無敵の民、新しいミドルクラスの仕事


ホワイトカラー

無敵の民、新しいミドルクラスの仕事

のエッセイ「情報化社会、少子高齢化社会、新しい働き方いろいろ」で情報化社会と少子高齢化社会をキーワードとして今後の労働市場の行くへを考察してみました。それをふまえた上で今後の新しいミドルクラスの仕事とはどういうものだろうか?ともう少し現場に近いところまで降りて行っての思考を試みることに挑戦してみます。

まず情報化社会によって個人の労働環境に起こりえる可能性はどこで働くのか、という働く場所の選択肢を得ることができることではないでしょうか? 日本国内で働くのか? 海外に出て行って新しい生活環境の中で働くのか? 家で働くのか? 会社に出勤して働くのか?

では少子高齢化社会によって個人の労働環境に起こりえる可能性は何でしょうか? それは何歳まで働き続けるのか?というこれまた個人の選択肢に左右される出来事ではありませんか!

体力のある30歳代、40歳代で新しいことに挑戦し始めるとか、70歳、80歳、90歳になっても働き続けるためにはどういうスキルが必要だろうか?といった想像的思考を試みることは良いことだと思います。逆にどのような仕事だったら高齢者でもできるのでしょうか?

どこで働くのか? 何歳まで働くのか? とこれまでの社会通例、労働という与えられるもの、受動的なものとは違い、あくまでも主観的に、能動的に自分の労働環境を選んでいくいう変化が起ころうとしているのです。

そしてさらに言えば2つのキーワード、「情報化社会」と「少子高齢化社会」に共通するもう一つの視点としてどのように働くのか? といった思考も大事になってくると思われます。リアルの世界で働くのか? ネット空間で働くのか? 平日と週末に分けて働き方を変えるとか。 雇われの立場と自分会社として両立させる可能性に挑戦するとか。

格差社会とかM字型社会とか言われていますけど、実際多くのミドルクラスに属する個人はこれからどのような労働環境の変化に対応する準備をしていけばいいの案外、わからずにいて不安を感じているのかもしれません。何か一つの指標みたいなものがあれば自分はこの枠に当てはまるなぁ、将来的にはこっち枠のような仕事が自分には向いているのではないだろうか?といった思考も可能になるはずです。

2006年に出版されたトーマス・フリードマン氏の著書「フラット化する世界」の中からヒントを探しだしてみましょう。アメリカという単語を日本に置き換えてみてください。アメリカ人と記している箇所を日本人として当てはめてみる。何かが見えてくると思います・・・

グローバリゼーション3.0

今のアメリカの若者は、中国やインドやブラジルの若者と競争することになるのを、肝に命じたほうがいいだろう。グローバリゼーション1.0では、国がグローバルに栄える方法か、最低でも生き残る途だけは考えなければならなかった。

グローバリゼーション2.0では、企業が同じように考えなければならなかった。今のグローバリゼーション3.0では、個人がグローバルに栄えるか、せめて生き残れる方法を考えなければならない。それには科学技術の技倆だけではなく、かなりの精神的柔軟性と、努力する気持ち、変化に対する心構えがなければならない。

ォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)というアメリカ経済界、政界などに抗議する活動が2年前のニューヨーク、ウォール街で起こりましたが覚えている方、いらっしゃるでしょうか? ”We are the 99%”はウォールストリートを占領せよの参加者たちのスローガンで、結局上位1%の人たちだけが儲けていて、残り99%の大部分の人たちの生活は何も変わっていないぞぉ、という不満が高まっていた背景がありました。

アメリカの場合、ウォール街で働く金融マンがケタ違いの利益を稼いでいることへのバッシングが強かったわけです。リーマン・ショックなどをきっかけにして引き起こされた世界金融危機などへの八つ当たりがウォール街に集中していました。

で、オバマ政権下で公的資金を投入する緊急経済安定化法が成立、ウォール街は生き延び、再び利益を上げるまでになりましたが儲けているのは不況の直接原因を作ったウォール街だけ。一般市民(99%の人たち)の生活は何も変わっていないのに・・・

日本人はどうなんでしょう? 個人がグローバルに栄えるといっても英語環境の世界で稼ぐということへの具体的なイメージは想像しにくいと思います。日本語環境という舟は沈まないと安心していると危機感は持ちづらいでしょう。個人が、社会が変わっていく方向性はいろいろなところで目にしてくるようになるんじゃないかと思うんですけどいかがでしょう?

