決してあきらめないトルコ
トルコはすごいね! またしても逆転劇。90分戦った後、延長後半の残り2分でクロアチアのイヴァン・クラスニッチに得点を入れられた。普通は負けを受け入れてしまうというのがほとんどじゃないかなぁ?
しかし、 トルコは違ったね。ロスタイムで残り30秒 、トルコ のセミフ・シェンテュルクのシュートで同点。
クロアチアの選手は自失呆然となってしまっていたよ。だれもが準決勝進出を確信していただろうし、あそこから同点にされてしまっては悔いが残るというよりも、同点になったという事実を受け入れることのほうが辛かったと思う。
クロアチア監督スラヴェン・ビリッチも「何が起こったのか振り返るのが難しい。選手はとてもPK戦に臨める精神状態ではなかった。負けた気がしない」とコメントしている。
PK戦はそのコメントのような結果。トルコ側は3人がきちんと決めたのに対し、クロアチア側は4人のうち3人がPKを外した。可哀想にクロアチアの選手、グラウンド上でみんながっかりした様子が映し出されていた。
決定的なチャンスもクロアチアのほうが多く作っていただけに、選手たちはまさか、というか勝利目前の状態から地獄の苦しみへと自分たちの立場が変わってしまったことに気力も戦う意志も失せてしまっていたのだと思う。
それにしても勝ったトルコ、恐るべし! 累積イエローカードや負傷者で主力メンバーとはいえないチーム構成の中、よく勝ったよ! ゴールキーパーも前のチェコとの試合で第1キーパーは一発レッドの退場処分を食らっているから、この試合のゴールキーパーは第2キーパーだったんだよね。クロアチアにゴールを許したときも、自ら飛び出してしまい、あわててゴール前に戻ったところをヘディングで決められたんだ。しかし自分のミスをPK戦でしっかりと償い、見事トルコを勝利へと導いた。
次の準決勝も主力がどこまで揃うのか疑問だけど、どうも最後まで試合をあきらめないというのが運をトルコ側に呼び寄せているようで不気味だ。
対戦相手のドイツは油断しないことである。といってもこのポルトガルとの準々決勝を見る限り、決める人が決め始めたのでどうやらドイツのエンジンがかかってきたなぁ、という印象を受けた。
その決めるべき人とはバスティアン・シュヴァインシュタイガーとミロスラフ・クローゼ。先取点のバスティアン・シュヴァインシュタイガーのゴールポスト、ニアァ側に鋭く入り込んでスライディングでのシュートはお見事。
次の2点目、3点目も相手ポルトガルのマークがバラバラで運がついていたこともラッキーだった。うーん、やっぱり決勝トーナメントでは経験がものをいうのかなぁ。
守備崩壊のポルトガル
ポルトガルはまったく攻撃もバラバラで、一番いけないのがセットプレー時のマークがバラバラ。士気もどこか失せているような感じを受けたのはやっぱりあのニュースがいけなかったのかなぁ。
グループリーグを戦っていたときに最初の2試合を勝利してもっとも早く決勝トーナメント進出を決めた後に、 ポルトガル監督、ルイス・フェリペ・スコラーリがこの7月から チェルシー FC の監督に就任するということを発表してしまった。
これでポルトガル選手は失望したというか士気を失ったしまった感が漂っていた。もしこの発表をこの UEFA 欧州選手権 2008 が終わった時点で行っていたらどうなっていたか?
ポルトガルのパスとドリブルの多彩なサッカーを見ることもなく敗退してしまった。試合終了後、一人足早にグラウンドを退場していくクリスティアーノ・ロナウドの態度がすべてを語っていた。自分たちのパフォーマンスが中途半端に終わってしまったことに対して歯がゆい思いをしていたのである。
経験でドイツ、運でトルコ
さぁ、準決勝第1試合はドイツ対トルコ。ミヒャエル・バラックが中盤をコントロールしてドイツのペースで進めばドイツに勝機が傾くであろうし、逆にトルコはドイツの早い攻めに左右からの素早い展開に苦しむだろうが、ここを耐え始めると試合の傾き加減が微妙に変化してくるかもしれない。ドイツにはトルコからの出稼ぎ労働者がたくさんいるから試合後は一騒動起きそうな気配がするよ。これはトルコが勝っても負けてもね!
