2009~2010UEFAチャンピオンズリーグ決勝、インテル優勝


2009~2010UEFAチャンピオンズリーグ決勝、インテル優勝

2009~2010UEFAチャンピオンズリーグ決勝、インテル優勝

ンテル優勝を予想。先週末土曜日に行われたUEFAチャンピオンズリーグを観ただろうか? 久しぶりにイギリスクラブ以外の選出ということもあり、どのようなサッカーを展開するのか楽しみにしていた。低迷していたイタリアリーグから決勝進出ということも世界各リーグのバランスを取るためにも良かったのかもしれない。( 2009-10 UEFAチャンピオンズリーグ )

インテルがもしかしたら優勝するかもしれない、という予感は決勝トーナメント第1回戦を観ての僕の感想だった。( 2009~2010UEFAチャンピオンズリーグ決勝トーナメント第2節総括 )

トラップがすべて

ミリートのゴールは、どちらも欧州クラブ最高峰のタイトル獲得に値するものだった。1点目は、ベスレイ・スナイデルとの息の合った連係から生まれた。ミリートが頭で落としたボールを、すかさずスナイデルがスルーパス。これに抜け出したミリートは、軽くフェイントをかけたシュートでGKヨルク・ブットの頭上を抜いた。

2点目も同じくらい絶妙なシュートだった。ダニエル・ファン・ブイテンをかわしてペナルティーエリアに侵入すると、弧を描くシュートをファーに沈めた。「チーム全員の夢がかなった」とミリートは話した。「自分が歴史に残る活躍をしたとは思わないが、チーム全員で歴史的なことを成し遂げたと思う。3冠を達成し、喜んでいるが、まだ実感できないでいる。バイエルンに敬意を抱いているが、僕らはいいプレーをしたし、カウンターで得たチャンスをきっちりものにできた」( ミリート、優勝に万感の思い )

の2得点のシーンを見る限りトラップがすべて、特にペナルティーエリア付近ゴールを狙える位置でのトラップはすべてを決めてしまう。正確に繰り出されたボールが足元ピタリと止まる瞬間、まるで周りの空間が一瞬フリーズした感覚に陥る。

1点目はディエゴ・ミリートがベディングでヴェスレイ・スナイデルの足元へ落とす。この瞬間のトラップですべてが決まっていた。ピタリと納まったボールに詰め寄るタイミングを見失ったバイエルンDF陣はスナイデルとの感覚を詰めれないままボールの行くへを見ることに。そこへミリートが開いた空間へ走りこみスナイデルからのパスを受け、見事にゴール。ボールが落ち着きさえすればシュートの瞬間、一瞬だが集中して視野が開けるのだと思う。

2点目も中盤、サミュエル・エトオからミリートへボールが出た瞬間にすべては決まっていた。ボールをピタリとトラップしたミリートへ詰め寄る感覚を持てず、あれよあれよという間にミリートのドリブルと同じスピードでバイエルンDF陣は戻ってしまう。ボールに目を奪われて他の選手のマークも外れるし、逆サイドの空間への対応も頭の中から消えてしまう瞬間だ! 相手が仕掛けてくる攻撃と同じスピードで戻るのが一番まずい。

すべてはトラップで決まってしまう、というのを再び教えられたシーンに思わずうなずいてしまうしかなかった。仮に決定的パスのボールをトラップミスしてボールが大きく、あるいは少しでも足元から離れる瞬間が現れたとしよう、その瞬間はディフェンス陣が詰め寄ることのできるタイミングであり、一瞬にして周りの空気がボールへ行ってしまう。

世界の頂点レベルのサッカーはとてもシンプルで当たり前のことをきちんとしているだけに過ぎない。ただそれがものすごい緊張とプレッシャーの中で行われているので見た目には簡単そうに見えるが実際ちょっとでもトラップが、ボールコントロールが甘くなると削られる、という環境の中でプレーするとなると違うのかもしれない。

プレッシャーの緩いJリーグでプレーしている選手が海外の厳しいサッカーに触れると焦ったように余裕なくボールを裁くしぐさに苛立ちを覚えるのはそのためだろう。

フランク・リベリーが出場していれば

バイエルンのボール支配率は66パーセントだったが、インテルの強固なディフェンスを崩せず、大事なところでチームのポテンシャルを発揮できなかったのが残念だったと、ミュラーは話した。「思うような試合ができなかったのはこっちの方だったと思う。インテルの守備は素晴らしかったが、それは最初からわかっていたことだ。彼らは攻撃の面で冷静だった。結果にはとてもがっかりしている」

バイエルンのMFバスティアン・シュバインシュタイガーもミュラーに同調する一方で、インテルは優勝にふさわしいチームだったと述べた。「とてもクレバーで、老練な試合をしてきたが、それが一流チームの証だろう。だから彼らは優勝にふさわしいと思う。こっちはボールを支配したものの、チャンスを作れなかった。トーマス・ミュラーの(後半開始直後の)シュートが決まっているか、0-2になる前の彼のシュートがゴールになっていれば、違った試合になっていただろう」( 逸機を悔やむミュラー )

イエルンは互角のサッカーをしていた。ただインテルがゴール前で固めている4人のDF陣のカバーエリアを崩す工夫のできる人材をこの日起用できなかったことが悔やまれる。フランク・リベリーの存在だ!

彼ならばそのような空間へ自らドリブルで突破、相手インテルDF陣のバランスを崩す役目を進んでかったことであろう。自ら仕掛けてくるリベリーの威嚇を充分インテル側は把握していたはずであるし、彼が存在しないということがどれだけバイエルン側に攻撃面での多彩さを狭めてしまったか残念でならない。

リベリーが存在することでもう一人のドリブラー、アリエン・ロッベンが生きることになるし左右から攻撃を仕掛けられたはずのインテルは自然下がりがちにならざるを得ない。彼のようなタイプの攻撃陣はゾーンを敷いて守ってくるディフェンス網を突破する一つの手段になる。日本代表で行ったら松井大輔のようなタイプの人材は活用すべきなのだ!

