迷っているアメリカ国民


september 11 attacks

迷っているアメリカ国民

日9月7日の日曜日夜にアメリカのケーブルチャンネルの一つ「Discovery Channel」でワールドトレードセンター跡地に建てられる予定の再開発計画と日本のNHKスペシャルでアメリカ同時多発テロ事件後のアメリカ人々についてのドキュメントを放送していた。両方とも興味深く見せてもらった。今週の木曜日に2周忌を迎えるにあたっての特別番組だったのだろう。

「Discovery Channel」ではまずワールドトレードセンター跡地がどのように再開発されるのかを放送していた。世界中から集められた建築予定候補。その中から一つの計画が選ばれたのは今年初めだった。2006年に完成予定のワールドトレードセンター跡地はいろいろな人々の思いが詰まったものとなった。その内容を知って、ニューヨークはお金が必要なんだなぁーと納得。マイケル・ブルームバーグ市長が地下鉄やその他の税金を上げたのもこの再開発にお金がかかる。

それにしてもまたまた世界一の建物を建てるんです。今回は70階以上にはビジネスオフィスを設けないとのこと。その上はレストランが一つと展望台を作るだけとなりそうです。地下街も新しく便利に様変わりするみたい。地上には滝を作って周りの騒音を消したりして、かなり意図的に神聖な部分を残すつもりなんだろう。

一つすごいと思ったのは、あるビルには1機目の飛行機が北側ビルに衝突した時刻に合わせて、太陽光がそこに照らされる仕組みになっている。完成後、毎年ずーーーーーとである。そして2機目が南側ビルに衝突した時間にあわせても、そこに建てられる予定の壁に、これまた太陽が照り仕切る仕組みらしい。だから角度とかを計算して建てられるとか。すごいねぇ。

それにしても2006年の完成時には、また世界中から注目の的となり、テロリストたちの標的にならないだろうか? 1993年に世界貿易センター爆破事件があって、2001年9月にワールドトレードセンターが直接の標的になったのだ。2度あることは3度ある、っていうし、大丈夫?

もう一つ「Discovery Channel」ではなぜ、どうようにしてあのワールドトレードセンターが崩壊したのかについて放送していた。このプログラムの最中に何度かあの1機目と2機目の飛行機が、ワールドトレードセンター内に追突するシーンを流していたのだが、何度見てもあのときに感じた驚きとショックの感情が甦る。そしてビルが崩れ落ちるシーン。人々の「Oh, My God !!」という叫び声。その崩れ落ちるシーンを見るたびにあの怒りよりも悲しみのほうが大きい感情に包まれてしまう。あぁ、もう二度とツインタワーは甦らないのだ。残念。

そして続いてNHKスペシャルを見た。これは今のアメリカの姿を表している感じがして考えさせられた。アメリカ国民が迷っている感じがしたのだ。それというのもあのアメリカ同時多発テロ事件から2年。アフガニスタンに侵攻しイラクへも戦争を仕掛けた。しかし、人々の中にはあのアメリカ同時多発テロ事件から何にも解決していないような戸惑いを感じる。

これから始まる来年のアメリカ合衆国大統領選挙。いったい誰の言葉を信じればいいのだろう? 誰に期待を寄せればいいのだろう? 民主党? それとも共和党? その判断さえ迷うじゃないか。民主党には当選を目指す候補らしい候補も見当たらず、かといってこのままジョージ・ブッシュの再選だけは逃れたい。共和党にはブッシュに変わる候補者はいるだろうか? ここでも見当たらない。でもやっぱりブッシュの再選だけはいやだ。2008年までこのまま曖昧なアメリカ社会はごめんだ。

南部州のホワイト層では共和党支持者が増えているという。ビル・クリントンを輩出したアーカンソー州の話。アメリカがイラクやアルカーイダを叩いていなかったら、5年後はどうなっているだろう? 俺たちには石油が必要だろう? このような内容の話はでるが誰もそれより深く議論しようとはしない。隣人とはただ普通に生活を送りたいのが彼らの言い分だった。

