ジャパンブランド、第2回「日本式サービスで世界をめざす」

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ジャパンブランド

ジャパンブランド、第2回「日本式サービスで世界をめざす」

NHKスペシャル、( ジャパンブランド、第1回「日本式サービス、強さの秘密」 )の続きが今回の放送でした。強さの秘密とは、日本国内市場で激しい競争にさらされ、培った洗練されたきめ細かなサービス、日本式サービス。日本国内で出ていた利益の倍以上、数字が一桁も二桁も違う規模になる可能性がる世界。英語の世界に飛び込め、インターネットの世界に飛び込め!

経済規模の大きなところへ飛び込め、大中華経済圏、イスラム経経済圏といった動きが加速している、というお話でした。世界で稼ぐジャパンブランド、日本式サービスで世界を目指します。そこに立ちはだかる異文化の壁。どうやって乗り越えればいいのか? 先駆者たちの工夫された知恵を学んでいきましょう。

デフレ時代に磨き抜かれた日本式サービス、海外へ

QBHouse、日本国内で480店舗を展開しています。自動販売機があり、受付嬢はいません。カットも出来るだけバリカンを使う。10分間で仕上げるためです。切った髪の毛を機械で吸い取りシャンプーする手間を省いているのも特徴でしょう。私はQBHouseを知りませんでした。人材育成、離職対策などどのようにして異文化の壁を乗り越えているのでしょう。

香港、47店舗展開。新しいお店がオープンするたびに朝から長い行列が出来るほどの人気ぶり。価格は60香港ドル、日本円で900円。日本では利用客はほとんど男性だが香港では女性客も目立つ存在になっています。2005年に進出し、今や香港最大のヘアーカットチェーンにまで成長。他にも台湾11店舗、シンガポール30店舗。海外部門の売り上げは24億円を超えています。

QBHouseが業績を伸ばしている特徴は何処にあるのか? 競争相手にはないサービスを提供しているという。どういうことなんでしょう? 安さだけならば、現地の低価格店に負けてしまいます。店の名前やスタイルを真似したコピー店も続々登場する熾烈なマーケット。厳しい環境の中でも香港の人たちの信頼を勝ち得ている秘密は・・・

サービスを担う現地従業員の人材育成に力を入れています。コピー店、客を待つ間従業員は座って新聞を読んでいますが、本家QBHouseでは、客の来店にすぐ気がつくように立って待つのが基本ということです。新人研修もするんですが、すべて経験者という人材。日本式サービスの基礎となる接客の心得を教えることから始まります。

  • 人材育成ポイント1、習うより慣れよ
  • 人材育成ポイント2、トラブルこそ成長のチャンス
  • 人材育成ポイント3、ベテランスタッフによるケア

現場に2日目から入らせて、直ぐに客対応を任せます。新人なのでトラブルも発生します。そのトラブル時、なぜミスをしたのかを自分で考えてもらうため、あえて叱ることはしない姿勢で新人と接します。QBHouseが行う日本式サービスに慣れるまで時間がかかるのでそれまでのフォローが大事ということ。新人従業員に自信を失わせない取り組みも行っていて、10分間で切ることに慣れていないスタッフのケアは現地スタッフがしています。

QBHouse側から現地従業員へ、一度雇ったら会社が一丸となって長い目で従業員を育てるということだったり、長く働いてくれて一緒に成長していきたい、というのが日本企業、とメッセージを送ったり、10年後、20年後までこのサービスが続いていけばいいという考え方などを伝えていきます。

引き算型のビジネスモデル

加価値の足し算が今までのスタイルでした。そこからデフレ時代の中で一番の強みは何か、特化したポイントで攻めるというスタイルへ変化させます。デフレが育てた新日本式サービス、デフレのプレッシャーで工夫魂を発揮し、サービスの本質を伝えることが最重要という認識になります。例えば、トラブルへの適切な対応が新たなファンを生むということだったり・・・製造業が円高で苦しんだコスト削減問題に対応していった過程と似ています。

最大の壁、離職文化

はQBHouseが展開する離職対策です。会社に不満はないが独立して自分のお店を持ちたい、香港では転職はキャリアップにつながるとポジティブに捉えられている傾向があります。QBHouseでも2年以内に半数以上が辞めている現状。人が離れるとお客さんが離れる、お客さんが離れて人が離れるのではなく。人、人材をどれだけ大切にできるかが鍵となるようですけど、どのような対策を施しているのか?

