What's up, Japan?, アメリカの行くへ - Written by B-KOOL on 日曜日, 12月 14, 2008 20:24 -

寄りかかり体質の全米自動車労組とオフショアリングは避けられないビッグ3

ビッグスリー救済法案否決

Republicans, breaking sharply with President George W. Bush as his term draws to a close, refused to back federal aid for Detroit ’s beleaguered Big Three without a guarantee that the United Auto Workers would agree by the end of next year to wage cuts to bring their pay into line with U.S. plants of Japanese carmakers. The UAW refused to do so before its current contract with the automakers expires in 2011.

アメリカ合衆国上院 ビッグスリー救済法案を否決した、と聞いて正直びっくりした。世間一般の雰囲気に流されないというか、あくまでも客観的に現実的に本当にそのような救済が必要だろうか、もっと長期的な視野で見た場合、結局ビッグスリーはつぶれてしまう可能性のほうが高いのではないか? だとしたら今臨時に資金を供給することに意味があるのだろうか? というような視点から考察したのだと思う。

ワシントン D.C にあるアメリカ合衆国議会へプライベートジェット機で参入して顰蹙を買っていた経営者たちと同じような心持の人たちがいる。 United Auto Workers ( 全米自動車労組)といえばアメリカでは強力なユニオン、つまり労働者組合でここが得ている既得権益なるものの優位性を失うのは嫌だぁ、といっているのである。

来年の終わりまでには給料をカットして、せめて日本の自動車メーカー並みにしなさいよ、といっているのだけど、どうもこれらの労働者組合側には危機感というものがないらしい。あくまでも現時点の契約が切れる2011年までは変えたくないと。

ほとんどのアメリカ人が日本車の優位性を認めている現状の中、このように譲歩を提案してもあくまでも自分たちの既得権益にこだわる。破産法申請などして会社がなくなったら、今得ているものさえもなくなってしまう可能性もあるのにねぇ。

全米自動車労働組合

ビッグスリー崩壊He and other Republicans insisted that the carmakers restructure their debt and bring wages and benefits in line with those paid by Toyota , Honda and Nissan in the United States .

Hourly wages for UAW workers at GM factories are about equal to those paid by Toyota Motor Corp. at its older U.S. factories, according to the companies. GM says the average UAW laborer makes $29.78 per hour, while Toyota says it pays about $30 per hour. But the unionized factories have far higher benefit costs.

GM says its total hourly labor costs are now $69, including wages, pensions and health care for active workers, plus the pension and health care costs of more than 432,000 retirees and spouses. Toyota says its total costs are around $48. The Japanese automaker has far fewer retirees and its pension and health care benefits are not as rich as those paid to UAW workers.

だが、これらのデータは厳密には賃金ではなく、 ” 企業が労働者 1 人当たり・ 1 時間当たりに費やしているコスト ” である。実際の基本賃金(主に工場現場)は GM の場合で平均 30 ドル前後、フォードの場合で平均 29 ドル。日系メーカーの場合は 1 人 1 時間当たり労働コストは平均 49 ドル、うち基本賃金は 26 ド ル。確かに賃金はビッグスリーの方が高いが差はそれほど大きくない。労働コスト全体では 24 ドルもの差があるが、これは「退職者向けの諸手当」や「現役や退職者の医療コスト」の大部分を負担していることによるものだ。(追い詰められた全米自動車労組

アメリカのドライバーの運転技術は平均的にかなり低いと思われます

この69ドルと48ドルの差というか、正直 Toyota があのように素晴らしい自動車を作っているのに(レクサス所有者のアメリカ人ならばこのように感じるはずだ)、 GM ( ゼネラルモーターズ )は人件費を69ドルぐらいかけて正直デザイン(センスない!)も性能(燃費高い!)も Toyota に比べたら劣る車を作り続けているのである。これでは説得力がない。

今回の法案が否決されたことで、ビッグスリーは年を越せるのかどうかの瀬戸際にたたされてしまった。アメリカ合衆国議会は年明けの1月まで始まらないし、それまで持ちこたえられるのか?

アウトソーシングできるか?

