ジャパンブランド、地域密着型ビジネスモデル(洋菓子)、きのとや


きのとや

ジャパンブランド、地域密着型ビジネスモデル(洋菓子)、きのとや

われた10年、20年とネガティブな表現を日本経済、日本社会に当てはめることがある。確かにそのような部分もあるかもしれないが、皆が皆、全員が全員、ただ黙ってそのセリフを受け入れてきたわけではないと思う。私は「カンブリア宮殿」に登場する様々な会社経営者の生き様を観察してきて、ただではやっぱり日本人、転ばないなぁという思いを抱いている。

多くの個人はそのネガティブな潮流に流されゆくまま自分の身を任せ、他人も一緒だからいいや、とそのまま思考停止状態に陥る。私は危険だと思う。少数だが新しい社会の変化に対応しようと、または飽和状態の産業フィールドに新しい改革を起こそうとしている人間たちがいるという事実は勇気を与えてくれないだろうか?

日本社会はこれからも少しずつだか変わっていく。テクノロジーの進歩が社会に小さな変化を受け入れさせ、それが知らず知らずの内に標準化され、気がついたらあるテクノロジーなしの昔の社会の有り様を想像できないばかりか、受け入れることさえできないほど、社会が大きな舵転換をしたことに驚きを感じるであろう。

海外生活25年、日本人の感覚を持った視点で海外から日本の現象を観るととても新鮮で、これは新しい潮流へと成長する、というのが直感的に確信する機会が多くなる。私の今与えられた役目はこれらの真実を日本に住んでいる日本人の皆様に伝えることではないかと思っている。

余計なお世話! まぁまぁ、浦島太郎は何と言っているのか少しだけでも耳を傾けてみてはいかがであろうか? 日本人はもっと自信を持つべき!その理由を知りたいだろうか? 今回は「札幌で絶大人気スイーツ店の秘密!危機から生まれた幸せ企業戦略、きのとや」のお話。

  • 2050年以降の世界経済
  • 技術的特異点を迎えるにあたって

きのとや

業1983年、社員200人。札幌市内と新千歳空港など計9店舗、売り上げ倍増、37億円。チョコモンブラン324円、栗の代わりに大きなバナナが入っている。贅沢丸ごとメロン864円、メロン半分を贅沢に使った一品。クロッカンシューザクザク151円、アーモンドが外側に中はカスタードがたっぷり。焼きたてチーズタルト、1日1500個売れる人気商品。

誕生日などのお祝いに使われるホールケーキ、常時9種類を揃えている、多い日は200個販売。スイートストロベリー直径16センチ、3780円。森の動物園直径16センチ、3780円。フルーツデコレーションタルトファミリー直径17.5センチ、4212円。

きのとや美味しさ戦略1、作りたて

伊達いちごパイ496円。残り一つになった時点で店長が追加オーダーを連絡。自社ケーキ工場、きのとや全店にケーキを出荷、カットケーキだけで1日4500個。伊達いちごパイ30個を40分近くで店舗に届ける。可能な限り美味しい状態を店頭に出したい、鮮度にこだわる。

きのとや美味しさ戦略2、ひと手間を惜しまない

スポンジを作る部署、ケーキ工場内。一旦機械で混ぜた生地を機械から外し、職人が手で混ぜ始める。気泡を整えている、手でやって感触や生地の艶などを見ている、とのこと。ふんわり感を整えていく、あえて小型ミキサーを使用、出来るだけ生地のムラを出さない。大きな工場だが作り方は街の工場に近い現場感覚。

きのとや美味しさ戦略3、こだわりの素材

北海道・長沼町、きのとやファーム、農業生産法人。自前の農場を確保、面積5ヘクタール、ブルーベリーやカボチャなどを自社栽培。ケーキは素材の味がそのまま反映する、素材そのものが美味しくないと美味しいお菓子は作れない、と長沼昭夫社長。番組内ではハスカップを摘んでいた、これがハスカップチーズムースという一品になる、432円。

美味しいケーキを作る条件をまとめると3つの要素が必要。1つ目は最高の材料、素材を使う。2つ目は作りたて、鮮度が大事。3つ目は手間をかける。

きのとや販売方法

界初、ケーキの宅配を行っているきのとや。宅配エリア、札幌市、石狩市、北広島市、江別市。1080円以上の購入で配達料324円。長い冬の北海道、雪道では歩くだけでも大変、だから宅配がヒット。宅配をきっかけにお客を掴んだきのとや、宅配ケーキ、年間4万5000件。売り上げでもケーキ全体の4分の1を占める。