離職対策ポイント1、現地従業員の幹部社員への昇進

能力が認められれば店長に抜擢され、更にエリアマネージャーに昇進できるチャンスもある仕組み。エリアマネージャーは地区ごとに店舗や人事を任され、大きな権限を持ちます。成績次第で給料も上がり、転職しなくてもQBHouse内でキャリアップできる仕組みを提供しています。

離職対策ポイント2、チームワークを高める

優秀な成績を収めたお店を表彰し賞金を与え、貰った賞金はお店内従業員に分配される仕組み。強いチームへの成長ポイント、一つは仲間の長所を認めること。もう一つは仲間の不足を補うことでチームの結束力を高めていきます。

離職対策ポイント3、モチベーションを保つ場を用意

年に一回、カットの技を競うコンテストを開催して社員の士気を高める工夫も施しています。他の従業員や他の店舗からも注目を集めるでしょうし、もっともっと頑張ろうという好循環のサイクルがQBHouse内に発生するのではないでしょうか。

海外進出のポイント、パートナーとの関係作り

いパートナーが現地で見つかるかどうかが鍵となるようです。進出先の国でビジネスを一緒に立ち上げる現地企業。現地の商習慣、流通、人材などに精通しているので助かります。パートナー選びのポイントとして、儲けよりも志、ということに注目しろと!

日本のサービスは高品質で魅力的なので海外の人はやりたいと考える。そこで、儲かるからやりたいのか、それとも自分の国の社会基盤とかライフスタイルを変えたいのか。そのような志、社会基盤とかライフスタイルを良い方向へ発展させたい、という気持ちを持っているパートナーと仕事をすると日本のサービスもどんどん広がるということです。

誠意だけでは世界に通用しないのは世界のビジネス環境では常識です。故邱永漢氏の本が役に立つのではないでしょうか。「中国人と日本人」、「日本脱出のすすめ―アジア的スケールでものを考えよう」、「海の向うが面白い」とかオススメです。

イスラム教経済圏へ、日本式サービスで世界をめざす

スラム教経済、16億人の人口を抱え、将来2030年の市場規模、1千兆円です。しかしここにも異文化の壁、ハラル経済圏がイスラム教経済圏の本筋。ここへ日本式サービスを従えて、ショッピングモールや外食産業で活路を見出そうとしている動きが存在しています。

マレーシア、人口の6割を占めるイスラム教徒。この市場へイオンが進出をしています。イオンマレーシア、マレーシアで31店舗を展開。30年前に進出したイオンは代々日本人がトップを務めてきた歴史があります。そこへ新たな人材投与、イオンマレーシア社長、メリー・チュー女史です。彼女は現地マレーシア人で、日本式サービスのいろはを学んできました。

現地の人ならではの目線で日本式サービスをアレンジすれば、イスラム市場でも十分通用すると現場の改良、改善、改革に乗り出しています。日本人は同じ日本人でも現地で雇った日本人と、日本国内本社から送られてきた日本人とで差別的扱いが発生していますから・・・イオンは現地従業員から社長に抜擢するまでに30年もかかっているんです。

外食産業、豚肉やアルコールなどが含まれた食事は禁じられているイスラム文化

ラル、イスラムの教えで許されたものという定義です。このハラル経済圏へ進出していくには日本食をアレンジする必要があるのです。回転寿司のすし金はどのように適応、現地化しているのでしょう。マレーシアで86店舗を展開、SUSHI KINGという名称で通っています。

アレンジのポイント1、現地の人の好みを徹底追及

日本人から見てこれは寿司と呼べないだろう、というようなトッピングをあえて展開。日本人が持つ寿司に対しての固定観念は捨てる。試食会でも現地の人だけ参加して、日本人は参加しない新メニュー開発という徹底ぶり。

アレンジのポイント2、現地の人が寿司を握る

同じイスラム教徒が調理していれば安心して信頼できるという雰囲気を作り上げる。ここでも日本人が持つ寿司に対しての固定観念を捨てる。寿司は日本人が握って寿司と呼べるということではイスラム教経済圏で相手にされない現実が存在している。

