくれないだろうか?

日本社会はこれからも少しずつだか変わっていく。テクノロジーの進歩が社会に小さな変化を受け入れさせ、それが知らず知らずの内に標準化され、気がついたらあるテクノロジーなしの昔の社会の有り様を想像できないばかりか、受け入れることさえできないほど、社会が大きな舵転換をしたことに驚きを感じるであろう。

海外生活24年、日本人の感覚を持った視点で海外から日本の現象を観るととても新鮮で、これは新しい潮流へと成長する、というのが直感的に確信する機会が多くなる。私の今与えられた役目はこれらの真実を日本に住んでいる日本人の皆様に伝えることではないかと思っている。

余計なお世話! まぁまぁ、浦島太郎は何と言っているのか少しだけでも耳を傾けてみてはいかがであろうか? 日本人はもっと自信を持つべき!その理由を知りたいだろうか? 今回は「チルド洋菓子製造のトップランナー、モンテール」のお話である。

  • 2050年以降の世界経済
  • 技術的特異点を迎えるにあたって

絶品デザートをスーパーマーケットやコンビニで

991年、23億円。2012年、254億円。20年間で売り上げ10倍企業。モンテールが手がける商品、チルドデザート、5℃前後の低温で輸送・販売されるデザートのこと。モンテールの商品、約60種類。手頃で美味しい、クリームが凄くトロトロしていて美味しい。柔らかいのでケーキ屋のケーキって感じ、リーズナブルな本格スイーツ。

チルドシュークリーム・エクレア、商品別ランキング(2012年)

  1. 牛乳と卵のカスタード&ホイップシュー
  2. 牛乳と卵のエクレア
  3. 牛乳と卵のシュークリーム
  4. 生クリーム仕立てのプチシュー
  5. 生クリーム仕立てのプチエクレア

デザートに大事なものはやはり嗜好品だから、一番初めにくるのは美味しさ。嗜好品といえど、主食と同じ食品で口に入るのだから、何が大事なのかというと、安全で安心して食べてもらえるということ。後もう一つは楽しさ、というところ。そこを極めるために、突き詰めるために何をしていくのか?、と鈴木徹哉社長のお言葉です。

いつ食べても安心な味、味が変わらない

画開発部のスタッフが商品の品質を毎朝チェックする。朝の朝礼時、マイスプーンを持参して試食、検証している。そんなに味、変わらないですよね?何で毎日食べるんですか?正にそこを確認している、とのこと。この味を求めてお客が買っているにもかかわらず、今日も味違うね、昨日も味違うね、明日も違うのかな?ではなくて、いつ食べても安心な味、味が変わらない、そこを確認していく、と鈴木社長は仰っていました。

スイーツというのは美味しいから食べる、美味しくするためにどうするか?素材に拘る、やっぱり良い素材を使いたい。良い素材を使いたいとなれば、鮮度にも拘る。だから工場が産地に近いという選択を取る。茨城県板東市、岐阜県美濃加茂市、モンテール自社工場建設。

安くて美味しいモンテール、新鮮さにとことん拘る

ンテール自社工場、新鮮な牛乳や卵の生産地からすぐ近くという立地にある。クリームこそがモンテール美味しさの秘密。工場に毎朝届く搾りたてのミルク、精製前のもの。ミルクの精製は自社のミルクプラントで行う。一般的な殺菌、130℃で2秒。モンテールの殺菌、65℃で30分、時間も手間もかかる低温殺菌を採用している。

このひと手間が牛乳を甘くする、その牛乳の甘さが取れたて新鮮の卵と合わされ、モンテール自慢のフワフワクリームとなる。機械に製造工程を任せる商品、全てを機械任せにしない。例えば、ロールケーキを巻くのは手作業で1日当たり5000本。モンテールのデザートは柔らかいものが多いので、機械ではなく人間の手の繊細さが必要になる。

モンテールの安全管理1、サーモグラフィー

靴を履き替えた玄関先に設置されている装置。舌の温度を瞬間的に測定する。体温チェック、熱が37.5℃以上あった場合は帰宅させられる。

モンテールの安全管理2、クリーンスーツ

生地に金属の繊維を織り込み静電気を防止。モンテールで改良、繰り返し改良を重ねて完成。一般生菌の許容数、食品衛生法の基準では1グラム当たり10万以下だが、モンテールの基準、1グラム当たり300以下というもの。更衣室の奥には室内履きを履き替える部屋、工場内の靴は靴箱ではなく、靴裏が見えるようにぶら下げるのが決まりになっている。

