Google誕生 – ガレージで生まれたサーチ・モンスター

前半の大半、 Google 誕生から現在に至るまでの発展物語に興奮したが、本当に知的興奮を持って読んだのは最後の章のこれからの Google がなしえようとしている箇所である。

Google がこれから提供するであろうサービスに驚いた共に、これはとんでもないことになるなぁというような、来る未来が想像もつかない世の中になるであろうことに思いをはせていた。

自分を知ることが一般になる

どういうことかというと、 Google は遺伝子工学や分子生物の分野でものすごい開発に力をいれており、ヒトゲノムの解読から様々な生物の遺伝子解明に取り掛かっている。

それによって近い将来、自分がどういう体質の人間か、自分の遺伝子はどういう特徴があるのか、自分にあった薬から食事まですべて個々にカスタマイズされるのだ。医療が一つまた上のレベルに達するであろう。

自動翻訳が当たり前になる

これは Google が提唱している開発の一つで、まず使っている言語に関係なくインターネット側に蓄積されている厖大な知の世界にアクセスできるようにした。そしてその次のレベル、個々が使っている言語を意識することなくコミュニケートできるようにしよう、という試み。

今現在での Google の検索結果などの自動翻訳はすごいレベルだが、きっと近い将来、こちらで自分の言語をあるデバイスに話すなり書くなりインプットすると、反対側の相手からはその人の言語となって自分のインプットした情報が、自動的に相手側の言語に翻訳されて、お互いスムーズにコミュニケートできるようになる可能性はある。

そうなのだ。ドラえもんの「ほにゃらこんにゃく」をついに誰もが手にできるのだ。長ーーーーーーーーーーい時間をかけて、これから地球は一つの国家に仕上がってゆく。世界政府というものの存在などまだ想像できないが、もし人々がお互いの言語を意識することなくコミュニケートできたときにはまず人々に意識がどのように変わるのか、見てみたい。

新しいエネルギー源の開発

世界のどこからでも、どこにいても、たとえ秘境の地、アマゾンの奥地や、砂漠の中央、他大自然のど真ん中にいようともコンピューターにアクセスできるようになる。

今、 Google は太陽光を利用した新しいエネルギー源の開発にも力を入れており、将来的には無線で双方のネットワークに繋がるような、もっと地球レベルで活用できるコモデティーの開発を急いでいる。このコストは素晴らしく、ゼロに近いものになるだろう。Google の世界中に散らばる何十万というサーバーの消費エネルギーはこれで解決される。発明は必要の母なのだ。

超小型デバイスを脳内へ

持ち運びができる小さなデバイスをもって、人類はいつでもどこにいてもその地理的条件に関係なく、インターネットのあちら側の知の世界にアクセスできるようになる。

そしてそのデバイスは超小型化を極め、いつしか人間の脳内に直接埋め込むようになり、人間の左脳の能力はすべて超小型コンピューターを利用して活かすされるようになり、人類は右脳という直感や第6感、インスピレーション、胸騒ぎなどの部分が発達してゆくことになる?!

そうなのだ。当たり前のように行われている知識の習得、という意味のある行動がなくなる。すでにあるたくさんの情報、インフォメーションは巨大なデーターベースにアクセスすることによってすべての人間の機会がフラットになる。

人類のすべての人間がもう一つ上のレベル、インテリジェンスという知性の域まで達するのか? これらのことが意味する本当の真意とはなんであろう? 人類すべての人々が知の世界に平等にアクセスする機会は限りなく民主主義的に人類を発達させてゆくのか? 村上龍氏の「愛と幻想のファシズム」を思い出してしまった。民主主義と医学の発達が人類の人口を増やしたと。弱者を増やしたと。

子供の頃、殺されずにすんだ運、病気に打ち勝つ体、殺し合いに生き残る力。その3つがないものは弱者なのだよ。

まさに Google 概念は弱者を増やす機会を人類に与え続ける。しかしその先はどうだろう? 僕の直感だが、限りなく人類が平等に知へのアクセスを手にいれ、民主主義的な世の中になったあと、人類は再び狩猟社会に戻るのではないか?

超近代的な狩猟社会

その根拠は? 人類は知へのアクセスをつかんだことは、一見するとプラスの材料を手に入れたかに見える。だが、実はすべての人々に知へのアクセスがあるという状態は逆にいえば、すべての人間が平等、というか何にもない、フラットな状態だといえないだろうか?

うーん、ニュアンスが伝わるかなぁ? 何もないフラットな状態。人類はプリミティブな世界に戻る?

