原油価格は100ドルを超える?

レバノン侵攻

先週末起こったロンドン旅客機爆破テロ未遂事件。CNN などの主要なニュースを見ていると5年前に経験したあのいやーな不安が甦る。あぁ、またかという思いと共にこの事件にはあちら側からこちら西側諸国に向けてのメッセージが含まれているなぁと思った。

まずニュースを聞いて直感的に思ったのは、今回の事件、絶対に現在進行しているイスラエルとレバノンの紛争(レバノン侵攻 )が絡んでいるということ。

ヒズボラに武器や現金を提供しているシリアとイラン。では イスラエルはどうか?

イギリスとアメリカが背後からイスラエルを支えていることは承知の事実。アメリカやイギリスがシリアやイランはでしゃばるな、と牽制しイランとシリアがアメリカとイギリスもでしゃばるな、とお互いが牽制しあっている。ヒズボラとは関係のないレバノンの一般市民の生活は非常に不便な状態に置かれたままだ。

今回、テロ未遂で終わったがそこからの影響は西側諸国の人々に緊張と不安に陥れるのに十分だった。

この計画により、イギリスおよびアメリカ合衆国は、イギリス発アメリカ合衆国行きの民間航空機に対する警戒レベルを最高レベルまで上げた。

アメリカン航空コンチネンタル航空ユナイテッド航空の便がテロの対象となっていた。この影響で、液体物質の持ち込みが規制され、化粧品などを含む一切の液状、ゲル状の物質の飛行機への持込が禁止された。

また、影響で世界の一部の国際空港では航空機内に財布、貴重品を除く手荷物の持ち込みを禁止する措置をとった。また、ロンドン・ヒースロー空港は、すでに同空港へ向けて離陸した便を除くすべての航空機の着陸を禁止した。ロンドン証券取引所の株価は日本時間 8 月 11 日の時点でこの影響で反落した。

空港での緊張をもった対応は一様、安全性を保つためということで一般市民は理解を示しているが、これが長引くようだと不便さが不満という形となって表面化してくる。

誰が一番得をするのか?

来月に迫ったアメリカ同時多発テロ事件5周忌も目の前だし、アメリカでは11月に中間選挙を控えている。

イスラエルとレバノンの情勢次第では空港内の極度の不便さは等分の間続くと思っていたほうがよさそうだ。

アメリカではその他に今回の事件は政治的な要素も含まれているという見方も強い。数ヶ月前からすでのテロへの準備が侵攻している情報をつかんでいたにも関わらず、なぜここまで引き伸ばしたのか? なぜこの時期にという思い。8月というバケーション・シーズンを狙い、政府閣僚の対応が遅くなると読んだのか?

ここで一気に素早い反応をして世間にアピールできれば11月に行われる中間選挙で自分の立場を有利にアピールできるとでも考えたのだろうか? いろいろな憶測が流れる中、今回の事件が含んでいる真実とは何であろうか?

たくさんの情報が溢れる情報化社会では事実ばかりを報道しがちなメディアのニュースを追っていると、やがてそれをリアリティーをもって捉えることができなくなり、想像力も働かなくなる。

誰もが手にすることができる情報はデーターに過ぎずインフォーメーションだ。そこから知性というインテリジェンスに目を移すことによって物事の本質、その前後に潜む真実を発見できるようになる。

僕の尊敬するジャーナリストの一人、広瀬隆氏の言葉を借りるならば、このような事件の時、誰が一番得をするのか? という視点からものごとを眺めてみるといいと語っていた。

ではこの事件から一番の利益を得たのは誰か? ずばり国際石油資本 、石油メジャーだと思う。石油メジャーにとってイスラエルとレバノンの紛争は長引いてくれるほどいい。

国連で決議案が採決されたがイスラエルとレバノンがどこまでそれを受け入れ実行に移すのか疑問だ。

原油価格は100ドルを超える

枯渇してゆく石油。中国の経済発達によって石油を消費する勢いはこれからもっと加速していくであろう。

中国はこれまで黒竜江省大慶油田山東省勝利油田を中心に自国の需要を賄える石油を生産し輸出もしてきたが、 2003 年頃から中国最大の大慶油田が過度の採掘によって生産が低下し、日本への輸出も停止された。一方で、中国経済は経済成長を続け、石油需要が急速に増大している。 改革開放政策時に発展に必要だと思われる原油の備蓄を軽んじていたため設備が少なく 2005 年では備蓄は 3 日分しかもたず輸入に頼るしかなくなっているのが現状である。このため、中国政府は新疆ウイグル自治区新疆油田な どの開発に力を入れているが、まだ十分な生産量ではなく、中国は原油の輸入国に転じつつある。

