原油価格が下がって打撃を受ける国 – べネズエラ、イラン、ロシア

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ウーゴ・チャベス

原油価格が下がって打撃を受ける国 – べネズエラ、イラン、ロシア

油価格WTIが下がっている。この 世界金融危機 (2007 年 -) の影響を受けてだろうか、ついこの間まで1バレル170ドル近辺をうろちょろしていて、200ドル、300ドルにまで跳ね上がるのではないかと噂されていたけど、今度は1バレル50ドルを切る、というところまできている。

多くの人にとって、ガソリン価格やそのほかの石油消費財が下がる可能性があることは喜ばしいことだけどアメリカではせっかく人々の意識が、オイルに頼らない生活をしよう、石油の確保を中東だけに頼るより、戦略的に見直しを図ろうとか、いや、アメリカ人は今まで石油消費のことなど考えたことがなかった、調度いいきっかけになろうとしているところへ、また石油の浪費という消費スタイルに戻るのはどうか? といった雰囲気が生まれている。

投機マネーがオイルマネーに集まっていたからなどといった理由もあろうがそのオイルが高騰したことによってアメリカが危惧していたオイルリッチカントリー( Oil Rich Countries )が力を付け始めていた、という事実を心配していた向きもある。それらの国とはどこであろうか?

ニューヨーク・タイムズに載っていた記事に面白いものがあった。( 3 Oil-Rich Countries Face a Reckoning  )これによるとどうやらそれらの国とはベネズエラ、イラン、ロシアであるらしい。アメリカにとってはこれら3国が力を付けることはイラクのほかにまた気がかりな心配事ができることであり、アフガニスタンのタリバンしかり、ちょっとこれ以上は余裕がないよ、というところであろう。

かといってボリビアのエボ・モラレスを仲間に連れ込もうとしているベネズエラを放っておくことは危険であり、コロンビアやペルー、そのほかの国が同じように足並みをそろえる危険な芽はなるだけ早いうちに掴み取りたい。

イランも何を考えているのやら?

ラクからアメリカ軍が出て行けば、その混乱に乗じてイラクを支配下におきたい下心は見え見えで、そうなるとイスラエルに緊張が走る。ロシアといえば、おとなしくしていたかと思ったら、すっかり天然資源の高騰によって懐が余裕になり、ヨーロッパ諸国はロシアの天然資源にどっぷりと頼る体制ができてしまった。

これら3国が潤っているお陰はオイルマネーの高騰でありこのままオイルマネーが高騰すると益々これら3国が強くなる。こうした自体はアメリカとしては避けたい。そうした中世界金融危機 (2007 年 -) と同時に進行しているオイルマネー下落。これら3国はどのように対応していくのであろうか?

オイルマネーの下落

ネズエラのウーゴ・チャベスは相変わらず強気である。しかし下落するオイルマネーはベネズエラの財政を圧迫するものであり、武器などの購入に当てていた資金の支払いを続けることができるのだろうか? インフレーション問題もあり、ベネズエラは36パーセントという世界でも高い割合で延びている。

This country will be paralyzed because it is so dependent on petroleum,” said Oscar García Mendoza, president of Banco Venezolano de Credito, a private bank.Anxiety over the economy already helped lead to a sell-off of Venezuelan government bonds, sharply limiting the country’s borrowing options.

Last week, Venezuela ’s embassy in Nicaragua said the Caracas government would postpone construction of a $4 billion oil refinery there. And the national oil company announced that it would tighten the terms for subsidizing oil exports to some Caribbean countries.

“We’re in the same situation of people who have lost a limb but can still feel it,” said Ricardo Hausmann, a Venezuelan economist who teaches at Harvard. “I don’t know how long it will take for Chávez to realize he’s lost a limb.”

ランも似たようなものである。インフレーションは30パーセント、高失業率が人々の生活を圧迫していることがマフムード・アフマディーネジャードの気にかかるところであり、来年6月の選挙までなんとか持ちこたえたいところだけどどうだろうか?

It is not expected that economics will force Iran to change its underlying ideology or long-term goals. Still, if prices stay depressed for long, it could mean a greater willingness in Tehran to find a compromise on the nuclear issue and, perhaps, a political shift that left Mr. Ahmadinejad vulnerable in June’s presidential election, analysts said.

“The government has distributed money and has encouraged spending,” said Saeed Leylaz, an economist and political analyst in Tehran . “It has given high salaries to its own supporters. They have increased their expectations, and there is no way they can give them less now without making them unhappy. If the government fails to respond to their expectations, it might lead to a crisis.”

シアはどうであろう? 2006年の冬にはウクライナへの天然ガスの供給を一方的に打ち切り(ロシア・ウクライナガス紛争)、この夏に起こった南オセチア紛争でもヨーロッパへ圧力をかけていた。潤ったオイルマネーで自国経済を立て直す計画でいたクレムリンも頼りになる基金が今回の 世界金融危機 (2007 年 -) の煽りを受けているらしい。

The Kremlin has started tapping into its stabilization funds to prop up the banking industry and the stock market, which has been hard hit by the international financial crisis, dropping by more than two-thirds since May. The government may also rescue many of Russia ’s oligarchs, the industrial magnates who were thriving with the high price of natural resources but have now been suffering steep losses.

These bailouts, combined with declining oil and gas revenues, could make it difficult for the Kremlin to carry out plans to modernize the country’s aging infrastructure, from highways to schools, and still promote Russian ambitions abroad.

うした懸念はこれら3国にとっては心配事であろうけど、オイルマネーが下落したぐらいで簡単に自国経済が衰え始めるだろうか? 長くこのまましばらくはオイルマネーが落ち着いてくれるとその可能性(自国経済衰退)が一番高いのがベネズエラであろう。そうなるとロシアに助けを求めてくるであろうし、その余力をロシアは充分にまだ持っているともいえる。

オイルマネーの下落が続いても、一度できてしまったヨーロッパへの供給システムは崩れないだろうし、今後益々ヨーロッパはロシアに天然資源の供給を頼るようになる。いくらでもその供給プライスを跳ね上げることができるだろうし、シベリアに眠る未曾有の天然資源は発掘される機会をまだ待っている状態である。

イランも同じ。石油の石油埋蔵量はサウジアラビアについで世界2位。 天然ガス埋蔵量でもロシアに続き世界第 2 位である。当分の体力は持ち合わせているものと思われる。アメリカとしてはそれらの国を対峙するための体力を温存したいところだけど、自国経済がとんでもないことになっている上に、経験の浅いバラク・オバマが大統領になろうとしている。

時間稼ぎの上でもこのまましばらくは 世界金融危機 (2007 年 -) の建て直しをはかるために、株式の下落、と同時にオイルマネーもベア( bear )の雰囲気に落ち着かせてこれら3国の体力や情勢がどうなるのか見極めたいところであろう。

もし世界中の投機家はじめ投資家がオイルマネー高騰はこれら3国に力を付けさせるきっかけになってしまう、というコンセンサスができたのであれば、今後1バレル200ドル、というようなプライスはつかなくなると思われるがどうであろう?

過去、金融危機や経済が不調に陥ったときに戦争が一時的でも景気をもたらすとして利用されてきた。昔と違って戦争は良くない、という情報を人類が広く認知して二度と戦争に踏み切ることはないであろう、という楽観論は非現実的であろうか?

ベネズエラ、イラン、ロシアの動きには注意を払っていたほうがいい。もし戦争が起こるとしたらこれらの3国が絡んでいる可能性が高いからだ・・・

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