全米オープンテニス女子シングルス2003準決勝、ジュスティーヌ・エナン


全米オープンテニス女子シングルス2003準決勝、ジュスティーヌ・エナン

年も行って来ました全米オープンテニス。今回はいつものように最初の週には見に行かず、終盤の女子シングルス準決勝と男子準々決勝を見に行くことにしました。この計画は正解。おかげですばらしい試合を見ることができたのです。

まず男子準々決勝の2試合。アンドレ・アガシとアンディ・ロディックの試合を見るつもりでいたのですが余裕をもって家を出たところ、これが裏目に出て失敗。二人の試合は余りにも簡単に終わったために着いたところで両者の試合は調度終わった。信じられないー、といってももう遅い。他の2試合は午後7時30分頃までやっていたのに、僕が見る予定だった二人は強すぎたのか戦う相手が弱すぎたのか、両方の試合は共に1時間弱で終わってしまいました。

まっ、しょうがないか。今回は女子シングルス準決勝がメインなので気持ちを切り替えて、会場内を散歩する。午後8時。いよいよ準決勝第一試合が始まる。ベルギーのキム・クライシュテルスとアメリカのリンゼイ・ダベンポート。キム・クライシュテルスは杉山愛とダブルスを組む選手。今回は思わぬ天候が続いたため、ダブルスの試合が過密日程となり、キムのシングルスに集中したいという意向を杉山愛が了承して残念だけど杉山愛の試合はすべて終了してしまいました。

杉山愛にはもっとシングルスで上のほうまできてもらいたいですね。今回は初のベスト16入りということで良しとしますか。雨で延期、延期と続いた試合はとても残念です。一つの試合を3日にわけて戦うのは精神的にも体力的にもコンディションを保つのに苦労したことと思います。来年こそはもう少し上のほうまでいけるように頑張ってほしいですね。ダブルスでペアを組んでいるキムは、シングルスで決勝まで行ったのですから。

キム・クライシュテルス対リンゼイ・ダベンポート

ム・クライシュテルス対リンゼイ・ダベンポート。結果をすでに言ってしまったとおりキムが余裕で勝つ。リンゼイは大きな選手でフォアハンドで打つボールには体重が乗っかっていて重い感じがするんだけど、キムはフットワークが良く柔らかい身体をいっぱいに伸ばして、ボールに食らえ付いていました。キムのほうがミスも少なかったのも勝因のひとつ。試合を見ていてもキムのほうがプレーは安定していて、リンゼイが自滅(unforced error)してしまう場面が多かった。

キムのストロークを見ていて思ったんだけどきっと普段から男子相手に打ち合いを、相当積み重ねているんだと思う。リンゼイの力強いボールに打ち負けていなかった。その男子相手とはもちろん彼氏で男子ランキング1位のレイトン・ヒューイット。絶対に普段からお互いを相手にして打ち合いしているね。キムのようにそんなに大きくもない選手は、フットワークと攻撃を仕掛けることができるショットを持つことがリンゼイのようなパワーヒッターに勝つためには必要なのだろう。

リンゼイはたくさんの声援に答えることができず敗退。キムの集中力と戦うスピリット。最後まで諦めずに食らえ付いてくるフットワークの良さ。リンゼイとの打ち合いにも負けず、攻撃的に攻めることができるショット。これらがキムを決勝に進めた勝因。

ジェニファー・カプリアティ対ジュスティーヌ・エナン=アーデン

は女子シングルス準決勝の第二試合。ジェニファー・カプリアティとジュスティーヌ・エナン=アーデンの試合。この試合は本当にすごかった。終わったのが夜中の12時半頃だったがとても見ごたえの多い試合となる。

両方の選手共に本当にすばらしかった。どっちが勝ってもおかしくなかったが、ジェニファーのほうが試合を取っていたといってもいいだろう。1セット目を逆転で取り、2セット目も5-3とリードしていたのだ。後1ゲーム取れていればジェニファーは勝っていたのに。だが、そこから見事に逆転して2セット目を取ったジュスティーヌはすごかったし、ほんとうにすばらしかった。こんなにいい試合をライブで見ることができて本当に良かった。

