ニューヨークの地下鉄事情、日本の地下鉄は凄い!


MTA地下鉄

ニューヨークの地下鉄事情、日本の地下鉄は凄い!

政難のMTA。先月6月28日からMTA地下鉄・市バスの新運賃が適用されていたニューヨーク。初乗り2ドルから2ドル25セント、1ヶ月有効メトロカードが81ドルから89ドルと対して変わらないじゃないか、と思うかもしれないけれど実はここへたどり着くまでに一騒動あって、ニューヨークのメディアは連日のように報道を繰り返していた。

何が問題かというとこのMTA、ニューヨーク州都市交通局が巨額の財政難に陥っておりその穴埋めとして平均25%に及ぶ大幅な地下鉄・市バスの運賃値上げや、路線削減、1000人規模のMTA職員解雇などの最悪の事態がくると証してメディアは「Doomsday」がくるとこの提案を大々的に批判。

先月11日にMTAは緊急役員会を開き、5日に州議会で可決されたMTAに対する財政措置に伴う新運賃案に関する採決を行った。結果は賛成11、反対2で同案は可決。先月の終わり31日に施行が検討されていたが前倒しとなり28日の日曜日から適用されたという流れだった。

全体として運賃値上げは10%に収まり、削減される予定だった地下鉄やバスの運行ラインも現状維持となる。しかし多くの人が見落としている問題がある。それは同救済策には2011年と2013年における7.5%ずつの運賃値上げが含まれている。

要約してみると、一度に25%も運賃を上げると人々がパニックに陥り、下手をすると怒り爆発、大規模なデモなどに発展する恐れがあるため、3回ぐらいに分けてゆっくりと痛みが分からないように市民に犠牲を迫ろうというもの。

特に去年の世界金融危機 (2007年-)以来、ニューヨークの景気は悪くなる一方、市民の生活を圧迫している中、毎日の生活基盤、地下鉄やバスの運賃値上げとなれば、ストレスが更にのしかかるという構造。

つい先日新しいアメリカでの失業率が発表されたが(9.2%)、このまま景気の回復がしばらく遅れるようだと、益々70年代、80年代の汚くて犯罪率の高いニューヨークへと後戻りしてしまう。

地下鉄駅構内のブースが無人になるのは不安だし、ただでさえ汚いニューヨークの地下鉄が一段と汚くなることは予想できる。ゴミを片付ける、掃除をする人が削減される。地下鉄構内プラットホームでのゴミの散乱といったら今では普通の景色になりつつある。

ホーム下のレールを覗けばそこにもゴミが溜まり、大きなネズミが徘徊している。酷いところになると雨の日、それも集中豪雨的に雨量が一気に高まったりすると、レール上が水浸しになり、小さなドブ川のようになって流れていく。

特にこの時期の夕立とか雷雨というものが発生すると、都市部であるために一気に大量の雨が降り、雨水が地下鉄駅構内、レール上にあふれ出し、それが原因で電気系のトラブル発生、こうなった時には地下鉄、半日は動かない!

後、夏の間最悪なのは日本と違ってエアコンの設備が駅構内にないので(駅構内がエアコン状態になっている日本も信じられないけど)、蒸し暑い夏の日の地下鉄駅プラットホームは蒸し風呂状態になる。あの空気がなんともどんよりした中、汗だくになりながら地下鉄を待ち続ける。時刻表なんてないからいつ地下鉄がくるのかも分からないし!

やったぁ、地下鉄が来た、とここで早とちりをしてはいけない。地下鉄の各車両をよく観察することをオススメする。あっ、この車両がら空き、ゆっくり座っていけるぞ、と思っていざその車両に乗り込んだ瞬間、二つの最悪の状況に出くわすことになる(ニューヨーカーなら知っているよね!)。

やせ我慢しますか?

つはエアコンが全く効いていない車両。乗り込んだ瞬間、うわっ、やられたぁ、ひっかかってしまったぁ、と気を取り直して素早く両隣の快適なエアコンが効いている車両に移るか、開き直って空気がどんよりしている車両の中、やせ我慢をしながら、それでも座れることを優先にしてそのまま居座るか。

しかしもう一つの最悪の状況にはまってしまった場合は覚悟しなければいけない。それは浮浪者が車内にいる場合だ! 何が強烈かといったら、車内に充満している浮浪者からの強烈な悪臭。あの匂いは我慢できない! ものすごい、特に暑い今の季節、浮浪者たちの匂いは人を不快にさせる武器といってもいいぐらい、もう勘弁してくれ!

