ジャパンブランド、進化するガラスを生み出す技術者集団、旭硝子


旭硝子

ジャパンブランド、進化するガラスを生み出す技術者集団、旭硝子

われた10年、20年とネガティブな表現を日本経済、日本社会に当てはめることがある。確かにそのような部分もあるかもしれないが、皆が皆、全員が全員、ただ黙ってそのセリフを受け入れてきたわけではないと思う。私は「カンブリア宮殿」に登場する様々な会社経営者の生き様を観察してきて、ただではやっぱり日本人、転ばないなぁという思いを抱いている。

多くの個人はそのネガティブな潮流に流されゆくまま自分の身を任せ、他人も一緒だからいいや、とそのまま思考停止状態に陥る。私は危険だと思う。少数だが新しい社会の変化に対応しようと、または飽和状態の産業フィールドに新しい改革を起こそうとしている人間たちがいるという事実は勇気を与えてくれないだろうか?

日本社会はこれからも少しずつだか変わっていく。テクノロジーの進歩が社会に小さな変化を受け入れさせ、それが知らず知らずの内に標準化され、気がついたらあるテクノロジーなしの昔の社会の有り様を想像できないばかりか、受け入れることさえできないほど、社会が大きな舵転換をしたことに驚きを感じるであろう。

海外生活25年、日本人の感覚を持った視点で海外から日本の現象を観るととても新鮮で、これは新しい潮流へと成長する、というのが直感的に確信する機会が多くなる。私の今与えられた役目はこれらの真実を日本に住んでいる日本人の皆様に伝えることではないかと思っている。

余計なお世話! まぁまぁ、浦島太郎は何と言っているのか少しだけでも耳を傾けてみてはいかがであろうか? 日本人はもっと自信を持つべき!その理由を知りたいだろうか? 今回は「ガラスの王者!“難きに挑む”巨大企業の知られざる実力、旭硝子」のお話である。

  • 2050年以降の世界経済
  • 技術的特異点を迎えるにあたって

知られざるガラスのガリバー企業

窓ガラスや自動車ガラス、そしてスマートフォンなどに使われているカバーガラスなどあらゆる分野で使われているガラス。旭硝子は、板ガラスで世界シェア首位争いを繰り広げ、液晶ガラスは世界2位、自動車ガラスは3台に1台が旭硝子製という圧倒的な強さを誇っている。その秘密はガラスに様々な機能を持たせる高い技術力にある。

暑さや寒さを室内に伝えないガラス、反射や映り込みがほとんどないガラス、正確な色味を映す鏡など…透明なガラスとは思えない特徴を持たせることが出来る。そして住宅で爆発的なヒットを飛ばしているのがLow-Eガラスという、夏でも快適に過ごせる機能を持ったガラス。旭硝子の日本最大級の工場では創業時から磨き抜かれたフロート法という工法で大量生産が行われていた。次々に作られるガラスを巨大装置で機能をもったガラスに生まれ変わらせていく。

ニッポンのガラス技術、旭硝子

京スカイツリー、展望デッキのある場所に人集りができている。ガラス床になっていて真下の様子を覗き見ることが出来る場所。地上340メートル、使用されているのは旭硝子の最新強化ガラス、1平方メートル当たり800キロまで耐えるという。

オフィスビルで利用されている板ガラスはほとんどが旭硝子。板ガラスの売り上げ年間3677億円、板ガラスでは世界トップシェアを誇る。他の場所にも旭硝子の板ガラスは使用されている。ベルギー、リエージュ ギユマン駅、全面ガラス張り屋根。フランス、高速鉄道「TGV」の車窓ガラス。自動車用ガラスでは何と3台に1台が旭硝子。年商1兆3200億円!!

番組収録スタジオで、旭硝子社長石村和彦氏が手にしていたガラス、厚みわずか50ミクロン、0.05ミリの超薄板ガラス。紙より薄いガラス、折り曲げることのできるガラス、コピー用紙の厚さが0.1ミリ、それよりも薄いガラス。いろいろな機能をガラスに持たせることができる可能性はまだまだ存在する、と石村社長のお言葉。

他にもスマートフォンで使用されているガラス画面、これが絶対割れないガラスだという。強化ガラス、その名もドラゴントレイルという旭硝子が開発した商品。今では300機種のスマートフォンに搭載されている。驚きのドラゴントレイルは金槌で叩いても割れない、カッターで引っかいても傷がつかない無傷。通常のガラスに比べ、強度8倍!