ここまで大胆に発想を180度転換し、行動を現地化するためにゼロベースで全てを始める勇気ある日本人は居るだろうか? 番組では今こそアレンジ力を発揮すべきときではないかと、指摘されていました。つまり、日本人は日本人好みに仕立て上げるのは得意、なぜその逆ができないのか、と。現地化です。

漢字文化やローマ字文化から様々なものを取り入れ、日本人独自の発想と努力で現地化、日本向けにアレンジしてきた器用な日本人。今度はこのプロセスを現地に合うよう、日本式サービスをカスタマイズしていく。その過程で日本に存在する本家のものとかけ離れてしまうものも出てくるかもしれませんが、良いではないですか。生き残るためには柔軟的に適応する必要があるのです。その際には、威張らずおごらず、媚びずへつらわずという態度も大事だとか!

日本式サービスとものづくりで巨大市場をつかむ

スラム教経済圏、アジアから、中東、アフリカまで存在しています。モノへのサービス支援とサービスへのモノ支援。何を作ればいいのか、サービスが教えてくれるということで醤油をイスラム教文化用に改良することを試みている大分県臼杵市に本社を置くフンドーキン醤油株式会社のハラル認証の取得問題への取り組みを見て行きましょう。

ハラル認証とは、宗教的に安心して食べられる食品だと政府機関などが保証する制度です。原材料、工場設備、流通など事細かに審査されます。日本のメーカーが持っている力、ニーズに合わせて細かい作り込みができる力量が試されます。

醤油を作る最後の過程でアルコールを加えます。アルコールなどが含まれた食事は禁じられているイスラム文化、ここを改良する必要があるということで模索していました。技術者を現地に派遣、最終工程をマレーシアで行うということですが、どのような工夫が施されるのでしょうか。

イスラム市場に活路を見出す試み、日本の市場で世界一品質に厳しい消費者を相手にしてきた人たちだからこそ、細かい対応ができると思っている、その力をイスラム圏に持っていってほしいとこのプロジェクトに投資している会社社長が仰っていました。

圧倒的日本製品の信頼感

組内で日本のお菓子が紹介されていました。そのパッケージに注目!漢字のみの表現だと中国製品だと思われてしまうのでカタカナ表記も行っています。なるほど、と感心しました。圧倒的日本製品の信頼感、この信頼感がサービス産業にも及んでくると凄い可能性が・・・凄いことになるでしょう、日本式サービスという付加価値です。

番組を見終わって・・・

は将来的には日本は再び円安環境に支配されると思っています( 円安へのシナリオ – 自己実現的予言によって日本人は誘導されていく )。その時、海外と接点を持っている人や、情報(経済力)を持っている人などは圧倒的に有利な立ち位置を確保している可能性があるのではないか、と考えています。

円高の状況下に入っていた頃、国内で生産していた製造業などが海外へ工場などを移転して行きました。人件費が安いところを求めて、ある程度の技術流出は仕方ないと捉えていてもコスト削減を実現させないことには競争に負けてしまうからです。

少子高齢化社会が待ち構えている日本社会。経済的に潤っていくには海外との接点がどうしても必要です。日本人全体の人口が減っていくのですから、日本だけを相手に商売をしていたのでは売上の右肩上がりは期待できないでしょう。規模の経済、東南アジアを含む大中華経済圏だったり、ハラル文化のイスラム教経済圏に挑んでいくことはもはやサバイバルなのです。

日本式サービスを引っさげて異国の地へと活路を見出す。日本人が国際的社会人に成れるチャンスかもしれません! まだ始まったばかりの潮流ですが、この大きな動き、日本式サービスの海外展開は日本社会全体を覆う大きな雰囲気へと成長していくでしょう。誰もが海外へと否が応でも行かざるをえないような状況がそこら中に存在することになるのです。

「最高に強い種が、最高に知的な種が、生き残るわけではない。周囲の変化に最も敏感に適応した種が、生き残る。」生き延びるためには適応して行く、自分が主体的に変化していくしかサバイバルできないのです!

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