モンテールの安全管理3、自社製眉毛&まつ毛取り機

モンテール社オリジナル。異物混入というのは一番、毛髪の確率が高いのでそこを徹底して行う。まつ毛や眉毛の取れかけているものが商品に入る可能性があるので、その前に取り除こうと。掃除機の吸い込み口のようなものに自分のまつ毛や眉毛を当てる。

モンテールの安全管理4、60秒間粘着ローラー

しっかりと自分の体に付着した埃取り、最後にはエアシャワーを浴びる。ここまでしてから漸く朝礼し、皆で経営理念唱和。“最大より最良を目指し、常に一番の道を探求し、宝石のごとく輝き続けるオンリーワン企業”、モンテール、イコール宝石職人、美味しさに磨きをかける。

任されたんじゃなく、託された

954年、有限会社鈴木製菓創業。1969年、ミニバウムクーヘン量産開始。半生菓子(賞味期限3ヶ月ほど)で礎を築く、ミルピー等の商品。1975年、株式会社モンテールに社名変更。1979年、鈴木徹哉氏の父・良彦氏社長就任。1980年から1990年頃、半生菓子から中生菓子へ主力を移す。

コンビニが急成長していた1990年代、チルドデザートへの進出。1989年、八潮工場を建設。当時の年間売上高が20億円、それを全て投資してチルドデザートのための新工場を設立。1994年、プチシュークリームが大ヒット。1997年、鈴木徹哉氏入社。2008年、鈴木徹哉氏3代目社長に就任、2代目社長が60代半ば病に倒れたため。

2008年、リーマンショック。足立区の本社を整理、八潮工場に主要な部署を移設。人を減らすのではなくて、その場所を一極集中にさせるということ。どこを削ることで他を保つことができるのか、環境整備をした、と鈴木社長は仰っていました。

2009年、父・良彦氏死去。八潮工場建設途中で、悔しかったのではないかと・・・当時を思い出し鈴木社長、番組収録中、涙。任されたんじゃなく、託された。任すというのは、ある意味、全面的にどうぞという状態。託すというのは、そこに人の思いがあって、そこまでやってきたことの継承である、と鈴木社長のお言葉です。

美味しさを繋ぐDNA

入社員の研修会、研修の締めくくりとして自ら考えた新商品を社長の前でプレゼンする。この企画商品を作っているの時に自分で本当に食べたいと思ったのかどうか? 味わいを想像できるかということ。美味しいものを作る時に、理屈抜きで想像した時に、美味しそう、食べたい、作ってみたい。そのように思っているのか?それとも奇をてらっているのか?

奇をてらうことからスタートするよりは、単純なことからスタートして、まず自分たちが本当に食べたいと思うものなのかどうか? そうあってほしいと思う。会社に入って2ヶ月ということは、会社に染まっていない、分かりやすい。間違いなく誰よりも消費者に近い考えで物事を考えられる、こういう意見を聞かない手はない。

頭が非常に柔らかい、お客目線で純粋にこうしたい、ああしたい、と言われると我々はそれを凄く楽しく聞ける。会社にとって良いじゃなくて、自分が食べたい商品を提案するということが新人にとって非常に素晴らしいこと、と鈴木社長、モンテールのDNAを語っていました。

中堅の菓子屋がどうやったらサバイバルできるかを、創業以来ずっと考えてきた会社

素材の調達には「超」がつくほどのこだわりをみせる。モンテールの工場は、都道府県別で見た農業産出額 2位の茨城県、そして酪農が盛んで飛騨天然水が流れる岐阜県と、高品質素材が集まる場所にある。保存料を一切使わないため、素材の近くで製造を行っている。どの工場にも付近に牧場地帯があり、県の酪連と組んで牛乳が取れれば、すぐに運んでもらえる体制を構築した。牛乳は工場内の専用プラントで低温殺菌して使用。なお低温殺菌用のプラントを自社に持つチェーンは同社のみ。また新鮮さを保つため1日数回にわけて「とれたて」を運んでもらうようにしているという。

