What a game! What a game it was!
すごい試合だったね。まさかあそこまでゲームがもつれると誰が想像できたのだろうか?
第1セット、第2セットを 6-4 、 6-4 で先取したラファエル・ナダルがこのまま行ってしまうのかなぁ、とおもったけどそこは過去5年連続優勝しているロジャー・フェデラーはさすがというのを通り越して、本当にすごいと思った。絶対に最後まであきらめないよね。
この二人が特にすごいところはディフェンシブに追い込まれても、そこから鋭いパッシングショットを切り返してポイントを奪えるところ。戦う相手はこれをやられるとどうしたらポイントが取れるんだろう、と普通なら気がめいってしまうだろう。
ナダルにフェデラーは絶対にあきらめない。ナダルのバックハンドは本当にすごい。彼はもともと右利きなんだよね。それを幼い頃に助言を受け左利きに直す。
だからバックハンドを打つ感覚は、右利きの人がフォアハンドを打つようにその感覚がナダルに残っているんだと思う。バックハンドのリターンをクロスに入れてくるときなど、絶対に頭の中のイメージは右のフォアハンドで打っているイメージだと思う。
ナダルはそれにしてもよくあそこまで戦った。ナダルは去年、フェデラーとのフルセットの戦いがあったから今年は我慢が出来たのだと思う。第1セット 6-4 、第2セット 6-4 、第3セット 6-7 、第4セット 6-7 、第5セット 9-7 と全部で33ゲームを奪った末にやっとのことでフェデラーに勝った。
そうでもしないと本当にフェデラーには勝てないことを去年のフルセットの戦いの末にナダルは気がついたというか、そういう心構えが出来ていた。
第5セット、マラソンのように果てしなくゲームを奪い合うことが続いても心の準備が出来ていたのはナダルのほうだと思うのだ。フェデラーはタイブレークだったらなぁ、と思っていただろう。
タイブレークだったら短期間、極限まで集中して勝てる自信があるからだ。フェデラーはタイブレークには強い。第3セットのタイブレーク前のレコードは 22-3 という圧倒的な強さ。全くあわてる様子なく、エースを奪っていく。
王者の貫禄というかオーラをまとっていて、俺は絶対に負けない、俺が勝つんだ、とでもいうように第3セット、第4セットをタイブレークの末勝ち、イーブンに持っていく。
どうしたらチャンピオンシップポイントの瀬戸際からとんでもないパッシングショットやエースが生まれるのだろうか? 精神的に追い込められているところを感じるどころか、俺がチャンピオンだ、とでも誇示するように相手の期待を裏切る。
ナダルは相当に辛抱したはずだし、こちらもよくあきらめなかった。自分の中でフェデラーを倒すことは並大抵のことではない、自分が相手よりより強く勝ちたいという欲望を抱かないと、そう簡単には勝たしてもらえないことを誰よりもわかっていたのだろう。
第4セットのタイブレーク、 5-2 でナダルがフェデラーをリードしているときにナダルの感情が乱れた。プレッシャーからかダブルフォルトをして 5-3 、そして自分のミスで 5-4 となったときめずらしくナダルがラケットを地面にたたきつけようとしたんだ。二つのポイントで自分のちょっとした心理面での動揺からフェデラーにあっさりポイントを奪われてしまった。
フェデラーもここですかさずポイントを奪う辺りはまったく隙がない。チャンスと見るや一気に攻め、 5-5 、 5-6 とポイントを奪っていく。ナダルはそれぐらい苛ついていたというか、この第4セットで決めたかったのだろう。
ナダルは徹底的にフェデラーのバックハンドを狙っていた。フェデラーのフォアハンド側に打つのはフェデラーの右サイドが大きく開いたときだけ。
そうすればフェデラーが仮にボールに追いついてもそんなにきついボールを返してはこない。そうしておいて再びフェデラーのバックハンド側へボールを打ち込む。
第3セットと第4セットはフェデラーのほうを僕は応援してしまった。王者フェデラーが負けるのか? と思ったらもっと頑張れ、とフェデラーのほうに心が移ってしまったんだよね。
しかし、さすがに王者フェデラーが第3セットと第4セットを連取して第5セットも 6-6 になったとき、もしかしたらナダル、負けてしまうかもしれない、となったら急にまたナダルのほうに心が動く。
第4セット、フェデラーはナダルのチャンピオンシップポイント、 7-6 でどうしてエースを奪えるのだろう? フェデラーはナダルのチャンピオンシップポイント2、 8-7 でどうしてバックハンドのパッシングショットを決めることが出来るのだろう?