3セット目はなんと、ここでもジェニファーが信じられないが5-1とリードしていたのだ。ほんと勝ったも同然の試合。後1ゲームで決勝進出。だがここでも信じられないことを目撃することになった。ジュスティーヌはなんとそこから追いつき、ついに5-5でイーブンへ。そして二人とも1ゲームづつとって、運命のタイブレークに突入。すごい試合。

3セットを戦って最後にタイブレークで試合を決めるような試合は滅多に見ることができない。それも今回のようなお互い一歩も譲らない好ゲームではなおさらである。

勝つために必要な素材

イプレークの時点でジェニファーは精神的に追いつかれたショックから自分のリズムをつかむことができず、あっけなくジュスティーヌに5-1までもっていかれる。最後は6-4まで挽回したが、ここまで。ジェニファー、ほとんど勝利をつかみながら結局は負けてしまう。会場は前の試合でアメリカのリンゼイ・ダベンポートが同じベルギーのキム・クライシュテルスに負けたので、ほとんどがジェニファー・カプリアティを応援していたのに。

それにしてもジュスティーヌは本当に良く勝った。2セット目でジェニファーに5-1までもっていかれたときは、もう負けたと思っていた。僕も重量級のショットをくり出すジェニファーのほうが有利だと思っていたが、ここでもキム同様にジュスティーヌもフットワークがすばらしく、ジェニファーに打ち負けないすばらしいショットを持っていたので勝つことができた。

ジュスティーヌのバックハンドショットはほんとーーーーーーーーーーーーーにすばらしい。まだ目に焼きついている。Down the lineを狙ってくるあのフォアハンドにも劣らないバックハンドはジェニファーを苦しめた。ジュスティーヌは片手でバックハンドショットをくりだす。手首のスナップが相当強いのだろう。以前のシュテフィ・グラフを思い出させるバックハンド。

グラフはパッシングショットの時にバックハンドショットを使っていたが、ジュスティーヌは普段のストロークで多彩に使ってくる。それが実に攻撃的でこうやってジェニファーみたいな選手に勝つんだぁー、というかんじで何度も言ってしまうがほんとうにすばらしいバックハンドショットだった。

これで女子シングルスの決勝はベルギー人同士の対決になる。今回の大会ではウィリアムズ姉妹が上位にくることがなかったのでわからないけど、ジュスティーヌはもう一回りフィジカル面で大きくなれば、シュテフィ・グラフのように安定して優勝を狙える選手に成長する可能性がある。キム・クライシュテルスはどのような戦略をたてているのだろう。

先の全仏オープンテニスでも同じようにベルギー人同士の決勝を制したのはジュスティーヌ・エナン=アーデンであった。すばやいフットワーク。エースを狙えるような鋭いサーブ。打ち負けしないフォアハンド。チャンスがあれば積極的に前に出て勝負する勇気とすばやい判断力。不利に追い込まれても攻撃的に仕掛けなおすことができるバックハンド。ストロークで打ち負けず、どんなボールにも食らえ付いていく姿勢を保っていれば、必ず勝利の波が自分のほうへ揺らいでくる。

それまで相手のリズムで試合を運ばれていても絶対に集中力を閉ざさず攻撃的であれば、今回のジュスティーヌのように逆転で勝利をつかむことができるのだ。ほんとーーーーーーーーにすばらしいゲームだった。

P.S. やはり次の日に行われた決勝では、ジュスティーヌ・エナン=アーデンが見事なショットを打ち続け、初のグランドスラムのタイトルを勝ち取ることとなった。彼女はもっと強くなる。セリーナ・ウィリアムズにビーナス・ウィリアムズの姉妹とやったらどちらが強いんだろう。ジュスティーヌのバックハンドは本当にすばらしい。2003/9/14

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