売り上げ1日1万円という日々

れるよりも捨てる方が多かった創業当時のきのとや。何とか捨てなくて良い方法はないかと考えたのが予約の分だけを作るということ。バースディーケーキならば予約が取れるのではないか。でもわざわざお店まで取りに行くのが面倒、とのこと。それならばこちらからお届けしますと言って業界初の宅配ケーキが始まる。バースディーケーキの予約を取るために止むを得ず「お届けします」と言ってもらったという苦渋の選択。

創業2年目のクリスマスで大失敗

年300個だったクリスマスケーキの予約。宅配ケーキが人気を呼び、この年は2000個の予約に伸びる。バースディーケーキよりもクリスマスケーキの方が予約が取りやすかった、がしかし、こんな大量注文は初めて、作っても作っても予定には遠い現実、夕方になっても終わらない。長沼社長自身、ホールケーキ一つ作るのにどれぐらいの時間がかかるかのアイデアがなかったので危険だなぁ、という状況に陥るまで状況判断ができなかった。

最終的に500個は作れず、手つかずのまま。お店には催促の電話が鳴り続け、終いには受話器を上げてしまう。だが納得しないお客の方は、電話が繋がらないと今度は店舗に押しかける。対応する女性社員は泣き始め、呆然とする長沼社長。

後日、25日にケーキを届けられなかったところに全部ケーキを持って謝りに歩いた、とのこと。今更持ってきても、と怒られたが申し訳ありませんと、勿論代金はいらないので食べるだけ食べてください、と全部回った創業2年目のクリスマス。以後、きのとやでは会社の規模が大きくなった今でも12月24日の宅配中止にしている。

きのとや、絶体絶命の危機

997年7月29日、サルモネラ菌による食中毒事故発生。原因は卵、ケーキで101人食中毒、下痢や発熱などの症状。殺菌温度を職人の勘に頼り起こした事故。当時を振り返る長沼社長、洋菓子専門店1店舗での売り上げ日本一だと言われていたりして、どこか有頂天になっているところがあったような気もすると仰っていました。

事件発覚後、長沼社長、全社員を集めてお詫びをする、申し訳ないことをした、と。みんなに辛い思いをさせて悪かった、と謝る。食中毒事故にあったお役様にも、一軒一軒全部一人で謝りに行く。きのとや、5日間の営業停止、食品メーカーとして信頼は地に落ちた。

営業停止期間中でも社員は休むことなく出勤し店を掃除し始める。店内の冷蔵庫、床、壁、天井はもちろんだが、そこまでやり尽くすと今度は外まで出て、レンガの目地を歯ブラシできれいに一つ一つこするところまでスタッフはみんな掃除していたという。

営業再開後、お客様は一人も来ないと思っていた長沼社長。でも店を再開するのを待ってたよ、とたくさんのお客が来てくれたときに本当に涙の出る思いで、お客に対しての有り難さを心の底から思えた、と。また、そういう苦しいときに一緒に頑張ってくれた社員への感謝の気持ちも食中毒事故を境に変化、きのとやが社員と私(長沼社長)との気持ちが一つになった出来事だった、と。

今度こそ絶対安全・安心なケーキを作ろう!

全安心のケーキ、温度計で確認、卵の湯煎、必ず機械で温度を確認している。測った温度を記録でダブルチェックする仕組み。殺菌を担当したスタッフ、壁の記録帳に書き込む。安全安心のケーキ作りは衛生面でも徹底させている。工場に入るときにはコロコロ使って埃や塵取り、自身の体全体をお掃除、エアーシャワーを浴びてから。

作業後に靴まで洗浄している。食材や粉などを踏んだかもしれない靴。靴の裏側を手洗いして雑菌を排除する。洗い終わった靴は裏側を見えるようにして壁掛けにかける。工場内には「わすれるな、97年、7月29日」の張り紙が貼ってあり、店舗ではお客に対して3つの約束を掲げている。1、安全・安心。2、美味しいお菓子。3、温かいおもてなし。美味しさよりも安全安心が先に来ている、苦い経験から教訓を得た証であろう。

食中毒事故を機に会社は大きく変わっていく

番最初に社員の幸せ、社員の家族の幸せを考える会社にしようと自然となって行った気がする、と長沼社長。社員へ感謝の制度を設けている。例えばお誕生日お祝い金、現金1万円と休暇1日。200人の社員だけでなく、アルバイト・パートにも適応される、1万円プラス休暇。