進化するガラスマジック1

カフェ、店内と外を隔てるガラス、ここに旭硝子が開発した特殊ガラスが設置されている。低反射ガラス、外の木々などがガラスに反射しない商品。これが美術館で大活躍する。絵画などの作品、室内の照明が反射してしまうので鑑賞しにくい。そこで低反射ガラス設置、まるでガラスがないような見栄えに進化する。

進化するガラスマジック2

住宅向けのガラスに使用されているのが旭硝子が開発した遮熱ガラス、西日など日差しの強い場所に設置される。特長は熱を遮るという、価格は通常ガラスの約2倍(ペアガラスの場合)だが売れ行き好調、車のショールームなどでも活用されている。10度以上も温度に違いが現れるのだがどうして? 目に見えない銀の粒子がコーティングされている、この仕組みが熱を遮るという。

ガラス製造現場

長600メートルもあるガラス工場を番組が取材、ガラスを作る製造過程を説明しています。ガラスの主原料は珪砂。この白い粉を1500度で加熱するとドロドロに溶ける、その後じっくりと冷やしていくとガラスになる。でも平にするためにはどうすればいいのか?

利用するのはスズ、溶けたスズで満たせた巨大スズプールが製造工程内に設置されてあり、溶けたガラスを巨大スズプールに流し込んでいる。仕組みは比重の軽いガラスがスズの表面に流れ出し、水面に張り付くように広がっていく。名付けてフロート法、スズにガラスを浮かべながら作るのでフロート法と呼ばれる。畳18畳分の巨大ガラス製造可能という。

ガラスというのは結晶材料じゃない、単純に言ったら液体、固まっている液体。原子構造は液体と同じような構造をしているのでいろいろなものが混ぜられる。鉄などのような物質、丈夫な結晶構造で成り立っているので、簡単に他の物質を混ぜることができない。しかしガラスは液体と同じくらい柔軟な構造であるから、その混ぜ方によって無限の特性を出すことができる可能性があると石村社長は仰っていました。

あえて難しいことに挑む!驚異の技術集団

金槌で叩こうが全くビクともしない、スマートフォンに採用されるガラス「ドラゴントレイルX」に、業界初の99%紫外線をカットする自動車用ガラス「UVベール プレミアム」…そんな旭硝子の圧倒的な技術力を支えるのは5000人のガラスのスペシャリストたちと、技術者たちの技能を簡単に探し出せる「スキルマップ」というシステムだ。

社長の石村自らの発案で作ったこのシステム、きっかけは、かつて立ち上げに参加した液晶ガラス工場で現場の技術者に助けられた経験。困難な挑戦を決して諦めない彼らの力を思い知ったという。そんな技術者のマインドを形作ってきたのは、旭硝子創業者の「易きになじまず難きにつく」という言葉。高い技術に挑み続けた技術者の歴史こそが、王者の強さを支えてきた。

5000人の技術集団

ラス材料スペシャリストを数多く抱える旭硝子。例えばドラゴントレイル、アルミナ、酸化アルミニウムを使用している。そのスペシャリスト曰く、どのような材料を組み合わせるのか、ノウハウもあるし腕の見せ所だと。

コーティングスペシャリストの場合、化学、ガラスの上に膜を塗る作業。通常のガラス、熱いお湯の入った入れ物の上にかぶせると当然のことながら水滴がつく。しかしコーティングガラスを被せる、水滴が全くつかない、何と曇らないガラス。表面の膜が水を吸ってしまうという。

自動車用最新ガラスでは夏でも涼しくドライブできる、紫外線を99%カットするガラス。国産車約30車種で採用されている。コーティング、ガラス成形、ガラス製造、ナノ材料、高分子材料、ガラス材料設計、ガラス複合化、電気化学、セラミック生産、フッ素化学、無機材料化学と、国内外で約5000人、39分野のスペシャリスト集団を抱える旭硝子の強さ!

技術人材戦略部

硝子技術者データーベース、スキルマップを作成、技術者を得意分野や能力で検索できるシステムを取り入れる。主な目的は、優秀な人材をキャリアップさせるだけではなく、眠っている人材を有効活用する面もあるという。例えば新プロジェクトは始めたい、となったとき、世界中の技術者の中から瞬時に最適者が選ばれ、優秀なメンバーを集めることができる。

旭硝子グループ

上高1兆3200億円。ガラス50%(板ガラス、フロート板ガラス、遮熱ガラス、建築用加工ガラス、自動車用ガラス、フロントガラス、ミラー、UVカットガラス)、電子25%(ディスプレー、液晶テレビ用ガラス、スマートフォン用ガラス、電子部材)、化学品22%(フッ素、ウレタン)。