ここで勝負と決めたフェデラーは 8-8 でポイントを勝ち取りカモン! これで 8-9 。そしてナダルのリターンが大きすぎてフェデラーにポイントが入り 8-10 、第4セットゲット。フェデラー、叫んでいたね! でもどうしてもナダルに勝たせてあげたかった。
2回の雨による中断の末、4時間を越える激闘を繰り広げる中、ロンドンの街はだんだんと暗くなり始める。解説者のジョン・マッケンローも多分、9時30分ぐらいまで、第10ゲーム目あたりで暗くなって続けられないんじゃないだろうか、って言っていた。
6-6 となっても両者互角、全くのスタミナの衰えを見せることなく、まるで第1セットの始め頃と同じような戦いをいまだに繰り広げているところがすごい。6-7 としたフェデラーもすごかったが、 7-7 にしたナダルもすごかった。
2ゲームごとのコートチェンジの際、観客からの声援、両者に送るエールでものすごいことになっていて、フェデラー、ナダル、という声が合い混じってなんかあの異様な声援を聞いていて感動してしまったよ。うわー、観客が感動しているって。当たり前だけどね。それが観ていたこちら側にも伝わってきたのかなぁ。7-7 でどうなるんだろうと思っていた第15ゲーム、相手フェデラーのサービスゲームをブレイクしてナダルがチャンスをつかむ。
ずっとナダルがフェデラーのバックハンド側を攻めていたのがここにきて効果が現れる。フェデラーはバックハンド側に打たれたボールを自らが回り込みフォアハンドで打つようになる。それがミスを誘ったんだよね。
次の第16ゲームで勝てれば 9-7 で試合が終わる。しかしここでもフェデラーは信じられないくらいにクールに恐ろしいリターンを返してきてポイントを奪う。すごい!
これまでにチャンピオンシップポイントを3回もセーブしてその都度ナダルの期待を砕いてきたフェデラーも最後はナダルの集中力と執念のショットがフェデラーのミスを誘い試合が終わった。
いやー、感動したね。ナダルが勝った瞬間、目頭が熱くなったよ。テニスを見て感動して涙を流したのは初めて! それぐらいに両者ともすばらしい試合を見せてくれた。
マッケンローがコートを出る入り口で二人にインタビューするんだけど、マッケンローのコメントがすべてのテニスファンを代弁していると思う。マッケンローも相当感動していた!
Can I just say thank you as a tennis player that you allowed us to be part of this amazing spectacle?
マッケンローもビヨン・ボルグとウィンブルドンですごい試合をして、テニスファンの間ではちゃんと歴史に残っているんだけどね。
1980 年 、マッケンローはウィンブルドンで初の決勝進出を果たし、大会 5 連覇を目指すビョルン・ボルグに 6-1, 5-7, 3-6, 7-6, 6-8 で敗れたが、 3 時間 55 分に及ぶ戦いはテニス史上に残る名勝負として今なお語り継がれている。とりわけ第 4 セットはボルグの 7 つのマッチポイントを凌ぎ、タイブレークを 18-16 という壮絶なスコアでものにして最終セットに持ち込む大激戦となったが、最後は鉄人・ボルグの前に力尽きた。(ウィキペディア参照 - ジョン・マッケンロー)
フェデラーは残念だったね。自分のパフォーマンスに満足しているんだろう、終わったあとは終始笑顔で観客の声援に答えていた。試合直後のインタビューでフェデラー、
It’s been a joy again to play here and I didn’t win it under the circumstances. But I’ll be back next year.
それを聞いた瞬間、思わず僕は Yeah! と叫んでいたよ。フェデラーは必ず来年も戻ってくる! 来年もこの二人の死闘がやってくるのだろうか?
それにしてもスペインにとってはいい夏になっている。先月は EURO2008 ・オーストリア / スイス大会 で優勝し、ウィンブルドンでナダルが優勝。先週から始まったツール・ド・フランスでもスペイン人が優勝すれば文句なしだね!
フェデラーにナダル、本当にすばらしい試合をありがとう! テニスの試合でこんなに感動するとは思っていなかったよ。
5 連覇中のフェデラーとの 4 時間 48 分にも及ぶウィンブルドン決勝史上最長の試合を 6-4,6-4,6-7,6-7,9-7 で制し、初制覇を成し遂げた。スペイン勢のウィンブルドン制覇は 1966 年のマニュエル・サンタナ以来 2 人目で、同一年での全仏オープンとウィンブルドン選手権連続制覇は 1980 年のビヨン・ボルグ以来 28 年ぶりの出来事である。優勝を決めた自身のサービスゲームでは、フェデラーのフォアを狙ったサービスや、それまで一度も使わなかったサーブ&ボレーなどの奇襲を駆使し、優勝を手にした。(ウィキペディア参照 - ラファエル・ナダル )
(写真提供 – The Official Web Site Wimbledon 2008 )
P.S.2008年7月27日
混戦の続いた今年のツール・ド・フランスも終わってみれば、スペイン人のカルロス・サストレが優勝していた。なんか理想どおりの形になってスペイン人は喜んでいることであろう。ラルプ・デュエズでのアタックは見事であった。
それにしても今年はマイヨ・ジョーヌがよく入れ替わったね。アレハンドロ・バルベルデ、ロメン・フェイユ、シュテファン・シューマッハー、キム・キルシェン、カデル・エヴァン 、フランク・シュレク、カルロス・サストレと7人もの交代劇があったのだ。それもツアー終盤まで優勝争いがもつれるという面白さもあって、十分今年も楽しめた。
ピレネー山脈といい、アルプスの山々、フランスの田舎にカラフルな各チームのユニホームがマッチする。色とりどりの集団が固まりになってかなりのスピードでフランスを駆け抜ける景色はどこか現代アートのような色使いでとても好きだ!
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