他にも2ヶ月に1回、5000円分支給される社員ケーキ券。社員は年間3万円、パートは年間1万8000円、アルバイトは年間1万2000円分のケーキ買い放題という仕組み。ケーキ券を使った人は商品アンケート提出に書き込むことが決まり事になっている。

年1回社員旅行、社員は毎月1000円積み立て、後は会社が全額負担という太っ腹。高級ホテルなどに泊まり、他社の接客などを学んで欲しいとの願いから。

どんな会社になって欲しいか社員に聞いた長沼社長。給料をあげて欲しいとか、もっと休みが欲しいとか、人を入れて欲しいとか言うような意見が出てくると思っていたが・・・もっと社会貢献の出来る会社にしてほしい、とのこと。きのとやに勤めているプライドを持って仕事をしたいという思いが社員にあったという。従業員との信頼関係が経営の根幹に関わる時代、と村上龍氏は仰っていました。社員みんなのベクトルが合って作るから良い会社になるのです。

さっぽろスイーツコンペティション

幌をスイーツ王国に!という願いから始まったコンペティション、きのとや長沼社長が仕掛け人。札幌近郊の148業者が参加する、腕やアイデアを競い合うお菓子の祭典。北海道の素材で作ることが条件。北海道で作ったものを首都圏や全国に送っていく。こんなことができたら北海道は、札幌はスイーツ王国になれるのではないか、との思い

さっぽろチーズワイナリー、京王プラザホテル札幌、2014年優勝作品。参加した業者、グランプリ作品のレシピを共有できる仕組み、アレンジして販売することが可能。札幌全体のスイーツ業界全体のレベルアップが狙い、という。

番組を見終わって、あとがき・・・人口減少社会への対処、持続可能な地域社会を目指して

のとやがどのようにして歩んで来たのか。宅配ビジネスを始めるまでの経緯、苦汁の選択だったんです。私はアメリカでピザがデリバリーされ始めた頃のことを思い出しました。ピザはピザハットなどへ行って店内で食べる習慣が確立されていたんですけど、ドミノ・ピザが自宅までデリバリーするとの戦略で業界に参入してきました。

これが見事ヒット!最初はピザのデリバリー?と不思議がられたそうですが、今ではピザのデリバリー、本家のピザハットでも行っています。サルモネラ菌による直中毒事件も印象深いエピソードです。アメリカ、ニューヨークでは飲食店関係で働く人たちに「Food Protection」という資格を取るよう奨励しています。日本で言うところ、衛生管理者のようなものです。

危機に対してどのような行動を取るかで経営者は鍛えられる、という良い例を見た気がしました。後、社員が求めている社会貢献したいという気持ち、イコール地域経済社会にきのとやがこれからも存続してほしい、社員自身の雇用を確保し続けることへの安心感を得たいのだと思いました。

2050年以降の世界経済

経済史のアンガス・マディソン教授によると、中国のGDPのピーク時は1820年で、そのときの規模は世界の33%を占めるほどの世界規模であった。現在はまだ世界の10%に過ぎない経済規模であるので、まだまだ途中経過であることを理解しておいた方が良い。折角これだけ勢いのある経済が隣国にあるのだから、いかに協調して双方が発展する経済協力を果たすかを、百年計画で考えた方が良い。

世界史を紐解けば中国が世界最大の経済規模だった期間は長い。つい最近でいえば、1880年代の光緒帝(ラストエンペラーの1代前)の清王朝までは、2千年以上世界最大の経済規模だった。この中国の定位置だった世界一の経済大国の称号が、1世紀ばかりのインターバルを置いて元に戻ることになる。日本にとっては悔しいことだろうが、世界の中から見ればこれは通過点に過ぎない。(10秒で読む日経)

中華経済圏の中で適者生存していくにはどうしたらいいのだろうか?50年後、100年後の経済界ではあの会社もこの会社も、気がついたら中国系資本というマーケットが誕生しているかもしれない。否確実に存在しているであろう。私の興味はこの「札幌で絶大人気スイーツ店の秘密!危機から生まれた幸せ企業戦略、きのとや」にあるユニークなジャパンブランド的市場有利性が大中華経済圏の中で通用しているのか、という点である。

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大中華経済圏でも、親日国家インド社会でも、イスラム社会でも、アフリカ大陸でも、欧米社会でも、きのとや自身、進出しているとは思いませんが、地域密着型ビジネスモデルとして参考とされているかもしれません。きのとやの商品はわざわざ、北海道札幌まで行って試食する。