また、同社では、保存料などを使用しないこともあり、衛生管理も徹底。細菌の生息数を、国の食品衛生法の基準である「10万個/g以下」より厳しい「300個/g以下」に設定するなどしている。この基準は、NASAの宇宙食に使われる衛生基準と同じ。(NASA が宇宙食を作る際の品質管理基準としている HACCP を導入)宇宙でもしものことがあれば、病院にも行けないため、厳重な衛生管理がしかれるが、モンテールはそれに習っているという。そのため、工場に入るのには30分を要する徹底ぶり。そこには、まつ毛や眉毛の吸引も行う(掃除機を改良した)独自のマシンが配置されるなど、厳重な衛生管理の中、作業が行われる。

番組を見終わって、あとがき・・・市場想像が世界を豊かにする

生菓子(賞味期限3ヶ月ほど)から始まって中生菓子へ主力を移し、世の中の変化を感じ取りチルドデザートへの進出を決める。常温で食べるお菓子だと冬は忙しいが夏には食欲が衰えるのでチルドデザートならば食欲をそそられる。私達が想像していなかった価値を創造し、マーケットに新たな価値を提供していくモンテール、素晴らしいです。

潜在的な価値に気づく能力、まだ取引されていない潜在的な価値に気が付き市場化していく。高齢化社会到来でお年寄りが増えていく日本。糖尿病に心配すること無く、甘くて柔らかいスイーツがあったら需要あると思いませんか? スイーツで栄養価も取れると申し分なしです。

2050年以降の世界経済

経済史のアンガス・マディソン教授によると、中国のGDPのピーク時は1820年で、そのときの規模は世界の33%を占めるほどの世界規模であった。現在はまだ世界の10%に過ぎない経済規模であるので、まだまだ途中経過であることを理解しておいた方が良い。折角これだけ勢いのある経済が隣国にあるのだから、いかに協調して双方が発展する経済協力を果たすかを、百年計画で考えた方が良い。

世界史を紐解けば中国が世界最大の経済規模だった期間は長い。つい最近でいえば、1880年代の光緒帝(ラストエンペラーの1代前)の清王朝までは、2千年以上世界最大の経済規模だった。この中国の定位置だった世界一の経済大国の称号が、1世紀ばかりのインターバルを置いて元に戻ることになる。日本にとっては悔しいことだろうが、世界の中から見ればこれは通過点に過ぎない。(10秒で読む日経)

中華経済圏の中で適者生存していくにはどうしたらいいのだろうか?50年後、100年後の経済界ではあの会社もこの会社も、気がついたら中国系資本というマーケットが誕生しているかもしれない。否確実に存在しているであろう。私の興味はこの「チルド洋菓子製造のトップランナー、モンテール」にあるユニークなジャパンブランド的市場有利性が大中華経済圏の中で通用しているのか、という点である。

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大中華経済圏でも、親日国家インド社会でも、イスラム社会でも、アフリカ大陸でも、欧米社会でもモンテールさえその気ならば、進出可能だと思いました。チルドデザートはまだまだ知られていない市場、開発の余地ありです。モンテール基準の製造工場が出来る可能性のある立地が日本国以外の市場で見つかれば、勝負できます。

アメリカ、ニューヨークで流行っている「Lady M」。いつもたくさんのお客で賑わっています。特に中国系の人には大人気。絶品デザートをスーパーマーケットやコンビニで手に入る感覚ならば絶対に支持されると思います。アメリカ人なんか甘いモノだ大好きですし、チルドデザートという新感覚は絶対に売れます。ちょっと冷やしたヨーグルトチーズケーキが売られているのでチルドデザートの市場は存在します。

1次産業、生産に従事、農業栽培、酪農など。2次産業、それらの作物、畜産物などを加工、工場運営。3次産業、販売、直売所やレストランなどを展開していく。6次産業化を地域経済社会全体でシステム化して育てていければ持続可能となるでしょう。農産物、畜産物、海鮮物などは加工して付加価値をつけ、美味しさ、新鮮さ、値頃感をアピールして消費者に提供できれば戦略となるのです。日本が届ける安全安心は付加価値を生み出します。