ビッグスリーはナイキアップル社のようになったほうが良いのはないだろうか? つまりナイキやアップルのようにアメリカ国内に自社工場を持たずに海外へオフショアリングや アウトソーシングしてしまう。

IBM のように中国の会社、聯想(レノボ)集団有限公司に買収されたように、ビッグスリーも中国の自動車会社に買収されてしまう、というように大胆なことをやらないと生き残れないと思うけど、いかがであろうか?

かつて、 GM が順調であればアメリカも順調だといわれていた時代があった。いまでは、こう言い直したほうがいいだろう。「デルが順調であれば、以下の国々も順調だ。マレーシア、台湾、中国、アイルランド、インド・・・」現在、 HP は170カ国ほどで15万人以上の従業員を抱えている。世界最大の消費者向けテクノロジー企業であるばかりか、ヨーロッパ最大の IT 企業であり、ロシア、中東、および南アフリカにおいても最大の IT 企業なのだ。

HP の本社はカリフォルニア州パロ・アルトにあるものの、従業員と顧客の大部分がアメリカ人ではないのにアメリカの企業だといえるだろうか?

現在の企業は、たとえ所属する国がアメリカ合衆国のような巨大国家であっても、一つの国家に縛られた企業体として生き残ることはできない。ゆえに、そうした企業にどう対処するかが、現代の国家と国民にとって非常に悩ましい問題になっている。企業はいったい誰に忠誠なのか?

「アメリカ株式会社は、これまでずっと順調だった。それ自体は間違っていないが、アメリカはフラットな世界に合わせて調整することで成功してきたのだ」ヘッジファンド・マネジャーのディナカール・シンはいう。「できるだけ多くの切り分けた作業を、最も安くて有能なサプライヤーにアウトソーシングすることで成功してきた。デルがコンピューターの部品すべてを中国沿岸部で製造し、アメリカ本土沿岸部で売ることができれば、デルもアメリカの消費者も利益を得る。だが、その場合、アメリカの労働者が利益を得ることは難しい」( フラット化する世界 トーマス・フリードマン

中国の自動車会社

自動車産業もその内アメリカ国内の IT 企業のような体質に変わらざるを得ないだろう。中国がアメリカについで次の車社会となる傾向はもはや確かな真実であることからも、ビッグスリーはIBM のように中国の自動車会社に買収される、ということがありえないとは言えなくなってきている。

ヨーロッパやアメリカで一人雇うのと同じコストで、優秀な研究員5人を中国やインドで雇えるとしたら、私なら5人を雇う。その結果、私が所属する社会から将来的に技術が失われることになったとしても、それはしかたがない。

企業とその母国の2者の利益を合致させるには、大きくなったグローバルなパイの一切れを要求するだけでなく、新たな一切れを創出できる知力を備えた国民を抱えるほかに方法はない。( フラット化する世界 トーマス・フリードマン

トヨタの学び―日本から中国へ個人が手厚い保護の下、寄りかかりの体質になってしまい、現在の社会が激動期を迎えていてもそれにアジャストしていこうと試みるのではなく、守りの姿勢に入ってしまうのはわからないでもない。

長期的に見た場合、進む方向性はわかっているのだから、今痛みを受け入れるか、または今受ける小さな痛みを先延ばしにして、将来大きな痛みとして避けられないぐらいのショックとして受け止めるか?

アメリカの地形が自動車技術の改良を妨げた?

車社会といわれるアメリカだけど、どうしてここまでアメリカの自動車会社が困難を招いてしまったのか? その分析を冷泉彰彦氏:作家(米国ニュージャージー州在住)が発信した『 from 911 / USAレポート』第387回、「日米自動車戦争の終結」の中で詳しく指摘してくれている。

「日米自動車戦争の終結」

経営陣の質と組合との歴史的経緯、この二点以外にもデトロイトの「敗戦」に至った構造的な原因はたくさんあります。まず、指摘できるのは、アメリカという風土の問題でしょう。広大な北アメリカ大陸は、確かに膨大な自動車の需要を生み出したわけで、正に20世紀の初頭に「流れ作業による内燃機関を使った移動車両の大量生産」という文明がこの地でスタートしたのは当然だと言えます。ですが、この広大な北アメリカ大陸には特徴があります。それはプレーリー(大平原)からグレートプレーンズへと続く巨大でフラットな空間を持っていたことです。