超近代的な適者生存、自然淘汰が行われるプリミティブな世界。原始的な世界で人類が採用してきた生きるシステムは狩猟だ。農耕などの奴隷的システムが登場するずっと前の社会。超近代的な狩猟社会とはどんな世界だろう? 想像できない。

しかし、村上龍氏のエッセイに書いてあったのだが、次の社会システムがあるとしてその社会システムに一番フィットする、適応するであろう民族はアフリカ人らしい。飢饉に殺し合い、自然災害と次の社会システムのなかで起こりうるすべての要素を今現在経験しているかららしい。だとすると、アフリカ人は次の社会システムへ適応するために今現在進化していることになる。ありえなくもない。あなたはどう思いますか?

20年、30年後の世界 by Google

「文書とかそういうものが書かれている間に、ディスクはどんどん進化し、どんどん速くなっていきました。あと2、30年もすれば、人間の知識のすべては、そして人間が生み出すどんな情報もビデオ画像を除けばみんなポケットに入れることができるようになるでしょう」とブリンは自信たっぷりに言った。

「こういうことは全部可能です。一つの中心地にそっくり丸ごと保管しておいて、それを活用すればいいのです。ぼくたちがやったのはそういうことです。」

ここに一つのキーワードがある。ビデオ画像を除けばというもの。映像という文字の検索とは違う実際に見なければ内容がわからない映像をどのように検索によってランク付けしていくのか? Google は機械を通して、 Yahoo! は人を介して映像を整理しようとしているらしい。ここにビジネスチャンスがないいだろうか?

持ち株売却でのポリシー

ラリーとサーゲイは、自分達の株の売却の仕方を決めるときも、好景気と不景気の波を長いあいだ見てきた金融関係者や弁護士のアドバイスをしっかりと心に留めていた。

創業者達は、持ち株のほとんどを所有し続ける計画でいたが、例のシリコンバレーの起業家たちのように、自社株にほれこんでしまったばかりに一株も売らずにいて、会社が倒産したとき手元には何もなかった、といった終わり方をしたくなかった。

そんなわけで、その月のグーグルの株価が上がっていようが下がっていようが、スケジュール通り、二人ともそれぞれ同じ日に同じ数の株を売るというのもなかなか良い方法だ、と思ったのだ。

これによって、二つの問題を避けることができた。まず自動的に株が売却されるので、二人が内部の機密情報に基づいて株を売買したかもしれないといった疑問が持ち上がりようがなかった。

第2に、二人の持ち株の一部は確実に現金化されることになるから、たとえどんなことが起ころうとも二人には、そして二人の家族は、万一の時に必要になる以上のお金を確保しておくことができた。

当然投資の分散もできた。そして、議決権の数が異なる株が2種類存在することも忘れてはならない。これがあったから、二人はグーグルの運命をその手に握りながら安心して大量の株を処分することができたのである。

非常に賢いやり方だと思う。元々 Google の二人は株式発行の前、なるべく多くの人にその機会が与えられるようにといろいろなことを試みていた。この二人の株式を定期的に売却するという行為はその延長線上と思われる。二人のもっている株を市場に出すことによって多くの人がそれらの株を購入できる。

ユビキタス社会

その重要な第1歩となる試みとして、人口知能の技術や言語翻訳の新たなメソッドなどの実験がグーグルプレックスのなかで行われている。

ブリンとペイジは、こうした努力がやがて報われて、言語や地域の違いや、インターネット接続や電力のあるなしで制限されたり障害が生じたりすることなく、誰もがよりよい情報や知識にアクセスできるようになる、と期待している。

文明社会から隔離している多くの民族にとってこれは有り難いことなのか? この大いなる人類の叡智の発達はそれらの人々を幸福にするだろうか? 要はこのひとたちがこれらの新しいシステムにアジャストできるか、適応できるか、ということのほうが問題だ。人は能動的でない限り、自ら知識を吸収しようとは思わない。情報を与えられるほうが楽だからだ。

文明社会に飛び出した多くのネイティブ・アメリカンは新しい社会に適応できず、多くがアルコール中毒、ドラック中毒、犯罪、自殺へと進んでいく。知へのアクセスがすべての人に与えられても、それを世界中の人がフルに活用するとは思わない。奴隷は楽なのだ。

オーダーメイド医療

グーグルのプロジェクトのなかでもっとも心躍らせられものの一つに、生物学と遺伝学にかかわる研究がある。

医学と科学に飛躍的な発展をもたらすような研究で、このプロジェクトと通じてグーグルがオーダーメイド医療( Personalized Medicene – 個人の体質を遺伝的に調べてそれに合った薬などを用いる医療)時代の到来を早める可能性もある。