レアル・マドリードから解雇された二人の復讐

決勝の会場ベルナベウを本拠地とするマドリーは、通算10回目の欧州制覇という目標に向け、巨額を投じてクリスチアーノ・ロナウドとカカを補強したものの、決勝トーナメント1回戦であえなくリヨンの前に敗退を喫していた。その代わりに、このスタジアムでトロフィーを掲げることに意欲を燃やしていたのが、昨夏までマドリーでプレーしていたバイエルンのアリエン・ロッベン、インテルのベスレイ・スナイデルだ。( 変革のシーズンを締めくくったインテル )

ンテルがチェルシーを破った時点でスナイデルの勝利への執着心みたいなものを感じたがそれはレアル・マドリーに対しての復讐、自分が活躍することを見せ付けるためにどうしても欧州チャンピオンズリーグ決勝の舞台、レアルの本拠地サンチャゴ・ベルナベウに自分の姿をさらけ出す誓いだったのかもしれない。準決勝でバルセロナに勝った瞬間、スナイデルはやった! と心の中でガッツポーズを作ったに違いない!

そしてもう一人バイエルンにもレアルから解雇された人材がいた。マンチェスターU.やリヨンとの戦いで決定的な働きを見せ、チームに貢献してきた人物、ロッベンである。彼もまた欧州チャンピオンズリーグ決勝舞台が自分をシーズン直前に輩出したレアルの本拠地での開催ということで闘志を燃やしていたに違いない。

イタリアのチーム、いやアルゼンチンのチームというようなインテルの中、一人冷静で、一人緻密に知的で、ガッツ溢れるサッカーをしていたスナイデル。ドイツのチームカラーが出たバイエルンで一人自分のカラーを見失わずに個性を出し続けたロッベン。この二人は残念だが南アフリカW杯で日本代表がグループリーグ第2戦目で戦う相手、オランダ代表の中軸となる選手たちである。

120%で仕掛けてくるグループリーグのオランダの恐ろしさを日本代表は初めて経験することになる。サッカーでは何が起こるかわからないといわれるけど今回の場合は幾らなんでも無茶である。5点差以内で治まれば良しとしなければいけない!

信頼される指揮官

変わらずこのジョゼ・モウリーニョ監督は選手から、チーム関係者から、そしてサポーターファンの大勢から支持を得ることに長けている。きっとモウリーニョの中に潜んでいるぶれない姿勢、勝利への姿勢が周囲に伝わっているので、その雰囲気に包まれながらチームが勝利し続けると彼への信頼が歓喜と一緒になって増幅されるのだと思う。

まず感心するというか当たり前のことなんだけど選手の起用法に躊躇しない。どういうことかというと非常にシンプルなんだけど使えない奴は使わないという姿勢が徹底している。あくまでも勝利のためにチームが必要とする選手を起用していく。どこかの代表監督のように貢献してきたんだから使ってやらないとまずい、というような感情を見せることなどまずない!

今シーズンポルトから移籍してきた才能溢れるリカルド・クアレスマを途中から起用しなくなった。多分チームとしての戦術にマッチしなかったのだろう。同じポルトガル出身で同情的にイタリアでお互い頑張っていこうという気持ちになりがちだろうが、使えない奴は使わない!

欧州チャンピオンズリーグ決勝でもディフェンス左側から相手バイエルン、ロッベンに崩される場面が多いと判断したモウリーニョはすぐにクリスティアン・キヴを交代させる。ディフェンスが試合途中交代することはあまりないので、これもモウリーニョの選手起用、勝つための最適手段を取る、というぶれない姿勢からきていることと思われる。

そうすると選手間ではある種の空気が生まれる。自分が使われているのは自分が認められている、監督からこのチームに必要な人材だと認められているという空気を選手間で共用するようになり、使われようが使われないであろうが試合に出場している選手の起用法に疑問を抱くことがなくなる。

逆に怠慢なプレーをしていれば即外されるという緊張感も選手間に生まれる。一時日本代表にもこのような空気があったではないか? 赤鬼と言われたフィリップ・トルシエの時には選手間にいい意味での競争意識があったと思う。

南アフリカW杯を目の前にしてぐたぐたいちゃもんををつけるのもどうかと思うが、岡田武史監督は中村俊輔に、遠藤保仁に、海外組みに、田中マルクス闘莉王に遠慮しているように感じるのだが・・・

後、モウリーニョが一番信頼される起因は彼が内面で持ち続ける、すべての勝敗に関わる責任は俺が取る的姿勢をチーム関係者皆が感じるからであろう。チェルシーでのモウリーニョの戦う姿勢を多くの人が知っている。今回のインテルでもそうである。あのバルサを破ったときのモウリーニョの行動はインテルファンの心を荒ぶらせる。あのような指揮官ならばついていきたい、という感情が自然、芽生えてしまうとしても決して不自然ではない。むしろ羨ましい限りだ!

毎年のことだが欧州チャンピオンズリーグという環境を配するヨーロッパのサッカー環境が羨ましい! そこは選手個人を鍛える場所であり、サッカーという競技を通じて戦うプレーヤとして逞しく成長させてくれる環境でもある。サッカーをするすべてのプロ選手はここでプレーすることをまず目標に立てるべきである!

日本代表が本当に強くなるとき、それはきっと欧州でプレーする海外組みからの代表選出がほとんどという状況になり、今回は珍しくJリーグから3人の選手が選出されました、というぐらいの環境になったときであろう・・・The point is when… Are we going to have that moment in our future?

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