ジャパンブランド、再び歩けるという希望を与えるロボットスーツ「HAL」、サイバーダイン


HAL

ジャパンブランド、再び歩けるという希望を与えるロボットスーツ「HAL」、サイバーダイン

われた10年、20年とネガティブな表現を日本経済、日本社会に当てはめることがある。確かにそのような部分もあるかもしれないが、皆が皆、全員が全員、ただ黙ってそのセリフを受け入れてきたわけではないと思う。私は「カンブリア宮殿」に登場する様々な会社経営者の生き様を観察してきて、ただではやっぱり日本人、転ばないなぁという思いを抱いている。

多くの個人はそのネガティブな潮流に流されゆくまま自分の身を任せ、他人も一緒だからいいや、とそのまま思考停止状態に陥る。私は危険だと思う。少数だが新しい社会の変化に対応しようと、または飽和状態の産業フィールドに新しい改革を起こそうとしている人間たちがいるという事実は勇気を与えてくれないだろうか?

日本社会はこれからも少しずつだか変わっていく。テクノロジーの進歩が社会に小さな変化を受け入れさせ、それが知らず知らずの内に標準化され、気がついたらあるテクノロジーなしの昔の社会の有り様を想像できないばかりか、受け入れることさえできないほど、社会が大きな舵転換をしたことに驚きを感じるであろう。

海外生活26年、日本人の感覚を持った視点で海外から日本の現象を観るととても新鮮で、これは新しい潮流へと成長する、というのが直感的に確信する機会が多くなる。私の今与えられた役目はこれらの真実を日本に住んでいる日本人の皆様に伝えることではないかと思っている。

余計なお世話! まぁまぁ、浦島太郎は何と言っているのか少しだけでも耳を傾けてみてはいかがであろうか? 日本人はもっと自信を持つべき!その理由を知りたいだろうか? 今回は「科学は人の役に立ってこそ意味がある!信念の科学者が生んだロボットスーツ、サイバーダイン」のお話。

  • 2050年以降の世界経済
  • 技術的特異点を迎えるにあたって

希望を生むロボットスーツ

組冒頭、年配の女性が散歩をしているシーン。実は彼女、以前脳卒中で倒れ、左半身麻痺、歩行困難と医師に告げられた経歴に持ち主。しかし再び歩けるようになっているではないか!しかもスキップまでして、信じられない光景。

歩けなくなった人の機能回復を助けるロボットスーツ、歩く動作を支援するロボットスーツ、HAL。HALを付けての機能回復トレーニング、HALを使ったリハビリ施設、湘南ロボケアセンターでは脳卒中、脊椎損傷などで歩くのが難しくなった人がやってきます。

HALが動く仕組み

極パッドを麻痺している体の部分に取り付けていきます。歩こうとする微弱な電気信号が脳から神経を通じ神経に送られます。その電気信号は皮膚の表面にも漏れ出ます。皮膚に貼った電極パッドで読み取り、信号を感知すると腰に添えられたコンピューターが解析、モーターを駆動します。

これらを瞬時に行い、意思通りに歩けるようにアシスト。勿論、使う人に合わせてアシストする力を調節、重心や姿勢を制御するプログラムも組み込まれています。HALの重さは14キロありますが、腰に付けるので負担を感じないそうです。

脳の中には物凄い細胞の数、大体150億個と言われていますが、いろいろな活動をしていて、体の筋肉一つ一つに信号を出しています。末端に行けば行くほど信号がクリアに分離されるが、その信号は物凄く小さく、病気の患者の場合にはもっと小さく、更に信号も適切ではなく、バラバラの状態になったりします。

そこをきれいに補い、信号を一度外に取り出して、コンピューターで整え直してから、もう一度ロボット(HAL)に戻しています。自分が動きたいように動ける、ロボットスーツを着けないと頭で思っても筋肉が動かない。強制的に動かされているという感覚よりも、自分で動こうとする力をサポートされる感じがすると、HAL利用者の声です。

このトレーニングを続けると、歩けた、という感覚が脳にフィードバックされ、脳が再び歩くのに必要な動作を学習するそうです。約160の医療機関、福祉施設などの施設が500体をレンタルで導入。HAL、医療機器として未承認扱い、リハビリ補助器具扱い、保険が利用できないので自己負担を強いられるとのこと。

サイバーダイン

城・つくば市にあるサイバーダイン本社。設立2004年、社員100人、ロボット開発のベンチャー企業で、売上高4億5000万円(2013年度)。科学とは悪用すればこわいもの、人や社会のためにテクノロジーは存在するべき、科学技術は人や社会のために役立ってこそ意味がある、との言葉を信念にしているサイバーダインCEOの山海嘉之氏。

山海氏の経歴、1987年、28歳、筑波大学院で博士号取得、ロボットの研究を始める。研究開始から7年、1997年、HAL試作1号機完成。大企業から産学連携の申し込みが殺到する。しかし実用機の開発に入れると思っていたが、何年経っても事業化へは進展しない。

2004年、自らサイバーダイン設立。銀行から融資を受けるため、生涯給与を担保にする。HALを待っている人に一秒でも早く届けたい、寝食を忘れて開発する日々。会社設立から4年後、HAL量産型完成。2014年3月、東証マザーズ上場、約40億円の資金調達。

大学教授(筑波大学大学院教授、ロボット工学)にして上場企業のCEO。ロボット開発、あるゆる分野の知識や技術が必要で、例えばHALの場合、ロボット工学、IT技術、脳神経学、運動生理学、心理学、倫理など・・・人や社会に役立つロボットは幅広い知識や技術を取り入れる必要があると山海氏は仰っています。

HALはロボットなのか?

