2004~2005UEFAチャンピオンズリーグ – AC ミラン対マンチェスターU


エルナン・クレスポ

2004~2005UEFAチャンピオンズリーグ – AC ミラン対マンチェスターU

日の UEFA チャンピオンズリーグの AC ミラン対マンチェスター・ユナイテッドの試合はすばらしい試合だった。去年アメリカで見た試合はやはりシーズンが始まる前の練習試合といったところだろう。選手間の緊張感がテレビの画面を通してでも伝わってくる。ニューヨークでは現場まで行って生で見たのにである。僕はこのような試合を現場で見たい。

マンチェスターUはホームということもあって気負っていたのかもしれない。決定的なチャンスが2回あった。左サイドを抜けたクイントン・フォーチュンからのグラウンドのセンターリングをポール・スコールズが受け、フリーのシュートは枠をはずれる。この決定機に先制点が入っていたらマンチェスターUはホームで有利に試合を運ぶことができただろう。

そしてガリー・ネヴィルのクリアーからクリスティアーノ・ロナウドへフィードしてからのマンチェスターUの速攻は見事であった。クリスティアーノ・ロナウドは速い。とてもいい選手に成長した。あの EURO2004 での経験が彼に貴重な経験を積ませさらに成長した。

そのクリスティアーノ・ロナウドから左に、これまた俊足で上がってきたフォーチュンへフィード。なんとかトラップをしてキーパーが出てきたところをバランスを崩しながらのシュート。わずかにゴール横を過ぎる。これも決定的な場面。これも決めていたかった。

フォーチュンも随分と成長して今ではマンチェスターUにとって欠かせない攻撃の一員となっている。マンチェスターUは良くまとまって攻撃していたが、さすがにイタリアを代表する AC ミランのデフェンス陣は決して慌てない。

カテナチオ、と言われるゆえんであろうか。真中のパオロ・マルディーニとアレッサンドロ・ネスタが完璧にウェイン・ルーニーを押さえていた。両サイドのカフーとカハ・カラーゼもよくクリスティアーノ・ロナウドやライアン・ギグスの動きを封じ込めた。

そしてずっと目立たなかった AC ミランのエルナン・クレスポが一瞬たりとも気を抜かないずるがしこいラテンの選手のフォワードとしてのタレントを見せ付ける。この日はアンドレイ・シェフチェンコが怪我のために出れずクレスポのワントップで臨んでいたが、マンチェスターUのリオ・ファーディナンドに徹底的にマークされ仕事をさしてもらっていなかった。

僕はこの試合でかつて日本代表の試合解説で風間八宏氏が、語っていた日本代表に足りないものを見た。ペナルティーエリアからの最後の攻撃である。AC ミランのそれはとても見事だった。セードルフ、ルイ・コスタ、カカ、クレスポ、と速くて短いパスの交換でゴール前のペナルティエリ内を攻める。共通しているのはみんなとても落ち着いている。リラックスしているので慌てず、トラップもしっかりしてパスも正確に早いフィードのパスを出す。

一人一人が次の展開を分かっていて、そのパスの意図がすべての選手に繋がっており、最終的にゴールを決める瞬間まで描かれている。これはお互いが高い技術でしっかりと信頼関係で結ばれていないと出来ないのではないかと思った。相手デフェンスは、対応に精一杯でそれでも最後のシュートを防ぐのにぎりぎり。

そんな AC ミランの攻撃は細かく繋いだ後のセードルフからのシュートをマンチェスターUのキーパーが前にこぼした瞬間、それまで目立たなかったクレスポに一瞬の隙を与えて決められてしまった。

エルナン・クレスポ、プレースタイル

ずば抜けて高い能力があるわけではないがストライカーに求められるすべての技術が備わっている万能フォワード。左右両足どちらでのボール扱いも苦手とせず正確で強烈なシュートを放つことができ、敵のディフェンスラインの裏を突く鋭い飛び出しに優れ、高い打点からのヘディングも決められる。

運動量も非常に豊富で守備にも献身的。周りを活かす術も知っており、目に見えない所でも仕事をこなす。絶妙の飛び出しをオフサイドと判定されると、頭を抱えこんだり、両手を大きく広げて「どうして ? 」とオーバーアクション気味にアピールするのも彼の特徴のひとつ。(ウィキペディア参照 – エルナン・クレスポ)

レスポはやはりさすがであった。どんなにマークがきつくて仕事をさしてもらえなくとも一瞬たりとも集中力を切らさずに、常に相手の隙を狙っている姿勢。先週に行われたドイツとアルゼンチンの親善試合でもクレスポはドイツ選手がフリーキックの際、一瞬集中力が途切れた瞬間を逃さずに見事得点。南米特有のずるがしこさはこういうプレーを言うのかもしれない。

日本は中盤にタレントがそろっている。後はペナルティーからの攻撃の質を高めていくことだが、これは一人一人の経験からくるのではないだろうか? 日本人選手が UEFA チャンピオンズリーグの試合に出場するようなチームに所属して、実際にこういうゲームで経験を積んでいかない限り、普段の練習からだけでは絶対に無理なような気がする。

世界上位との差はそういうところにあるに違いない。一人一人がより高いレベルでプレーする環境に自分の身をおくこと。そういう選手がたくさん日本代表に出てきた時にやっと FIFA ランキングで上位5位以内に食い込むことができるのだろう。今の日本代表を見る限り残念だけど中田英寿や俊輔、小野伸二世代後に期待するしかなさそうな気がする。

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