中西部貧しい黒人層。ここではアメリカの国旗を振りかざしているのは、イラクへ派遣の要請された子供を持つ家庭ぐらい。ほとんどの人々は日々の暮らしのほうに関心がある。それもそのはず周囲の治安は最悪。街の南側に住む白人地域には何でもあるのに、この俺らが住む地域には何もない。あるのはドラッグだけだ、と訴える黒人少年。私たちは2つの戦争を受け持っているのよ。イラクとここでの犯罪から自分を守る生活。黒人のおばさんは、カメラに向かってこう話していた。

そしてリベラルな街、ニューヨークで生活するあるグラフィックデザイナーの彼の話。民主主義が壊れていく、とかアメリカのマスメディアについて友達と語り合う様子。共和党のブッシュ寄りの意見をいう兄。自由について考える自分自身のこと。

またあるカップルはワールドトレードセンターのすぐ後ろのコンドミニアムに住んでいたらしい。ドイツから移民してきた親を持つ俳優の彼と、ベトナムから逃れてきた親を持つ写真家の彼女。飛行機がビルに衝突したときから、ビルが崩壊するまでの様子を彼が撮っていたビデオで説明してくれた。すぐ真後ろだったのでその崩壊直後の映像は映る人みんな灰だらけ。隣のニュージャージ州にフェリーに乗って非難するときに二人で誓ったらしい。人生は短いのだから自分たちの人生を送ろうと。

これは僕が思ったことと同じだったのでちょっと嬉しかった。僕も自分ではどんなことがあっても、なんにもできない大きな社会の現象や流れに邪魔されないように生きるには、自分自身で自分の人生を守っていかなくてはいけない。ある大きな力に負けないように自分の生活を築くのだ、思った。

この彼氏の親はヨーロッパでのユダヤ人に対する迫害から逃れるためにアメリカへやってきた。そしてこの彼女の親はベトナム戦争から逃れるためにアメリカへやってきて一生懸命に働き充実した人生を送ってきた。ふたりの両親は共に今のアメリカがどのように映るにしてもアメリカに感謝している。

この8月に結婚して西海岸へと新しい自分たちの生活を見つけるために引っ越していった二人。自分自身で自分が大切にするものや人たちと一緒になって前に進もうとしている人たちもいる。迷えるアメリカ国民。来年11月には誰がアメリカ合衆国大統領になっているのだろう? そのとき、アメリカ国民はそのアメリカ合衆国大統領を信じることができるのだろうか?

僕個人の意見としては誰がアメリカ合衆国大統領になっても2008年頃までアメリカ社会の不透明感は消えないと思う。中国が経済的に大きくなってくれるまで、アルカーイダやテロリストをやっつけるという名目で軍需産業が潤う政策は変わらない。

国内では外国人に対する目が当分の間、厳しくなる一方で経済はなかなか回復せずに、なんだか中国が潤っているぞ、とアメリカ国民全体がそう思うようになるまでブッシュ政権が続きそうな気がする。いやだけどねぇ。2008年北京オリンピック、2010年中国での上海万博が行われてやっとアメリカに新しい風が吹くんじゃないかなぁ。ブッシュ政策はもういい加減にしろ、と。俺たちの生活を改善するために国内経済を何とかしろ、と。

そこでヒラリー・クリントンの出番かなぁ?  そうですよね、ヒラリーさん!

P.S. 今日、アメリカ同時多発テロ事件から2周忌を迎えました。去年の式典に比べて、どこか人々は落ち着いていたようです。あの事件は悲しかったが、それでも毎日生きていかなければ。そんな感情をニューヨークの人々から感じました。犠牲者の家族には同情するが、多くの人々の中では、各々の人生、前へ進んでいこう、という姿勢を感じるの。どこかすがすがしくもあります。今日、ニューヨーク・ヤンキースは勝ちました。2003/9/11

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