ロボットのこれまでの定義は人工知能や人工頭脳を持った状態で、ロボットが単独で動けることが重要視されてきました。HALは人の脳とロボットが繋がった状態で動く新しい形態と山海氏。

寝たきりの人にも効果がある?

回復期を超えてこれ以上、身体機能は改善しないと言われた人がHALを使うと、最初はほとんど動けなくても、動かそうとするだけで、動いてくれるので、体が動くモードに入る。これを繰り返していくことで回復に繋がっていく、と山海氏は仰っていました。

販売はしていない、現在はレンタル

コンピューターを買った場合の例。買って半年もすれば機能が更にアップしている、黎明期の技術というのは進化が早いのが特徴。買って1、2年で古くなってしまったのでは申し訳ないので・・・レンタルだと全てサイバーダインの物なので、新しくするのも非常に容易であると。

悪用される可能性はないのか?

健常者が体の機能をアップさせてハイパワーになるような使い方もなくはない。そういうことを避けていくことも開発者が考えていく必要がある。レンタル方式にはその部分でも効果がある。どこでどう使われているかが管理できるようになっているのがサイバーダインのHAL。

開発費はいくらぐらい?

2006年から資金調達を始め、上場前の段階で約66億円の資金調達をして、そういった資金を投じて開発してきたそうです。

サイバーダイン・ケア・ロボティックス

013年、EUで医療機器として認定され、ドイツでは労災保健が適用、治療に活用され始めています。様々な国からHALを導入したという申し出が舞い込んでいる状態。“医療を進めていくには産業化しないと意味がない、日本・ヨーロッパ・アメリカを繋げて世界で連携をしていきたい、ロボットを作ろうと目的だけでは社会と繋がらない、重要なことは私たちがどういう社会的な課題と直面しているか、そこにポイントがある。”、と山海氏。

社会の課題解決するために、イノベーションや技術、新しい産業化、人材の育成、この3つをセットで回しながら次に未来を開拓していくのが大きな狙い。これから社会が直面する課題は2050年くらいがピークと言われている、次のチャレンジャーにバトンタッチできる技術や仕組みを作っている、と番組内で山海氏は説明されていました。

開発中のHAL

材育成、若い研究者に新しいHALを開発するチャンスを与えています。例えば、開発中の子供用HAL。小型化・軽量化が課題でしたが、臨床試験にまでこぎつけた新作HALです。

他には手軽に外に持ち出せるサイズまで小型化し、機能も必要な部分だけに絞る、単関節HAL。肘とか膝に活用でき、訪問介護に利用できる可能性があります。ピンポイントのトレーニングが可能。例えば右半身が麻痺している患者、右腕だけでもトレーニング開始可能です。

建設現場、介護現場用に開発された作業支援用HALも。アシストする力最大40%、40キロの荷物は24キロ分の力で持ち上げられる。腰にかかる負担を軽減する、腰痛を防止しながら活用できるとのこと。他にもいろいろと応用できそうで新たなHALはどんどん開発されるでしょう。

番組を見終わって、あとがき・・・自分の意思でロボットを動かす仕組みの始まり

HALの存在、知りませんでした。凄いです!医療もここまで来ているとは・・・脳卒中の後遺症で身体が麻痺しても回復する希望が存在する世の中になったんです。凄いことだと思いませんか? 寝たきりのお年寄りにも希望を与えるHAL。もっと多くの人に知れ渡って、もっと多くに人が利用できるようになると高齢化社会日本にも新たな活路が生まれそうな予感がします。

HALで使われている技術は自分の意思でロボットを動かす仕組みに応用されるでしょう。遠隔操作でロボットを操作する。災害時に活躍したり、危険な場所での作業にも利用できるでしょう。医療も世界的権威の執刀医が世界中に存在しているロボットを操りながら手術を施す、アバターの世界は実現可能なんです。

2050年以降の世界経済

経済史のアンガス・マディソン教授によると、中国のGDPのピーク時は1820年で、そのときの規模は世界の33%を占めるほどの世界規模であった。現在はまだ世界の10%に過ぎない経済規模であるので、まだまだ途中経過であることを理解しておいた方が良い。折角これだけ勢いのある経済が隣国にあるのだから、いかに協調して双方が発展する経済協力を果たすかを、百年計画で考えた方が良い。

世界史を紐解けば中国が世界最大の経済規模だった期間は長い。つい最近でいえば、1880年代の光緒帝(ラストエンペラーの1代前)の清王朝までは、2千年以上世界最大の経済規模だった。この中国の定位置だった世界一の経済大国の称号が、1世紀ばかりのインターバルを置いて元に戻ることになる。日本にとっては悔しいことだろうが、世界の中から見ればこれは通過点に過ぎない。(10秒で読む日経)