宅配の鮮度維持技術が発達して中国マーケットを狙うという可能性は存在しています。アメリカ、ニューヨークで「Lady M」の人気ぶり、特に中国系の人々はミルフィーユに群がっていますから、絶対に日本のスイーツは中国で、東南アジアで大人気となるでしょう。

技術的特異点を迎えるにあたって

術的特異点とかって聞いたことありますか? 英語でTechnological Singularityっていうんですけど、要は今から30年後ぐらいの2045年頃にはコンピューターが人類叡智を超えるというものです。AI、人工知能です。その前の2018年頃(後4、5年後です)にコンピューターチップ容量が人間の脳細胞容量を超えます。で、その30年後、大体2050年前後に、コンピューターチップ容量は人間の脳細胞の100万倍に達しているそうです。

ムーアの法則とか有名ですけど、チェス盤の法則というのもありまして、その話に凄い刺激を受けたんです。簡単に説明すると、ある家来が王様のお役に立つような仕事(チェス盤を発明)をします。ご褒美は何がほしいかと尋ねられた家来は毎日ある量の米粒だけほしいといいます。チェス盤を王様の前に持ってきて最初のマスに米粒一粒、次の日には最初の一粒の倍、つまり2粒。3日目は前の日の2粒の2倍、4粒。このようにしてチェス盤が最後まで埋まるまで倍々で米粒をほしいと王様に交渉します。

もちろん王様は最初の小さい数字にしか気に止めなかったので、たやすいことだとおもい、引き受けるのですが、チェス盤の半分ぐらいに達すると米粒の量が凄いことになるんです。半分以降になると用意しきれなくなることに気づいた王様はその家来を殺してしまうんですが、この仕組みが1958年頃から始まったコンピューターのトランジスターの数と関係してくるという話です。

ムーアの法則では18ヶ月でトランジスターの数は2倍になり集積密度の向上が進むというもの。1958年頃から始まったデジタル革命創世記はチェス盤でいうところの最初のマスあたりです。で、今どのぐらいの位置にいるかというと、2006年頃、丁度iPhoneやYouTube、twitter、Facebookなどが社会に浸透し始めた頃です。ここがチェス盤でいうところの丁度半分ぐらい。で、これから先、倍々ゲームで凄いことになっていくわけです。

これからの30年から50年って多分人類が2度と経験することがないような期間になると思うんです。アナログからデジタルへ、それらテクノロジーが社会の至るところに恩恵を施していく。100年先では当たり前になっている世の中の仕組みをこの30年から50年の間に作っていくことになるであろうと予測するんです。

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北海道産への拘り、ここを追求していく。エコシステムを確立、管理、運営できれば、人口減少社会への対処、持続可能な地域社会を目指して北海道札幌近辺は存続し続けると思います。1次産業、生産に従事、農業栽培、酪農など。2次産業、それらの作物、畜産物などを加工、工場運営。3次産業、販売、直売所やレストランなどを展開していく。6次産業化を地域経済社会全体でシステム化して育てていければ持続可能となるでしょう。

想像して創造すれば、君は何処へでも行ける

ーアの法則が終焉を迎え、思考で物を動かし始める。ロボットと人間が融合し始め、アバターが日常生活に入り込む。遺伝子治療によって医療は個々にカスタマイズされ、老化の停止、遅延が当たり前になる。ナノテクノロジーの進化にともなって量子コンピューターを人類が扱うようになり、核融合発電によって世界のエネルギー需要供給に大変化が起きる。

コンピューター、インターネットのインフラ化が世界中に行き渡り、WiFiの範囲が空気と同じような扱いになる。インターネットに繋がることは呼吸をすることのように無意識になり、情報、テクノロジー革命が全てをデジタルに置き換え、社会がデジタル秩序によって収まる形に整い、人類が営むシステムがデジタル化に移行した後、2千年、3千年、5千年と同じようなシステムが継続していくであろう。

2050年、2100年の はどうなっていると想像しますか? 技術的特異点の恩恵を受けるでしょか? 大中華経済圏の影響を受けているでしょうか? どのような形で人類社会に融合していることが私達(日本人、アジア人、世界中の人々)に幸福をもたらすのでしょうか? 選択肢は私達の思考にあります。想像して創造すれば、私達は何処へでも行けるでしょう。

思考に気をつけましょう、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけましょう、それはいつか行動になるから。行動に気をつけましょう、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけましょう、それはいつか性格になるから。性格に気をつけましょう、それはいつか運命になるから・・・

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