Book Review, Myself - Written by B-KOOL on 日曜日, 9月 21, 2008 1:11 -
アキハバラ@DEEP – 石田衣良
秋葉系、オタク、などに興味はあるけれど今は随分と遠いところにたっている自分が興味を持ってこの作品を読んだポイントはずばり、未完成な人間たちが繰り広げるドラマ模様である。
ほとんどの人間は未完成なんだけど、ここに出てくる人物のキャラクターはそれこそなんらかの障害というか病的要素をもっていて( 吃音、潔癖症、女性恐怖症、アルビノ )、世間からのコンプレックスを受け止めながらなんとか社会にアジャストしていこう、という感じの作品になっている。
別に病気を持った人が開き直って社会を見返してやる、というように肩肘張らなくて、もっとリラックスしながら、自分自身と特徴、つまり弱点が強みになるような要素を自分自身が受け入れて、普通に人生を歩いていけばいいのだけれど、実際のところとなると、日本の社会は他人の目が気になるから卑屈になってしまうのかもしれない。
アキラ、ぼくたち三人には確かに病気がある。今だって治せるなら、治したいよ。でもそれはなかなかむずかしいんだ。ぼくがユイさんから教わったのは、どんな病気をもっていてもかまわないから、どんどん生きてしまったほうがいいってことだ。
僕もそのように思う。今を嘆いて立ち止まっているよりも、這ってでもいいから前に進んだほうがいいに決まっている。そして少しでも自分の眺めがいいところへとポジションを移して行く、というような生き方は、多少の障害を抱えていようが、今の時代には関係のないことのようになっている気がするんだよね。
医療技術の進歩や、今北京でやっているパラリンピック( Paralympics )など、昔と比べたら、随分と開けた社会になってきたと思わないかぁ? 自分の殻に閉じこもることなく、自ら社会に飛び込んで、ありのままの姿を曝け出しながら生きてゆく様は、ちっとも異常なことなんかではなく、どんどんと前に出て行くべきだと思う。
乙武洋匡氏を始めてみたとき、僕は信じられない!と思ったけれど、あの人にしてみれば普通の感覚なんだと思う。つまりこちら、彼を見る側が意識しているから違和感を感じるわけで、そのような感覚は社会が成熟していって、人々の心のありようが豊かになれば、自然、普通の光景になるであろうことは予想される。
みんな誰かがやってくれるだろって、期待してる。誰かが世界をもっといい場所にしてくれるってね。でも今の世界を変えるには待っているのではなく、まず自分から変わるしかない。先に変われる人間がどんどん変わっていくしか方法はないんだ。
日本のほうが変化を受け入れることに対して過剰に反応を起こし、そのスピードがかなりの確立で落ちると思うけど、だからといって嘆いているよりは、自分のできる範囲で昨日とは違う自分、明日とは違う自分、今日できることから始めたほうがよっぽど近道だと思う。
不適応者
不適応者の群れが、新しい時代のチャンピオンになる。最弱のものが、つぎの世で最強に生まれ変わる。生物の歴史でも、ネットの歴史でも、進化の本質に変わりはなかった。
民主主義と医療技術の進歩が未熟児など、昔だったら死んでいたであろう新生児を増やしてきた。動物園の動物か人間以外にはありえないことであり、自然界に生きる動物の世界では当たり前のように自分の力で生きようと試みない生物はまず助からない。
長い進化の歴史を積み重ねたきた動物たちと同じような法則、つまり未熟児として生きてきた動物でも進化という過程、生き抜くための強みを身につけることができるとしたら、これもありえなくない話だと思う。
未熟児や身体や精神になにか障害を抱えて生きている人たちは、欠けているもの、自分に不足しているものを受け入れながら生きているんだけど、それがこれからは強みになっていくような気がしてならない。引きこもりなんかも、ちっとも後ろ向きになる必要などなく、今の複雑な現代社会においてどこか強みをもって生きられるような風向きに変わっていくような感じがする。
何かを欠きながら生まれてきた人
これは俺の経験から来てるんだけど、すごい奴っていうのはそいつに何か例えば才能みたいなのがぺたっとくっついているんじゃなくて、何か欠けてる場合が多いんだ。
俺が知っているのは野生動物だけど、鹿でも熊でもその山の主みたいに長生きしていてハンター達に姿も見せないようなすごいやつは、一度ひどい目に合ってることが多いんだ、片目の熊とかな、多いもんだぜ。
でも未熟児は山の主にはなれないだろう?
あ、それは無理だ。
俺がそう言うと、男は初めて笑った。
これは村上龍氏の作品「 愛と幻想のファシズム 」からの引用なんだけど、もしかしたら何かを欠いている奴らが活躍できるというか、生き生きとできる世界があるような気がしてねぇ。
もしかしたらネットの世界かもしれないし、これから起こるであろうと予測する超近代的狩猟社会かもしれない。近い将来にはきっと盲目も、難聴もなくなるであろう。精神的病も神経に遺伝子、脳レベルでの解析が進めば必ず、なくなっていくと思う。
身体に障害を持っていても同じ話である。腕がないとか足が不自由だとかいった問題も、銀河鉄道 999の話じゃないけど、限りなくサイボーグを受け入れていく技術の革新が起こると思う。
するとこれは僕の予想なんだけど、もともと何かを欠きながら生まれてきた人は、例えそれを技術的な要素で補っても、感覚としてきっとその人の深の部分には残るから、それらを補うためにある違う部分が普通の人よりも以上に発達する、というのはありえなくない話だと思うんだよね。
そうするとそのうち、何かを欠きながら生まれてきたほうが後天的に圧倒的に強くなる可能性がある、といったら話が飛びすぎかなぁ? そんなことをこの本を読みながら考えたよ!
セルゲイ・ブリンの試み
Googleのセルゲイ・ブリンは最近始めた自身のブログ(TOO ) でパーキンソン病になるリスクを高める遺伝子変異を持っていることを告白した。
「わたしは自分のいる立場に幸運を感じている。『青春の泉』でも発見されない限り、わたしたち誰もが年をとれば何らかの症状が出る。わたしたちはそれが何なのか知らないだけだが、わたしはほかの大半の人たちよりも、どのような病気にかかるか予測でき、それに向けて何十年も準備することができる」
グーグルは「 Google Health 」を立ち上げたことからもわかるように、テクノロジーの進歩を医学の分野で応用利用させようと必死である姿勢が伺える。
Google Health は、米国で年間行われる 20 億回の X 線検査、 6200 万回の CAT スキャンなどの健康データを、患者がオンライン上でアクセスできるようにすることを目指す。
将来的には、 Walgreen 、 Aetna 、 Wal-Mart Store 、カリフォルニア大学サンフランシスコ校、 American Heart Association 、 Quest Diagnostics 、 Longs Drugs 、 American Medical Association 、 Cedars-Sinai Medical Center 、スタンフォード大学 Lucile Packard Children’s Hospital など大規模病院、薬局、保険会社とも提携していく。
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