技術的特異点を迎えるにあたって

術的特異点とかって聞いたことありますか? 英語でTechnological Singularityっていうんですけど、要は今から30年後ぐらいの2045年頃にはコンピューターが人類叡智を超えるというものです。AI、人工知能です。その前の2018年頃(後5、6年後です)にコンピューターチップ容量が人間の脳細胞容量を超えます。で、その30年後、大体2050年前後に、コンピューターチップ容量は人間の脳細胞の100万倍に達しているそうです。

ムーアの法則とか有名ですけど、チェス盤の法則というのもありまして、その話に凄い刺激を受けたんです。簡単に説明すると、ある家来が王様のお役に立つような仕事(チェス盤を発明)をします。ご褒美は何がほしいかと尋ねられた家来は毎日ある量の米粒だけほしいといいます。チェス盤を王様の前に持ってきて最初のマスに米粒一粒、次の日には最初の一粒の倍、つまり2粒。3日目は前の日の2粒の2倍、4粒。このようにしてチェス盤が最後まで埋まるまで倍々で米粒をほしいと王様に交渉します。

もちろん王様は最初の小さい数字にしか気に止めなかったので、たやすいことだとおもい、引き受けるのですが、チェス盤の半分ぐらいに達すると米粒の量が凄いことになるんです。半分以降になると用意しきれなくなることに気づいた王様はその家来を殺してしまうんですが、この仕組みが1958年頃から始まったコンピューターのトランジスターの数と関係してくるという話です。

ムーアの法則では18ヶ月でトランジスターの数は2倍になり集積密度の向上が進むというもの。1958年頃から始まったデジタル革命創世記はチェス盤でいうところの最初のマスあたりです。で、今どのぐらいの位置にいるかというと、2006年頃、丁度iPhoneやYouTube、twitter、Facebookなどが社会に浸透し始めた頃です。ここがチェス盤でいうところの丁度半分ぐらい。で、これから先、倍々ゲームで凄いことになっていくわけです。

これからの30年から50年って多分人類が2度と経験することがないような期間になると思うんです。アナログからデジタルへ、それらテクノロジーが社会の至るところに恩恵を施していく。100年先では当たり前になっている世の中の仕組みをこの30年から50年の間に作っていくことになるであろうと予測するんです。

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モンテールが手がけるビジネスモデルでテクノロジーの恩恵を受ける部署は何処でしょうか? 生産工場を取り囲むエコシステムに可能性がありそうです。1次産業で質の良い生産を大量に持続しても大丈夫なようにする仕組み。2次産業で安全、安心な環境下で美味しさへの追求を行う。質を保ちながら大量生産へ。

3次産業では、それらの商品の配送にテクノロジーの進化が発揮されそうです。新鮮さを保ちながら長時間、長距離配送が出来る仕組みが確立されるならば、日本国内だけの生産工場でも世界中へモンテール商品を届けることが出来るのです。

想像して創造すれば、君は何処へでも行ける

ーアの法則が終焉を迎え、思考で物を動かし始める。ロボットと人間が融合し始め、アバターが日常生活に入り込む。遺伝子治療によって医療は個々にカスタマイズされ、老化の停止、遅延が当たり前になる。ナノテクノロジーの進化にともなって量子コンピューターを人類が扱うようになり、核融合発電によって世界のエネルギー需要供給に大変化が起きる。

コンピューター、インターネットのインフラ化が世界中に行き渡り、WiFiの範囲が空気と同じような扱いになる。インターネットに繋がることは呼吸をすることのように無意識になり、情報、テクノロジー革命が全てをデジタルに置き換え、社会がデジタル秩序によって収まる形に整い、人類が営むシステムがデジタル化に移行した後、2千年、3千年、5千年と同じようなシステムが継続していくであろう。

2050年、2100年の はどうなっていると想像しますか? 技術的特異点の恩恵を受けるでしょか? 大中華経済圏の影響を受けているでしょうか? どのような形で人類社会に融合していることが私達(日本人、アジア人、世界中の人々)に幸福をもたらすのでしょうか? 選択肢は私達の思考にあります。想像して創造すれば、私達は何処へでも行けるでしょう。

思考に気をつけましょう、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけましょう、それはいつか行動になるから。行動に気をつけましょう、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけましょう、それはいつか性格になるから。性格に気をつけましょう、それはいつか運命になるから・・・

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