今海外組が多数のサッカー日本代表がなぜ強いのか?


アルベルト・ザッケローニ

今海外組が多数のサッカー日本代表がなぜ強いのか?

の6月に行われた2014 FIFAワールドカップ・アジア最終予選、オマーンとヨルダンとの2試合。日本はこんなに強かっただろうか、というぐらいに点を取りいいリズムのサッカーを展開していた。みんな伸び伸びとプレーしていたしボールをもらう味方同士の関係が上手く機能していた。モチベーションも高くプロ意識を見ているこちらが感じるほど選手から伝わってきた。

昔まだ代表が弱かった頃、海外組は少数で国内組多数というい次期があった。海外組は移籍しても中々プレーする機会を与えてもらえなかったりしてレギュラーでプレーしている選手は稀だった。そんな中長いヨーロッパでのシーズンを終えて日本へ帰国、国内組と合流という状態。この構成が海外組中心にならないと日本代表は強くならない、と昔指摘したことがある。

今の日本代表を見ていると海外組が多数、国内組はほんの2、3人という状況。これがなぜいいのか、サッカーの技術的な部分ではなく、ハーモニー的要素のほうをまず説明してみよう。

国内組と海外組

内組の構成だとまず各チーム同士の軋轢の中、選手各々が召集されるため、それが微妙に選手同士の空気を構成してしまう。リーグ戦で激しく戦い混戦の中、憎しみや怒りが相手チームに対して抱いてしまうのはしかたがないというより当たり前のこと。この感情を引きずったまま、もしくは内に秘めたまま代表に合流していざ一つになれと言われても難しい部分が残るのではないだろうか?

嫌な言い方をすればあんまり活躍してほしくないし怪我なんかしても同情はするけど、リーグ戦で有利に展開できるのではないだろうか、といった邪念を生んでしまう? 同じチーム出身の選手同士で固まりやすいだろうしいくら代表のために一つになれ、といっても難しい部分が残るのではないだろうか、というのが僕の推測である。

これが海外組中心だとどうなるか? まず所属しているチームの国が違っている場合は、明らかにそして素直のその国のリーグで頑張る自分と同じ血が流れている日本人を応援するであろう。お互いに所属するチーム、国は違うけど健闘をたたえ合うはずだと思う。同国の同じリーグ内で戦っていても国内Jリーグで戦うのとは若干抱く感情が違ってくるのでは?

異国の地で戦っている同じ日本人。お互い厳しい環境の中、お互い切磋琢磨しあって成長していこう。それが日本代表を強くする結果に繋がる。チームの実力の底上げになるだろうし、各選手各々が得た経験、知識などは盛んにフィードバックする。どこかビックチームへの移籍が決まるとか、誰々が活躍しているなどのニュースには刺激されることまちがいなし。

日本へ帰国するタイミングも調整しやすい。そして代表が勝てばそれだけ注目されるし自分の評価、日本人サッカープレーヤー全体の印象がぐーんと上がるに違いない。そうするとまた各々のリーグへ戻っても馬鹿にされない、ある程度のリスペクトを日本人に対して向けられる環境が整ってくる。それが更に日本人に対する移籍市場での評判につながり、Jリーグ内での選手はじめ関係者全体の質の向上アップのモチベーションへと展開される。プラス方向の循環がこのようにしてどんどん繰り広げられていく。

UEFAチャンピオンズリーグに参加する資格を持つチームに所属することも大事だが、欲を言えばさらに決勝トーナメントまで確実に勝ち進めるチーム。できれば準決勝ぐらいまで残るチームでスタメンとして経験を積むようになると日本代表に技術面然り、知識などの厚みが蓄積されていく。今はまだ中堅どころのチームに移籍していくのが一般的だが、それでも昔に比べれば大きな進歩である。

代表イレブンが欧州各リーグで活躍する上位のチームに所属、スタメンでプレーする選手で戦うとき、確実にFIFAワールドカップで上位を狙えるチームに成長しているはずだ。そういう意味で言うと今の日本人サッカープレーヤが欧州リーグの中堅クラスどころだったら自分の実力ならば通用する、という自信を得たのは大きい。後は実際に異国の地へと飛び出し、厳しい環境の中、自分だけの情報を掴んで立ち上がっていくしか方法は残されていない。

アルベルト・ザッケローニ監督、カテナチオ

表の守備に関する意識が高まっている。ボールを取られてから3秒以内に取り返す、というような決まりごとが浸透しているように感じるのは気のせいだろうか? バルセロナのサッカーを見ていて思ったことなんだけど、ボール支配率が常に高いチームは一度ボールを相手チームに奪われようものならば3秒以内に取り返す約束事でチーム全体が動いているように感じる。一瞬にしてスイッチが切り替わってしまう。この高い意識が非常に良い。

