自転車プロロードレース、2003ツール・ド・フランス


自転車プロロードレース、2003ツール・ド・フランス

年もツール・ド・フランスの季節がやってきた。今年でなんと開催100年。この記念すべき大会の見所はなんといっても、ランス・アームストロング5連覇なるかどうか。達成すればあのミゲル・インドゥライン以来の快挙となる。フランスへ行かずにフランスバカンスを楽しむことができるフランス一周の旅へいざ、出発。

最初のステージ6までの驚きはなんといってもアレサンドロ・ペタッキに尽きるだろう。なんと個人とチームトライアルのステージ以外のフラット4ステージにすべて1位でゴール。ペタッキに関しては先の5月に行われたジロ・デ・イタリアでそのスプリンターぶりを発揮していた。あのマリオ・チポリーニの夢をことごとく砕いてきた男は驚異的な最後のスプリントを見せ付けるアレサンドロ・ペタッキだった。奴の才能はフランスでも見せ付けられることになる。

特にステージ6のレースはすごかった。前半最初のほうで2人の選手が飛び出し、そのまま100マイル以上も集団から逃げ切っていた。だがペロトン(集団)は無情にも刻一刻とその差を縮めていき最後の1マイルで2人を吸収してしまう。あとちょっとで逃げ切ることができた2人はよくやった。そしてどこからともなく現れて最後のゴールを切ったのはやはりアレサンドロ・ペタッキだった。こいつの最後の集中力は本当にすごい。これでここまでのフラット4ステージすべて1位でフィニッシュ。

だがツール・ド・フランスは全3週間で行われる。それにフラットステージばかりではなく、アルプスやピレネーといったとんでもないマウンテンステージが控えているのだ。マウンテンステージを制するものがツール・ド・フランスを制する。これはジロ・デ・イタリアで優勝したジルベルト・シモーニがそうであったように。

結局、この土曜日に行われた最初のマウンテンステージであっけなくペタッキはリタイヤしてしまう。ジロ・デ・イタリアで優勝したシモーニも先頭の集団から遅れてゴールイン。あのジロ・デ・イタリアで見せた鋭いペダルのこぎはジルベルト・シモーニからは見れなかった。

そしてランス・アームストロングはちゃんとこの時点でも総合2位に付けていたのである。このUSポスタルサービスは2人のマウンテンスペシャリストを従えているところが大きなアドバンテージ。ロベルト・エラスとホセ・ルイス・ルビエラ。この2人に先導されつつアームストロングはアタックを仕掛ける状況をうかがうことができる。

迎えた日曜日のステージ。今年で5連覇優勝を砕きたい他の選手がアームストロングにアタックを仕掛けるというすごいステージになった。去年の大会では2位のホセバ・ベロキは何度もアームストロングにアタックを仕掛けていた。本当に今年は勝ちたいのだろう。後半戦に向けて奴の存在が気になる。

そのほかにはヤン・ウルリッヒというアームストロングがマークしている選手も総合10位以内に入っている。残念ながらジロ・デ・イタリアチャンピンのジルベルト・シモーニはこの時点で大きくトップとのタイム差が広がってしまった。他にもジロ・デ・イタリア総合2位で終わったステファノ・ガルゼッリも第8ステージを終わった時点で大きく後退。

この日にマイヨ・ジョーヌ (maillot jaune)を着ることになったのはランス・アームストロングだった。ついに第8ステージで着る人が着たわけだが、まだ2週間もある。今年は簡単には優勝することができないのではないか。今日のほかの選手のアームストロングにかけるアタックを見ていてそう思ってしまった。今年の大会は100周年を記念するすごい大会になりそうだ。

ツール・ド・フランス100周年 第2週目

00周年記念の大会にふさわしい激しいレース展開となっている。この日曜日の第14ステージが終わった時点で1位ランス・アームストロング。2位はアーム・ストロングがただ一人マークしているヤン・ウルリッヒ。1位のランス・アームストロングとのタイム差はわずか15秒。3位はアレクサンドル・ヴィノクロフでこれまたトップとの差がなんと18秒。

残りのピレネー山脈ステージでなんとか2位のヤン・ウルリッヒとのタイム差を最低でも1分以上の差がほしいアームストロングはどうなるのだろうか? ミゲル・インドゥラインに続く大会5連覇になるのか? ピレネー後にもう一つ個人タイムトライアルが残っているが先の個人タイムトライアルではウルリッヒが本当の力を見せ付けている。だからアームストロングとしてはなんとかこのピレネーではウルリッヒだけをマークして、機会があればアタックをかけるつもりでいる。

あの時、個人タイムトライアルのウルリッヒはすごかった。ただ一人難しいコース47キロを1時間切ってゴールした。その日は非常に暑く誰もが暑さに苦しむ中、ヤン・ウルリッヒはその本当の底力を見せた。アームストロングは暑さからコンディションを崩し、1位のウルリッヒから1分30秒ちかくも遅れてゴールイン。これが次のピレネー山脈での最初のステージにひびく。

ステージの後半、アームストロングが苦しんでいた。少数の集団となり飛び出した先頭を包み込む勢いでマウンテンを駆け上っていたその矢先にウルリッヒが一人アタックをしかけ、飛び出す。それにアレクサンドル・ヴィノクロフもなんとかついていこうとファローするが、なんとアームストロングがウルリッヒについていけなかった。これまで一度も見たこともない光景だったので見ていた僕はかなり動揺してしまった。

いつものアームストロングならば誰がアタックしても常に冷静で時にはすぐに反応して追いかけ、時にはその時点では見送って最後になって逆転する、というようなシナリオを持っていたのだ。そのアームストロングがウルリッヒの後についていけなかった。やはり前日にコンディションを崩してまだ完璧には戻っていなかった。結局その土曜日のステージを終わった時点で2位のウルリッヒはアームストロングまで15秒差。これはすごいことになった。

そして今日の第14ステージでのバトル。アームストロングとウルリッヒの心理合戦が始まった。3位のヴィノクロフがアタックをかけようと、バスク人のエース、イバン・マヨがアタックをかけようと、アームストロングがマークしていたのはウルリッヒただ一人だった。この二人の駆け引きは見ているものを興奮させる。まさに100周年記念にふさわしいレース展開が続いている。

チームメイトが必ず周りにいてアームストロングを守りながらペースを作っているのに対して、ウルリッヒのチームメイトはマウンテンステージでは早くから脱落してしまいチームリーダーのウルリッヒを守ることができず、ウルリッヒ自身一人でペースを作っていかなくてはいけない。

だからウルリッヒが優勝するには自分で先頭に立ってペースを作らなくてはならず、アームストロングはじっとウルリッヒの背後でペダルをこぎ続ければいい。この心理合戦はピレネー山脈の最大の見せ場となる明日のステージでどうなるのだろう? 3位に付けているヴィノクロフもわずか18秒差。こいつも気になる存在になってしまった。

ピレネーを越えた後の順位はどうなっているのか? 最後のタイムトライアル前での順位はどうなっているのか? その個人タイムトライアルではどのようなドラマが待っているのだろうか? 今年のレースは本当にパリまでだれが優勝するのかわからない。

残念な結果もあった。絶対に優勝するつもりで頑張っていたホセバ・ベロキが転倒してまさかのリタイア。かなり激しく地面に叩きつけられたベロキは今年この後のシーズンをなくしてしまった。ランス・アームストロングとヤン・ウルリッヒがすごいバトルをやっている中、ベロキがこのバトルの中にいないのはとても残念。

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