準々決勝第3試合、ロシア対オランダ
ロシアはいいサッカーしたねぇ。相手よりも良く走り、ボールも選手も本当に良く動いた。これではどちらが試合を攻勢に運べるか決まってしまう。ロシアにはオランダのようにスーパースターはいないけど、みんなで攻撃する、みんなで守るというスタイルを貫き、オランダのサッカーを圧倒していた。
豊富な運動量でスペースを目がけて走り込み、ゴール前まで一気につなぐ。ヒディンク監督が目指す組織的な攻撃サッカー。国際的には無名な選手たちが120分間、休むことなく体現し続けた。
名将は「技術面でも戦術、身体の両面でもオランダをはるかに上回った」と言い、さらに続けた。「信じられない偉業だ。選手を誇りに思う」
02年W杯で韓国を4強に導き、06年W杯で豪州を決勝トーナメントに進出させた。そのオランダ人指揮官が対戦前に言っていた。「オランダの今年最大の裏切り者になりたい」。再び世界を驚かせてみせた。
アンドレイ・アルシャーヴィンとロマン・パヴリュチェンコ
特に良かったのがアンドレイ・アルシャーヴィンとロマン・パヴリュチェンコ。10番を付けるアルシャーヴィンはそんなに大柄な選手でもないけど、プレーで目立っていた。至る所に顔を出し、ボールを奪ったかと思うと周りの選手を利用してパス裁きもできれば、自分でドリブルを仕掛けチャンスを作り出すことも出来る器用な選手。本当に良く走っていた。
そしてもう一人、FWのロマン・パヴリュチェンコ 。身長188センチメートルという大柄ながら結構走るのも速いし、足元でのボール裁きも技術がある。ポストプレーでも体の使い方が出来ているし、どこか体操の選手のようで動きがしなやかだ。トップの位置にいてボールを狙っているわけではなく、左右に散り、両サイドのライン際でボールを貰う辺り上手いと思った。
この二人の周りのロシア選手が良く絡んできて、2列以降の後ろからの追い上げもあり、ロシアの攻撃に厚みを加え、オランダゴール前を脅かしていた数々の場面を作る。うーん、ロシア、本当にいいサッカーしていたよ。セットプレーでの弱点以外は文句なくオランダをすべての面で上回っていた。
それにしても監督のフース・ヒディンクすごいね! またも快挙を成し遂げて、選手を奮い立たせるのが上手いのかなぁ。そんな気がする。
一方敗れたほうのオランダはどうしたのだろう? 一人闘志を燃やして戦っていたのがヴェスレイ・スナイデルだけで後の選手は動きに精彩を欠いていた。攻撃に鋭さが全くなかったね。
準々決勝第4試合、スペイン対イタリア
これでスペインが破れたら僕の優勝候補3つが全部負けたことになってしまうところだったので正直スペインの勝利にはほっとしている。スペインにとっては苦しい展開、中々得点が奪えずずるずると後半までもつれ込むだろうなぁとは予想していた。相手イタリアは伝統としてカテナチオ( “ 閂 ” の意)と呼ばれる守備戦術を持つ世界屈強のチームなのだ。
いくらジェンナーロ・ガットゥーゾとアンドレア・ピルロが累積イエローカードで出場できないと言ってもそこは選手層の厚いイタリア、きっちりとゲームを作ってくるであろうことも予想された。
試合は膠着状態のまま90分でも決まらず、延長戦へと。延長戦でも決まらなかった場合、イタリアの方がPK戦では有利かもしれないなぁ、と思っていたけど駄目だったね。2006 年ドイツ W 杯 では決勝戦で W 杯 PK 戦初勝利を収めたイタリアも過去のジンクスを引きずってしまったね。スペインはほっとしただろうな!
グループリーグで1位通過した3チームはすべて敗退、もしかしたら自分たちも後に続くのかもしれない、という不安もあったであろう。でもこれで優勝の可能性が見えてきた。
準決勝第2試合、スペインはあのロシアと対戦
すでにスペインはグループリーグで一度対戦していてそのときには4-1で勝っている。油断はできない! あの時のロシアと今のロシアではチームの雰囲気がまるで違うといってもいいであろう。両方とも攻撃型のチームだからかなりの高ゲームが期待できそうだ。
フース・ヒディンクも頭のいい監督だから絶対に同じミスを2度繰り返すとは思えない。まさかという感じの奇跡を起こす可能性は今のロシアチームならば充分にあるといってよい。
スペインはこの奇跡の芽を実力でつぶすことができたら、本当の勝者のオーラをまとい始めることであろう。スペイン優勝の可能性が出てくるのだ!
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