もう一つ、これもバルセロナのサッカーと共通していてボールをキープしている人間の周りに三角形を常に作っておけと。だから攻撃を仕掛けるときの厚みが増し、三角形の横の三角形、縦の関係に三角形。これが早いパス回しにつながり相手ディフェンスのバランスを崩すことに繋がる。本田のボールキープ力に香川のボールコントロール術、遠藤からのパス采配のバランス、長谷部のクレバーなプレー、長友や内田のサイドバックからの攻撃などに繋がる。随分と日本代表の人材はたくましくなった。

FW前田の活躍は嬉しい。皆前田の良い所を理解しているのが伝わってくる。前田の控えの森本やハーフナー・マイクも楽しみな存在である。右の岡崎はVfBシュトゥットガルトへ移籍してから更に上手くなった感じがする。ここのポジションの競争相手は宇佐美かな? 左の香川は独特のリズムで攻撃を仕掛けてくる。このようなタイプの選手は今まで日本人の中には存在していなかった。ここのライバルになる可能性を秘めているのが清武。彼も上手いな!

本田は言うことないであろう。サッカーのセンスが非常にいいし、きっとひらめきとかのイマジネーションが豊富なんだと思う。ここの代わりは誰だろう? 中村憲剛はボランチで使いたい。この選手はとてもクレバーな選手なので将来的には遠藤の後釜を背負わすのがいいのではないか? パスを配当する俯瞰してフィールドを把握できる才能を持っていると思う。

長谷部はまだ使えるだろう。サイドバックの長友もまだまだ使える。彼はロベカルのような存在になれる。右サイドバックの内田の競争相手は成長著しい酒井。センターバックの今野は安定している。背丈が在るわけではないのに起用されているのはディフェンスとしてのセンスと、頭脳を持っていることがあげられるのではないだろうか? 吉田ともう一人海外で活躍するセンターバックの存在がほしいところ。キーパーの川崎も当分安泰。

後2年でまだまだ個々の選手は成長できる。今のモチベーションをキープ出来ればまだまだ日本代表は強くなれるぞ・・・後は代表が展開させるサッカーの質を皆で上げること。今の代表は安心して見ていることができる。

対オーストラリア代表

アウェイで臨んだ2014 FIFAワールドカップ・アジア最終予選第3試合、先の2試合とは違い厳しいゲーム展開を強いられる。ここで海外組の経験が活きてくる。少し前に議論をよんだサンフレッチェ広島のミハエル・ミキッチが語った海外移籍否定論。曰く、どうしてサッカー環境の素晴らしいJリーグを飛び出して技術面、待遇面で劣る欧州の下部組織に移籍するのかという議論。

「香川真司のように、ドルトムントみたいなビッグクラブからオファーがあれば移籍するのはわかる。だが、そうではないクラブだったら話は別だ。ヨーロッパで12年間プレーした自分の感覚からしたら、アウクスブルクやベルギーリーグのチームのクオリティーはJリーグより下だ。自分からしたらケルンもそう。ヨーロッパならどこでもいいという感覚が理解できない」

確かにJリーグの環境は素晴らしいかもしれないし海外から来た外人選手には贅沢で恵まれた環境と映るかもしれないのは致し方がない。強豪チームで無い限り資金面で苦労し、設備の投資や選手補強なども後手後手に回らざるをえない。そういったチーム事情、財政状況が厳しい劣悪な環境から日本のJリーグへ移籍してきた選手には居心地がいいものというのは納得が行く。

だが日本代表が置かれている位置を確認するとまだまだサッカーでは発展途上国。どんどん外から知識を得て行かなければいけない。国内で手に入らない貴重な経験や知識ならば、外へ飛び出して厳しい環境の中、必死でそれらを獲得していく必要がある段階。まだまだあぐらをかいていられるようなサッカーの歴史すら存在しないのが日本代表の位置。

仮に今回アウェイでのオーストラリア戦を国内組だけで戦っていたらどうだっただろうか? ピッチ状況が荒れている、そんなのは欧州でアウェイで戦う環境では当たり前。アウェイの雰囲気、海外でプレーしている事自体がアウェイの環境。動揺する心をどのように制御、自分たちのサッカーを保てるのか? ビビらないタフな外人選手の中で一緒にプレーしていれば自然に自分も図太い神経の持ち主へと変わっていく。

このようなメンタルでの強さは多数の海外移籍組で構成されるザッケローニジャパンならではの武器、日本代表が進化した部分だと思う。厳しい試合内容の中、日本代表も多くのチャンスを作っていたが決められなかった。ここが後は課題かなぁ・・・

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