この地域の「平べったさ」は昼間の大陸横断便などで上空から見ると良く分かりますが、本当に平らなのです。そのために、開拓の時代から農地開発も、都市開発も碁盤の目に沿った形で進めることができています。アメリカの地図を見ますと、この中部に関しては州境も、郡や市町村の境界も、そして高速道路網も全て碁盤の目になっています。その整然とした幾何学模様を見ていますと、この地で自動車による交通が発達したのは至極当然に見えるのですが、実はそこには大きな弱点がありました。

それは、西部山岳地帯とアパラチア以外のアメリカの道路は、どこまでも真っ直ぐで真っ平らだということです。その結果として、アメリカには「ヘアピンカーブの連続」や「軽快に駆け抜けられる中速コーナー」などというものはほとんどないのです。ですから、ハンドルを回すのは車庫入れや駐車(それもだだっ広いので日本や欧州のような微妙なテクは不要です)と交差点の右左折、インターチェンジの出入りだけ。つまり、タイヤが外へ行くような遠心力を感じながら、あるいはタイヤがそれに耐えられずにクルマが内側に滑りそうなカーブをどう曲がるか、という問題はアメリカのドライビングにはないのです。

アメリカ国土が抱える単純な地理的理由から高度な技術を必要とする消費者のドライビングテクニックの向上を望めなかった、という指摘は新鮮さがあった。なるほど、とうなずけたのだ。

僕の経験、アメリカ横断旅行

GM が順調であればアメリカも順調だといわれていた時代があった

日本はアメリカに比べると国土が狭い上に山あり川ありといったように地形の起伏にい富んでいる。

しかし、アメリカへ旅行して実際に都市部を除く郊外などを自分で車を借りるなどして運転した方なら気づいたと思うけど、印象と言えばアメリカで運転して見える景色はひたすらただぴっろいのである。

景色が変化しないから眠くなることもあるだろうし、その内同じような景色を見ている性で目が錯覚を起こしスピード感覚がなくなってくる。どんどん加速してしまうのだ。

ここで説明しているグレートプレーンズを実際僕は20歳のときに、一人アメリカ大陸横断を東から西へと試みた際に経験している。テネシー州メンフィスに一泊した後、街沿いに流れるミシシッピ川を越えるとそこには広大な平野がニューメキシコ州を縦に縦断するロッキー山脈にぶつかるまで続いていた。

僕はメンフィスの後、オクラホマ州オクラホマ市に途中一泊、次の日ニューメキシコ州アルバカーキーに入るまで2日間かけて広い平野、グレートプレーンズを走り抜けたのだ。

遠くのほうの空が真っ黒だなぁと思ったら、その暗闇へとハイウェイは飲み込まれていき、集中豪雨の中を潜り抜けたと思ったら一気に空には爽快な青空が広がり、遠くのほうに黒い粒粒の集団があるけどなんだろうな、と思って近づいていくとそれは牧場の牛の大群であったり、小さなビル群の集団が見え始めては街が近づき、その街を走り抜けてはまた平野に戻るという繰り返しであった。

地平線360度平坦という経験をしたのもテキサス州内であったし、遠くのほうに山脈が近づいてくるなぁ、と思ってその山脈を越えて山の向こう側に出るまで平野は続いていたのだ。丸2日間、毎日8時間ぐらい走っていたと思う。

クルマが鉄道を滅ぼした―ビッグスリーの犯罪ちょっと話が横道へ行ってしまったね。行ってしまったついでに言うと、僕がアメリカへ来た頃の自動車免許の路上テストなんて、ちょー簡単。

車にキーを差し込んで安全確認をして発進、2斜線道路を走ってレーンの変更を行い、普通の道路へ戻って3点ターンを実技演技で終了するとお終いという内容であった。1ヶ月もかかっていないし、その日の午前中に筆記テストを受けて、午後に実演を披露、15ドルばかりを支払ってその日のうちに車の免許を取得した(ってこれ書いたら怒られそうだけど、1988年、当時のノースカロライナ州での体験です)。

