低下する若者の「日本語力」


日本語検定

低下する若者の「日本語力」

字の意味がわからない! NHK クローズアップ現代で挙げていた問題の一つ。ある企業で若者が漢字の意味がわからなかったために大きな損失を出したというところから始まる。若者は機械に注意書きが書いてあった「差異」という意味を理解しておらず、機械内である物質の温度が異なった場合、上司に報告するように義務付けられていたがそれをせず、大きな損失を出してしまった。

その会社では他社員にも調査をしたところ、ほとんどの若者が漢字の意味を把握しておらずこれは重大な問題かもしれないということで早速対策を検討、実施に至っている。

携帯電話とパソコン

たある特定人数の若者を調査したところ、携帯電話やパソコンでメールを一日どのぐらいおこなうかということと、本を読む量に関係があったという事実。携帯電話やパソコンでメールをする時間が多い人ほど本を読んでおらず、漢字のレベルが中学生並だった。逆に携帯電話やパソコンでメールをする時間の少ない人は本を読んでいて、漢字のレベルも大学生並であった。

手書きは人間の脳を活発にする

こで面白い実験を披露してくれたんだけど、携帯で文章を打つときと実際に手書きで文章を書く時の脳の働き具合を観察したもの。手書きで文章を書く場合、人間の脳は広い範囲で活発になる。人間は無意識のうちに色々な情報を手書きによって取り組んでいるらしい。

文章全体のバランスを確認したり、ペンを持つ力具合からどの位置から書き始めるか、ということまで視覚、触覚を使って脳にたくさんの情報を送っている。しかしそれが携帯で文章を打つ場合には、脳の働きが極端に減少してしまう現象を観察できた。

他にも一日に多くの時間を携帯やパソコンとのメールに当てるある大学生の取材をみてうぁーと思った。携帯でのメール交換ではほとんどひらがな、絵文字などが使われている。彼によると難しい漢字を使うと自分の伝えたいニュアンスなどが難くなってしまうということだった。もちろん彼の部屋には本はない。

形容詞に乏しい、表現力がない

演していたゲストの作家が言っていた若者が使う「むかつく」についての解説を聞いていて、これはアメリカの「 Fucking 」と一緒だなぁと思った。多くの場面で使われる「むかつく」という表現。むかつく天気、むかつく先生、むかつく態度、むかつくニュース、むかつく値段、むかつく朝の渋滞、むかつくいい話。これ、むかつかない? むかつくなぁ、むかつくんだよ。

アメリカでミリタリーのある街や貧しい田舎の地域にいくと必ず出会う教養のない人たち。いや、ここ大都会ニューヨークでもそのような人は存在する。Fucking Weather, Fucking Teacher, Fucking Attitude, Fucking News, Fucking Price, Fucking Morning Traffic, Fucking Good Stories, etc, etc

Fucking はグレートという意味で使われる場合もあるが、教養のある人は F 言葉や S 言葉は避ける。子供の教育上よくないし、表現の乏しい大人に育ってしまうのを多くの家庭で恐れるからだろう。僕はアメリカに住んで19年になる。ちょっと油断していると漢字に違和感を抱くようになってしまった。今も「むかつく」という言葉を大量に書いていてひらがなの「む」が変な形に見えてきた。

漢字などは読めないものも多いし、手書きではとても苦労する。やはり僕もパソコンで書くことに慣れてしまった人物。しかし日本語の本はかなり読むし、日本語の活字を大量に消化しているお陰である程度は日本語力をキープしているものと思われる。僕にしてこの有様。テレビで問題に挙げていた日本の多くの若者はこれでいいのだろうか?

「日本語力」をどう鍛えるか、書くことの重要性

書きや音読といったアナログ的な学習がいいらしい。これには僕も賛成である。手書きは辛くて大変な作業だが、自分の学習力を定着させるためには絶対に必要な作業である。アメリカに来て僕は最初の5年間、ほとんど毎日英語文章の手書きと英語文章の音読を行っていた。

書くことの重要性は「見える学力、見えない学力」の本の中に書いてあることが参考になると思う。この本の中に書いてある大事なところを引用して見よう。以下、

書く勉強は、習ったことを確実に学力として定着させる最も効果的な手段なのです。書くこと抜きでは、学力として身にはつきません。書く仕事というものは、習った教材を今一度想起し、それをノートの上に再現し、記憶したとおりに視覚化していきます。手と目の協応作業の繰り返しによって、大脳に確実に記銘されていきます。

この仕事は、そんなに気楽ではありません。かなり時間もかかりますし、辛い仕事です。集中力も、忍耐性も要します。それだけに、必要な場合、いつでも再生できます。確かな学力は、書く勉強を通じてのみ、身に付いたものとなっていきます。

書くという作業を行うことによって自分の表現能力、コミュニケーション能力が高まると僕は信じている。

どうする若者の「日本語力」、自己表現できない若者

己表現できない若者。「切れる」しかない若者。これは日本にとって非常にマイナス的な現実だと実感した。表現能力が乏しいと人に、社会にアピールできない。アメリカのロサンジェルスで「ロドニー・キング裁判」の後、黒人達による暴動、ロサンゼルス暴動が起きたことがあった。そのときにある黒人の人が言っていたことが印象に残っている。

「暴力じゃだめだ。自分達の頭を鍛えて、頭を使って社会を変えていかなきゃだめだ」

リーター 、 ニート 、 いじめ 、 格差社会 、といった問題があるが、若者たちから活発な議論、社会に対しての積極的な主張があまり見られないのは、多くの若者の表現力の乏しさと関係していないだろうか?

なぜ活字を読むのかと聞かれれば、それは活き活きとした会話を生むためだと応える。自らの頭を鍛え、自らの手で自分を、社会を変えていかないとこの先日本はイライラのいっぱい詰まった希望の持てない国になるだろう。

むかつくことは自分のまわりにいっぱいあるのにそれを変えていく力のない人間達。そのとき、ファシズムに走り、第2次世界大戦のときのように周辺のアジア諸国に八つ当たりを仕掛けていかなければいいが。若者の「日本語力低下」の問題を考えていて、日本の将来がまた希望のもてないものになり不安になった。

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