創業1907年、日本初、板ガラスの製造に成功。創業者、岩崎俊弥氏、三菱財閥を作った岩崎弥太郎の甥。創業者の信条が旭硝子を築く、「易きになじまず、難きにつく」。簡単なところを選ぶのではなく、難しいけれども果実の多いところを狙っていこうということ。

易きになじまず、難きにつく

晶ガラス、わずか0.5ミリという商品、液晶ガラスが液晶を前後から挟み込んでいる、わずかな凹凸も許されない。1990年代初頭、液晶テレビが普及する以前、コーニング、世界に先駆け液晶用ガラス製造法を確立。アメリカ「コーニング社」、1851年創業、液晶用ガラスで先行。当時、液晶用ガラス特許を独占し市場の独占を目論む。

特許を買うか(ロイヤリティーを払う)、独自の手法を生み出すか。コーニングに対抗する手段、旭硝子、1989年、液晶用ガラス工場建設、約400億円を投資、薄くて平らなガラス作り、他社とは全く違うやり方を選ぶ。連続研磨機開発、フロート法+研磨。メリットは大量生産、低価格。しかし1年経っても製造できない。5年後、生産が軌道に、液晶用ガラス部門、営業利益の約9割を占める。

新たな市場開拓、旭硝子の戦略

2014 FIFAワールドカップ、ブラジル大会で旭硝子は認知度アップ目的の戦略を取る、国際サッカー連盟(FIFA)とブランドライセンス契約。提供したものはガラスルーフベンチ、強化ガラス「ドラゴントレイル」、スマホ7000枚分を使用。反射率、通常のガラスの13分の1、これでベンチ裏の観客も試合をライトなどの影響を受けずに鑑賞できる。

世界における旭硝子の売り上げ、欧州2914億円、北米1118億円、日本・アジア9569億円、まだ未踏の地、南米へ本格進出する。2013年10月から稼働している旭硝子ブラジル工場、約400億円を投資して完成。年間22万トン生産可能だという。ここで生産されるもの、建築用ガラス、自動車用ガラス。GDPの成長とともにガラスの需要も高まっていくと。

番組を見終わって、あとがき・・・自分たちの強みを知っている企業の勢い

会の至るところで旭硝子の商品は活躍している。ガラスの進化した新商品にも驚いたが、私が凄いと感じたのが約5000人もの技術者の存在。39分野のスペシャリストを抱え、固まっている液体というガラスの可能性を探る旭硝子は攻めの姿勢を維持し続ける。創業者、岩崎俊弥氏の信条、「易きになじまず難きにつく」という心意気は旭硝子のDNAに染み込んでいる。

南米市場、東南アジア市場、アフリカ大陸市場とまだまだ未踏の地は存在していて、旭硝子の活躍する市場はまだまだ広がる可能性を秘めている。ゴムの素材の特性を研究し続けているブリジストン( ジャパンブランド、ゴムに付加価値を与えるグローバル企業のお手本、ブリヂストン )と同じでガラスの特性を活かしきる知的集団を抱える旭硝子は今後も驚きのガラス商品を世に紹介し続けていくであろう、と確信しました。

2050年以降の世界経済

経済史のアンガス・マディソン教授によると、中国のGDPのピーク時は1820年で、そのときの規模は世界の33%を占めるほどの世界規模であった。現在はまだ世界の10%に過ぎない経済規模であるので、まだまだ途中経過であることを理解しておいた方が良い。折角これだけ勢いのある経済が隣国にあるのだから、いかに協調して双方が発展する経済協力を果たすかを、百年計画で考えた方が良い。

世界史を紐解けば中国が世界最大の経済規模だった期間は長い。つい最近でいえば、1880年代の光緒帝(ラストエンペラーの1代前)の清王朝までは、2千年以上世界最大の経済規模だった。この中国の定位置だった世界一の経済大国の称号が、1世紀ばかりのインターバルを置いて元に戻ることになる。日本にとっては悔しいことだろうが、世界の中から見ればこれは通過点に過ぎない。(10秒で読む日経)

中華経済圏の中で適者生存していくにはどうしたらいいのだろうか?50年後、100年後の経済界ではあの会社もこの会社も、気がついたら中国系資本というマーケットが誕生しているかもしれない。否確実に存在しているであろう。私の興味はこの「ガラスの王者!“難きに挑む”巨大企業の知られざる実力、旭硝子」にあるユニークなジャパンブランド的市場有利性が大中華経済圏の中で通用しているのか、という点である。