長い時間、サウナと化した地下鉄駅プラットホームで地下鉄を待ち、やっとの思いで地下鉄が来てみると、どの車両も人だかりの満員状態。そこへ“あれっ、この車両だけ空いているぞ”、と喜び勇んで入っていくとそこでは地獄と化した車両が待ち構えている。周りを見回してみれば両車両の人たちがこちらを見て笑っている、“あぁ、あいつら、ひっかかったなぁ”、と。

次の駅に止まるまで暫くのやせ我慢、息を止め、地下鉄が止まってドアが開いた瞬間、ダッシュで隣の車両へと走りこむ。あぁ、助かったぁ! 他にも「Straphanger Campaign」調査の結果によると、市内地下鉄の公衆電話の4機に1機は故障中ということらしい。利用できるなどと最初からニューヨーカーは当てにしていない!

こんな感じなんですよ、ニューヨークの地下鉄というのは!

問われる安全性

月の終わりには同じ東海岸都市、ワシントンD.C.で地下鉄のシステム障害の末、信号待ちをしていた地下鉄に後続の地下鉄が突っ込んで7人余りが犠牲者となって亡くなった。

このワシントンD.C.と同じようなコンピューターによるシグナルシステムを利用しているのがニューヨークでは地下鉄のLラインということもあり、安全性の確認が問われたばかりだし、他にも駅構内のプラットホーム列車乗り口が古くて崩れ落ちているところがかなりの規模で存在している。

地下鉄に乗ろうと思ったら列車とホームの間にかなりの溝があったり、乗ろうと足を踏み出した瞬間、ボロボロと、ホーム端が崩れ出したりと危険極まりない! 犯罪から自分の身を守る危険と、老朽化による危険、とすべてはMTAの財政難という大きな問題を抱えている現状から派生している。

2ドル何ぼでどこまでも行ける有難さ

かし日本人の僕は思うのだが、たかが2ドルで何処までも行くことができる地下鉄に乗っておいて何を文句言おうか、と! 日本の交通費を見てみるが良い、初乗り2百円で何処まで行けるであろうか?

つまり2ドルなんぼで今まで何処までも行けた料金システムに問題があるわけで、良いサービス、奇麗な地下鉄、快適な空間、安全性、利便性を手に入れたいのであれば、それ相応の対価を支払う必要がある。今回の値上げだってまだまだ日本のそれと比べたらべらぼうに安いんだから。

競合他社が存在しないのもいけない。昔は2、3社が運営していたらしいがニューヨーク市がすべての社を買占め一つにまとめたとか。この状況だと改善なんて気持ち、生まれてこないと思われる。よくて現状維持とどこかの国の政治家みたいですね! 解雇にならず引退してからの年金がもらえる生活が保障されていればそれでいい。

このような連中だから2005年12月22日、MTA職員のリタイアメントプランを見直そうとしたとき反対してストライキを決行、ミリオンという地下鉄・市バス利用者に多大な迷惑をかけた。あの時は冬だったから大変だったよ、寒くてねぇ。

信じられないかもしれないけど僕がロサンジェルスからニューヨークへ移ってきた1996年の時なんて、まだメトロカードというものはなく、トークンというコインを地下鉄駅構内のブース前に並んで一人一人購入していたんだよ。その当時の初乗りは1ドル50セント!

これから導入されそうな利便性

本のようなパスをセンサーにかざすだけで、などというシステムのお話も最近になって漸く出てきたばかりで、2011年ごろ導入を目指している予定だとか、でも絶対に予定通りに行かないのがアメリカというところなんです。

地下鉄内で携帯電話が利用できるようになると話題にもなりましたけど、あのプランは何処へ行ってしまったのか?

乗客の銀行口座やクレジットカードから運賃を自動引き落とし出来る機能? まだまだ先のお話。一枚のカードで地下鉄、市バス、NJトランジットの電車運賃、及び、橋やトンネルの通行料も支払える機能を持つカード? 未来の話だね! 10年後、達成できていたら奇跡という次元の計画かな。

確かに日本のそれと比べると格段に劣るけれど、2ドル弱でどこまでも行けるシステム、24時間サービスという有難さ、などを考慮するとこれらの要因はニューヨークのダイナミズムを支えるものになっていることも確か。

不況の煽りを受けて自転車通勤も増えたらしいが、まだまだニューヨークの地下鉄は文句を言われようが人々の毎日の生活基盤の上でなくてはならない市民の足として活躍していくのであります。

そうそう最近やっと地下鉄の全ラインで日本製の車両が使われるようになった。車両内のアナウンスがデジタル音声に変わり、次の駅名お知らせ、時刻、全ライン上のすべての駅が掲載されたデジタルマップなどが車両内に設置され車内電灯も明るくなった感じ。

女性専用車両? 多分、多くの男性利用者から文句が出るよ! That’s not fair.ってね!

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