2004 年の中国の原油輸入量は 1 億 2000 万米ドル、対前 年比 34% の増加であった。このような中国の石油事情が世界市場に大きなインパクトを与えており、他地域で原油生産を増加させようとしても、既存施設はど こもフル稼動している。新たな油田を開発して供給を増加させるためには最低でも 2 年かかるため、後 1~2 年は長期的な原油高が持続するという声が強い。 (もちろん短期的な相場の up down はある。)

だから中国政府も必死で原油の確保に疾走しているわけで、西側諸国からみればいやなアフリカや中東のイスラム原理主義的な国との取引にも積極的だ。イデオロギーよりも商人気質が働くのだろう。

その需要がこれから増えていく中で、30ドル、50ドル、70ドルで取引されるより100ドル近くで取引されたほうが儲けは大きいことは小学生でもわかるであろう。

石油メジャーは中国の経済が大きく発展した場合、どれぐらいのペースで石油を食い尽くしてゆくのか、ある程度のシュミレーションができているものと思われる。よって70ドル前後で平行線を辿ってしまうよりも、ここで一気に100ドルぐらいまでプライスを押し上げることが重要だと判断したのか? イスラエルとレバノンの紛争はその現象を起こすために利用されている面を含んでいる。

投資家や投機家は原油価格が100ドルを超えた時、ドル、円、ユーロなどのお金がどのように動くのか予測して新たなポジション取りを済ませていることであろう。

世界的に需要が増加している傾向があり、中国とアメリカがその例として挙げられる。供給の面では、イラク戦争やそれに伴うテロ活動の悪化により、中東地域の治安悪化等も懸念されている。新たな油田開発もあまり進んでいないため、既存油田での生産活動の障害がすべてリスク換算され、市場価格を左右する原因にもなっている。

アメリカメキシコ湾への大型ハリケーン「アイバン」による被害やそれに伴う SPR 貸与問題、ロシアのユコス問題、ナイジェリアの政情不安やベネズエラのスト等もすべて必要以上に大きなリスクととらえられた感がある。確かにリスクではあるが、全体的な需給バランスではタイトではあるものの、石油不足は起こっていないといえる。しかし、タイムリーに需給関係を知ることが難しいため、不確かな予測が先行することに陥る。

また世界的な金余りの中、投機先として原油先物が注目されてきたことも原油価格高騰を考える中で大きな要因である。先に述べたさまざまなリスクにいち早く反応するのは投機筋マネーである。株式や為替市場のリスクをヘッジするために原油にも投資する。投機筋マネーにより上昇した原油価格がさらに価格を押し上げるというスパイラル的な現象が起きていると考えられる。

最近の投機筋の特徴としては、短期運用タイプだけではなく、年金基金等の長期運用型タイプの機関投資家マネーが流れ込んできているとのことである。 原油は市況商品として、取引され、市場もそれに伴い発展・高度化していった。このため、 90 年代半ばからはむしろ、石油市場の発達・グローバル化に伴い、 原油価格の変動性( Volatility: ボラティリティー)が激化し、「石油市場のカジノ化」の要素が濃くなっていった。本来の需給関係により上下する価格ではなく、実需以上の投機的な価格が高水準で続く根底には以上のような経緯も考えられる

このように自分なりに真実を探求することによって将来に対する自分が取れる選択肢を増やすことに繋がる。オプションが多ければある程度のことに対して対応できる有利さを自分に与えることになるのだ。

8月は日本人にとって長崎市への原子爆弾投下広島市への原子爆弾投下日から15日の終戦の日といったことを考えることの多い月である。これらの出来事が起こったという事実から今の日本の社会に与えているであろうそこから発生した真実を考察してみることは非常に大事だと思われる。

事実と真実

日本の今の教育システムは事実重視だと思いませんか? 真実を探求する思考プロセスを重視した教育システムに変えていく必要はないだろうか?

Popularity: 1%