中華経済圏の中で適者生存していくにはどうしたらいいのだろうか?50年後、100年後の経済界ではあの会社もこの会社も、気がついたら中国系資本というマーケットが誕生しているかもしれない。否確実に存在しているであろう。私の興味はこの「科学は人の役に立ってこそ意味がある!信念の科学者が生んだロボットスーツ、サイバーダイン」にあるユニークなジャパンブランド的市場有利性が大中華経済圏の中で通用しているのか、という点である。

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大中華経済圏でも、親日国家インド社会でも、イスラム社会でも、アフリカ大陸でも、欧米社会でも、サイバーダイン社のHALは活躍しているでしょう。“科学とは悪用すればこわいもの、人や社会のためにテクノロジーは存在するべき、科学技術は人や社会のために役立ってこそ意味がある”、との信念、山海氏の思いを世界中に広めていくべきです。

技術的特異点を迎えるにあたって

術的特異点とかって聞いたことありますか? 英語でTechnological Singularityっていうんですけど、要は今から30年後ぐらいの2045年頃にはコンピューターが人類叡智を超えるというものです。AI、人工知能です。その前の2018年頃(後3、4年後です)にコンピューターチップ容量が人間の脳細胞容量を超えます。で、その30年後、大体2050年前後に、コンピューターチップ容量は人間の脳細胞の100万倍に達しているそうです。

ムーアの法則とか有名ですけど、チェス盤の法則というのもありまして、その話に凄い刺激を受けたんです。簡単に説明すると、ある家来が王様のお役に立つような仕事(チェス盤を発明)をします。ご褒美は何がほしいかと尋ねられた家来は毎日ある量の米粒だけほしいといいます。チェス盤を王様の前に持ってきて最初のマスに米粒一粒、次の日には最初の一粒の倍、つまり2粒。3日目は前の日の2粒の2倍、4粒。このようにしてチェス盤が最後まで埋まるまで倍々で米粒をほしいと王様に交渉します。

もちろん王様は最初の小さい数字にしか気に止めなかったので、たやすいことだとおもい、引き受けるのですが、チェス盤の半分ぐらいに達すると米粒の量が凄いことになるんです。半分以降になると用意しきれなくなることに気づいた王様はその家来を殺してしまうんですが、この仕組みが1958年頃から始まったコンピューターのトランジスターの数と関係してくるという話です。

ムーアの法則では18ヶ月でトランジスターの数は2倍になり集積密度の向上が進むというもの。1958年頃から始まったデジタル革命創世記はチェス盤でいうところの最初のマスあたりです。で、今どのぐらいの位置にいるかというと、2006年頃、丁度iPhoneやYouTube、twitter、Facebookなどが社会に浸透し始めた頃です。ここがチェス盤でいうところの丁度半分ぐらい。で、これから先、倍々ゲームで凄いことになっていくわけです。

これからの30年から50年って多分人類が2度と経験することがないような期間になると思うんです。アナログからデジタルへ、それらテクノロジーが社会の至るところに恩恵を施していく。100年先では当たり前になっている世の中の仕組みをこの30年から50年の間に作っていくことになるであろうと予測するんです。

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HALはもっと小さくなっているでしょう。服を着るような感覚になっている可能性もあります。人工四肢もHALと繋がり、駆動をコントロールする。未来の世界では車椅子は存在していないかもしれません。HALの延長線上で、翼を付けて鳥のように空を飛べるようになっていたり、ヒレを付けてお魚のように泳げていたり・・・

想像して創造すれば、君は何処へでも行ける

ーアの法則が終焉を迎え、思考で物を動かし始める。ロボットと人間が融合し始め、アバターが日常生活に入り込む。遺伝子治療によって医療は個々にカスタマイズされ、老化の停止、遅延が当たり前になる。ナノテクノロジーの進化にともなって量子コンピューターを人類が扱うようになり、核融合発電によって世界のエネルギー需要供給に大変化が起きる。

コンピューター、インターネットのインフラ化が世界中に行き渡り、WiFiの範囲が空気と同じような扱いになる。インターネットに繋がることは呼吸をすることのように無意識になり、情報、テクノロジー革命が全てをデジタルに置き換え、社会がデジタル秩序によって収まる形に整い、人類が営むシステムがデジタル化に移行した後、2千年、3千年、5千年と同じようなシステムが継続していくであろう。

2050年、2100年の はどうなっていると想像しますか? 技術的特異点の恩恵を受けるでしょか? 大中華経済圏の影響を受けているでしょうか? どのような形で人類社会に融合していることが私達(日本人、アジア人、世界中の人々)に幸福をもたらすのでしょうか? 選択肢は私達の思考にあります。想像して創造すれば、私達は何処へでも行けるでしょう。

思考に気をつけましょう、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけましょう、それはいつか行動になるから。行動に気をつけましょう、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけましょう、それはいつか性格になるから。性格に気をつけましょう、それはいつか運命になるから・・・


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