日本人の仕事

フラットな世界では、アメリカ人の仕事などというものはない。ただの仕事だ。しかも最も優秀で抜け目なく生産性が高く賃金が安い労働者のほうへ仕事が動いてゆく傾向が日増しに強まっている。その労働者がどこに住んでいようが関係ない。

本語アドバンテージ。優秀で抜け目ない日本語でのコミュニケーションに支障をきたさない外国人労働者。生産性も高い日本語でのコミュニケーションに支障をきたさない外国人労働者。賃金も安い日本語でのコミュニケーションに支障をきたさない外国人労働者。

本当にこのような労働環境が日本社会にも浸透してくるのでしょうか? キーワードは日本経済です。経済が移民を受け入れるかどうか日本人に迫るでしょうし、経済が合理性を選択していくならば、情報通信技術が日本の労働環境を変えていくでしょう。

旧ミドルクラスの人

そこへ第三の人々が登場する。このカテゴリーには、かつて組立ラインの労働、データー入力、セキュリティー分析、経理関係、放射線技術関係など様々なミドルクラスの仕事をしていた人々が当てはまる。以前は、代替不可能、外国とのやり取りが不可能とみなされていたが、今では10のフラット化の要因によって、代替可能で、外国とのやりとりも可能になった。これを旧ミドルクラスの仕事と呼ぼう。こうした人々は、世界のフラット化の圧力を受けている。

本が変わるとしたらホワイトカラーの分野で働く人々が危機感を抱いたときだろうと想像します。アウトソーシングされ、デジタル化され、オートメーション化されたとき、日本経済、日本語労働環境(ホワイトカラー)はダイナミズム、流動性が発生し、人の動きが活発、人材の適材適所などが経済の合理化故、起こるような気がします。

ちなみに10のフラット化要因とは、(1)ベルリンの壁の崩壊と、創造性の新時代、(2)インターネットの普及と、接続の新時代、(3)共同作業を可能にした新しいソフトウェア、(4)アップローディング、コミュニティの力を利用する、(5)アウトソーシング、Y2Kとインドの目覚め、(6)オフショアリング、中国のWTO加盟、(7)サプライチェーン、ウォルマートはなぜ強いのか、(8)インソーシング、UPSの新しいビジネス、(9)インフォーミング、知りたいことはグーグルに聞け、(10)ステロイド、新テクノロジーが更に加速する、といった具合です。

日本にとっての問題

アメリカにとっての問題はミドルクラスにある。会計士になれば食いっぱぐれはない、という時代は終わった。それにミドルクラスの多くが、旧ミドルクラスのままでいる・・・この連中は、将来、競争がどれだけ厳しくなるかということがまだわかっていない。それがわからない限り、自分たちの腕を磨くための投資はしないだろうし、アメリカは暗礁に乗り上げた大勢の人々を抱え込むことになる。

本語労働環境、ホワイトカラー安泰。この状態がいつまで続くのか? ここに変化が訪れるとき、日本社会は大きく動くと予想します。今の若い世代は危機感を持っている人が多い感じがするので大丈夫かもしれません。問題は私ぐらいの世代、アナログからデジタルへの移行を社会に出てから経験した人たちです。キーボードでのブラインドタッチできない人、結構居るんじゃないでしょうか?

日本経済

アメリカ経済は、ミドルクラスが大きく膨れたベル系曲線を描いている。その膨れたミドルクラスの仕事は経済的安定の基盤で在るとともに、政治的安定の基盤でも在る。民主主義は、ミドルクラスが幅も奥行きもあるからこそ安定するのだ。ベル系曲線の経済から、バーベル系曲線の経済、ハイクラスとロークラスの両極端が大きく、ミドルクラスが痩せている、に移行するようなことがあってはならない。経済的に不公平であり、政治的不安定を招く。

ォール街を占拠せよ(Occupy Wall Street)のようなことを日本でも行う可能性は在るのでしょうか? 霞ヶ関を占拠せよ、といった集団に加わるより無敵の民に自分が変化したほうが良いような気がします。アメリカでは抗議デモの勢いはすっかり沈静化し、中間選挙は来年、オバマ政権も後3年続くということで次の方向性を伺っているような雰囲気も伝わってきます。

外交問題よりもアメリカ経済。エネルギー政策はどのような影響力をアメリカ経済にもたらすのか? 国民皆保険制度、オバマケアはアメリカ人一般生活にどのような影響を及ぼすことになるのか? 新しい移民制度はアメリカ人労働環境にどのような変化をもたらすのでしょうか? こうしている間でも社会のアウトソーシング化、デジタル化、オートメーション化はアメリカ社会の至るところで現在進行形で進んでおり、様々なイノベーションを起こしています。

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