日本サッカー協会への提案書(その1) – 欧州でプレーしなければ


川淵三郎

日本サッカー協会への提案書(その1) – 欧州でプレーしなければ

選手と観客がともに喜べる試合が一つもなかった。たった一つの白星でも国民と喜びを分かち合えたのに残念だ。この結果では代表選手に海外からオファーは来ないのではないか。ヨーロッパ(のクラブ)に行ってもレギュラーで試合に出られるようにならないといけない。

淵三郎チァマンの言葉である。これは僕も恐れていることだが代表選手に海外からオファーがこなかったら、ここでまた他国のオファーがあった選手との間に経験という貴重な差がついてしまう。この4年間は何だったのだろう?

トルシエジャパンの結果にうぬぼれて海外へ出たはいいが、レギュラーとして結果を残してきた選手はどれぐらいいただろうか? 挙句の果てには J リーグに復活というお粗末ぶり。

” 日本サッカー協会・田嶋幸三技術委員長も「われわれの目指すところがブラジル」という。そのために必要なのが個人の能力向上だ。俊輔は「日本は全員が外でやるくらいじゃないと。間合い、寄せとか感じないと」とブラジル同様の “ 総欧州組 ” への思いさえ口にする。 ”

外組みと国内組みというように分けてはいたが、中村俊輔がいっていたように全員が海外組みになる必要があるとは前々から僕は言っていた。ブラジルは23人中、国内から選出した選手は3人だけ。後はすべて欧州などの海外でプレーしている選手である。

アルゼンチンだってそうだ。自国のリーグでプレーしている選手が代表に選ばれている国は、イングランドとイタリアとドイツ、後はスペインぐらいだろうか。これらの国の国内リーグは長い歴史の蓄積によって、 J リーグのそれとは比べ物にならないぐらい質といいレベルが高い。

日本も選手が選ばれる際、今回は J リーグから久しぶりに3人の選手が選ばれました、というようにならないと。このような厳しい環境でプレーしてこないと FIFA ワールドカップのようなフィジカルもそうだが、メンタルな部分が非常に大事なファクターが成長しない。結局、フィリップ・トルシエの頃経験したフランスとの屈辱的試合から何も進歩していないではないか。

” ぶっ倒れるまで走ったのか? 死ぬ気で戦ったのか? 初戦、2戦目と続いた午後3時の暑さなど、言い訳にしかならない。余力を残して勝てるほどW杯は甘くない。過去2大会で過酷な戦いを7試合戦い抜いた男は、この4年間ずっとチームに「闘争心」を訴え続けた。ボン合宿中の居残りシュート練習では、ちぎれんばかりに右足を振り続けた。

背中からメッセージを発し続けた。それでも他選手との温度差は埋まらなかった。ブラジルに負けたことより1次リーグ敗退よりチームが1つになって戦えなかったことが日本の本当の力を出し切れなかったことが悔しかった。涙のわけはそこにあった。 ”

中田英寿だけが世界を知っていた。

親善試合を国内で行う疑問

本代表すべての試合はこれから海外でやるべき。親善試合をなぜ国内居心地いいホームでやるのだろう? 日本はサッカー発展途上国の自覚はないのだろうか?  発展途上国ならばこちらから海外へ出向いていって試合を申し込まなければいけない。

その過程で学べることはたくさんある。日本からの移動であったり、現地での日本の居心地のいい空間との違いによるストレスをどのように戦うメンタル状態にもっていくか、とかいろいろとあるはず。

スポンサーとの問題もあるというならば、日本の企業はお金の出し方を間違えている。ここは一つ長い目でみて、日本人選手の海外での経験の為にお金を使っていただけないだろうか? 安全に選手を移動できるかとか、移動してからの疲労の取りかたとか、時差ぼけ対応とか、知識を蓄えていかなければいけないところはたくさんある。

それを安易に日本国内で行われるゲームに置き換えてしまっては、今後もひ弱な集団しか育たないだろう。これを日本サッカー協会は今後、徹底してもらいたい。

これまでも日本代表各世代の強化試合を数多く開催してきたが、 1998 年度から麒麟麦酒、キリンビバレッジが日本代表チームのオフィシャルスポンサーとなったことから、これまでのキリンカップ・サッカーとは別に、日本国内で開かれる国際親善試合のシリーズもキリングループの冠スポンサーを取り付けてこのシリーズが誕生。

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