グーグルが取り組んでいるのは個人の正確な遺伝構造の解読でこれが可能になれば、医師やカウンセラーが一人一人に適切な医療を施すことができるようになる。

もはや統計や平均に基づいて、医療を施したり治療法を考えるようなことはなくなるのだ。グーグルの研究から病気に対する新しい知識が生まれ、新薬が開発される。その結果特別な遺伝形質を持つ人たちが、特定の食物や薬品を利用したり、あるいは逆にそれを避けられるようになる。そんなことが十分に期待できる。

これによって西洋医学は驚くほど進歩するだろう。じゃぁ、東洋医学はどうなるのか? この辺は中国が解明してくれるだろう。当たり前だが Google は中国にも進出している。

人類の寿命は延びる?

自分自身の生物学的な生態を知り、それと病気や生活習慣とがどう関係しているかを理解することは何より重要だ。

グーグルがあれば、自分自身の遺伝子を理解できるようになる。グーグルにはこういったことをすべて行う能力があるし、わたしがラリーとサーゲイと話したときにも、その点については十分に議論を重ねた。

もしかしたら Google は人類の寿命を延ばすかもしれない。将来的には100歳は早死にの分類へ、そして人は150歳ぐらいまで普通に生きることができるかもしれない。

ボーダレス社会へ

CEO のエリック・シュミットは、究極的にはグーグルは地上のどんな場所にも行き渡ると考えている。

「アマゾン川流域を見て、どうしてインターネット・ユーザーがいないの?と思うだろうが、それはそこに電力がないからだ」とシュミットは説明する。

「そしていま、この問題に人々は取り組みはじめている。だからグーグルはどんな地域の人にも使われるようになる。たとえ木の上に住んでいたとしても大丈夫だ。その人たちに、電力とちょっとした装置を提供すれば、問題は解決する」

人、もの、カネが自由に動くボーダレス経済。これからのその加速は早まるだろうし、もっと活発になる。人はもっと暮らしの快適な場所へ移動するようになったら、国家という概念はどうなるのだろう?

発展途上国に住んでいようが、イスラム圏に住んでいようが、人々は Google を通して提供される知への恩恵を受けて幸福に暮らすことができるのだろうか?

検索エンジンと解への道筋

近頃は世界中でインターネットとグーグルが同じものと思われたりもしているようだが、ブリンとペイジはさらにその先を見ている。

人間と検索エンジンがもっとずっと近づく可能性を予測しているのだ。「脳に役立てたらどうかな?」とブリンは口にする。「みんながコンピューターの力がもっとほしくなるんじゃないかと思うんだ。

たぶんいつか脳に差し込むだけでグーグルの小型版が取り付けられるようになるよ。ぼくたちは、かっこいいのを開発しないといけないな。でもそれがあったら、世界中の知識をあっとい間に全部手に入れられる。なんだかわくわくしちゃうな」

日本のアニメで「ゴクウ」というのが確かその昔あったよな? その主人公の片側の目はコンピューターになっていて世界中のコンピューターと繋がっている。やっぱり悪用する人がでてくるだろうなぁ。人の殺し方マニュアルからあらゆる爆発物製造に関するマニュアルや、金融犯罪などの手口など、ありとあらゆる知識が利用可能となれば、やはり殺し合いは起きるだろう。

超近代的狩猟社会は人間社会の人口の淘汰が始まる。それによって生物学的に人口の調整が行われ人類は新しい社会への適応を進めていく。

役に立つ人間になりなさい

才能や運や努力や出会いなどさまざまな要素が融合していまのグーグルに至っているわけだが、成功の最大の秘訣はラリーとサーゲイが世の中の役に立ちたい、という気持ちを常に持っていたことにあるようだ。

このようなパブリックな考え方はアメリカの発明家の伝統でもあり、エジソンの母親が「役に立つ人間になりなさい」( Be a useful man. )と息子に言っていたことはよく知られている。

グーグルの二人も、自分達だけのために行動していては必ず限界に突き当たることがわかっていた。大きなことに挑戦するには、多くのひとたちを巻き込まなければならない。そうすることで自分たちはさらに好きなことができるし役立つことができる。それを誰よりも理解し、徹底的にやり遂げたのがこの二人でありグーグルなのだはないか。

自分の情熱にかけること。情熱をもって行えることに励むこと。

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