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大中華経済圏でも、親日国家インド社会でも、イスラム社会でも、アフリカ大陸でも、欧米社会でも旭硝子が提供する様々なガラス商品が社会を潤していることでしょう。人々の暮らしを便利で快適なものに進化させ、経済発展とともにガラスに対する需要も伸びるはずです。

技術的特異点を迎えるにあたって

術的特異点とかって聞いたことありますか? 英語でTechnological Singularityっていうんですけど、要は今から30年後ぐらいの2045年頃にはコンピューターが人類叡智を超えるというものです。AI、人工知能です。その前の2018年頃(後4、5年後です)にコンピューターチップ容量が人間の脳細胞容量を超えます。で、その30年後、大体2050年前後に、コンピューターチップ容量は人間の脳細胞の100万倍に達しているそうです。

ムーアの法則とか有名ですけど、チェス盤の法則というのもありまして、その話に凄い刺激を受けたんです。簡単に説明すると、ある家来が王様のお役に立つような仕事(チェス盤を発明)をします。ご褒美は何がほしいかと尋ねられた家来は毎日ある量の米粒だけほしいといいます。チェス盤を王様の前に持ってきて最初のマスに米粒一粒、次の日には最初の一粒の倍、つまり2粒。3日目は前の日の2粒の2倍、4粒。このようにしてチェス盤が最後まで埋まるまで倍々で米粒をほしいと王様に交渉します。

もちろん王様は最初の小さい数字にしか気に止めなかったので、たやすいことだとおもい、引き受けるのですが、チェス盤の半分ぐらいに達すると米粒の量が凄いことになるんです。半分以降になると用意しきれなくなることに気づいた王様はその家来を殺してしまうんですが、この仕組みが1958年頃から始まったコンピューターのトランジスターの数と関係してくるという話です。

ムーアの法則では18ヶ月でトランジスターの数は2倍になり集積密度の向上が進むというもの。1958年頃から始まったデジタル革命創世記はチェス盤でいうところの最初のマスあたりです。で、今どのぐらいの位置にいるかというと、2006年頃、丁度iPhoneやYouTube、twitter、Facebookなどが社会に浸透し始めた頃です。ここがチェス盤でいうところの丁度半分ぐらい。で、これから先、倍々ゲームで凄いことになっていくわけです。

これからの30年から50年って多分人類が2度と経験することがないような期間になると思うんです。アナログからデジタルへ、それらテクノロジーが社会の至るところに恩恵を施していく。100年先では当たり前になっている世の中の仕組みをこの30年から50年の間に作っていくことになるであろうと予測するんです。

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創業者、岩崎俊弥氏の信条、「易きになじまず難きにつく」という心意気が旭硝子に存在し続ける限り、新たな課題が立ちはだかっても、その壁を乗り越えて新たな市場を開拓してくはずです。39分野のスペシャリストが見える化したおかげで、進化させたガラス商品開発のスピードは早まるのではないでしょうか。

想像して創造すれば、君は何処へでも行ける

ーアの法則が終焉を迎え、思考で物を動かし始める。ロボットと人間が融合し始め、アバターが日常生活に入り込む。遺伝子治療によって医療は個々にカスタマイズされ、老化の停止、遅延が当たり前になる。ナノテクノロジーの進化にともなって量子コンピューターを人類が扱うようになり、核融合発電によって世界のエネルギー需要供給に大変化が起きる。

コンピューター、インターネットのインフラ化が世界中に行き渡り、WiFiの範囲が空気と同じような扱いになる。インターネットに繋がることは呼吸をすることのように無意識になり、情報、テクノロジー革命が全てをデジタルに置き換え、社会がデジタル秩序によって収まる形に整い、人類が営むシステムがデジタル化に移行した後、2千年、3千年、5千年と同じようなシステムが継続していくであろう。

2050年、2100年の はどうなっていると想像しますか? 技術的特異点の恩恵を受けるでしょか? 大中華経済圏の影響を受けているでしょうか? どのような形で人類社会に融合していることが私達(日本人、アジア人、世界中の人々)に幸福をもたらすのでしょうか? 選択肢は私達の思考にあります。想像して創造すれば、私達は何処へでも行けるでしょう。

思考に気をつけましょう、それはいつか言葉になるから。言葉に気をつけましょう、それはいつか行動になるから。行動に気をつけましょう、それはいつか習慣になるから。習慣に気をつけましょう、それはいつか性格になるから。性格に気をつけましょう、それはいつか運命になるから・・・

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