アメリカのドライバーの運転技術は低い

また、アメリカの道路は警察力で治安が維持されています。一方で銃が野放しということもあって、高速道路を速度制限以上で暴走するクルマというのは「銃がらみの犯罪に関係して逃走している」というイメージにつながるわけで、厳重な取り締まりの対象になりますし、他のクルマも怖いので通報したりします。そして速度制限は低めに抑えられているので、全体的にクルマの流れは欧州や日本と比べるとスローです。ですから、クルマの高速性能も、急ブレーキの性能も余り要求されません。

こうした条件下、アメリカのドライバーの運転技術は平均的にかなり低いと思われます。オートマチック車が早期に普及したことから、マニュアル変速機を使える人はほぼ絶無、パンクしたクルマをジャッキアップして緊急用タイヤに交換したり、バッテリーが上がった場合に、他のクルマから電源をもらって始動したりという、日本や欧州では当然ドライバーに求められる動作もできない人が多いのです。恐らくは急ブレーキを踏んでのパニックストップの練習や、横滑りを回避するカウンターステアといった安全面での基本動作なども、ダメな人がほとんどでしょう。(『 from 911 / USAレポート』第387回、「日米自動車戦争の終結」)

雨の日や雪の日なんてそこらじゅうで車がスピンしています。特に僕がロサンジェルスにいた頃は楽しかったですね。ロサンジェルスは普段、雨なんか降らないからいざ雨なんか降ると大変です。ハイウェイには水はけが悪いから水溜りができます。そこへ雨の日の運転になれていない大勢のドライバーがスピンを見せてやる、とばかりに勢いよく走りこんできます。もうそこらじゅうで車がスピンしているんですね。

こちらが安全運転をしていても交通事故にあってしまう確立はアメリカ社会では多いのも事実。ステアリングを肩の力をいっぱいにして握り締め、前方の一部の視界しか目に入っていないだろう、というぐらいに前方だけに注意を払って運転しているドライバーばかりです。いつまでもウインカーつけっぱなしで走っている人も結構いますしね。

このような状態ですからアメリカではバイク野郎が車に巻き込まれる事故も多いのは想像できるでしょう、横に注意を向ける余裕なんてありませんから!

フラット化する世界での低技術者労働者の行くへ

単純なたとえで説明しよう。世界に国が2つしかないとする。アメリカと中国だ。アメリカ経済は100人。そのうち80人が高学歴の知識労働者、20人が低学歴の技術の低い労働者だとする。

さて、世界がフラット化し、アメリカは中国と自由貿易協定を結ぶ。中国には1000人いるが、アメリカより遅れている。だから、1000人いても、高学歴の知識労働者はアメリカと同じ80人しかいない。あとの920人は技術が低い労働者だ。

自由貿易協定を結ぶ前のアメリカ世界には、知識労働者が80人しかいなかった。いまは米中世界に160人いる。アメリカの知識労働者は競争が激しくなったと感じる。それが事実だ。

しかし自分たちが狙う獲物は、前よりもずっと拡大し、ずっと複雑になった市場なのだ。市場は100人から1100人に急増し、需要とさまざまな欲求もそれにつれて急増した。したがって、アメリカと中国の両国の知識労働者にとって損はない。

もちろん、アメリカの知識労働者のなかには、中国人との競争によって新しい知識労働に「水平」移動しなければならない者もいる。しかし、市場が大きく複雑なので、を高く保っていれば、まっとうな賃金がもらえる新しい知的職業がきっと出現する。だから、わが国の知識労働者のことも中国の労働者のことも心配しなくていい。彼らは大きくなった市場でうまくやっていく。

「心配いらない? どういうことだ」と疑問をもたれるかもしれない。「中国のその80人の知識労働者が、アメリカの80人よりもずっと安い賃金でよろこんで働くという現実にどうやって対処する? その差はどう解消されるんだ?」

一朝一夕には解消されない。だから、過度期にはアメリカ人知識労働者の一部が影響をうけるだろう。だが、その影響は恒久的ではない。

・・・中略

ただし、中国の低技術労働者920人とじかに競争しなければならないアメリカの低技術労働者20人のことは心配してほしい。彼らがそれまである程度の賃金をもらえた一つの理由は、高技術労働者に比べて人数が少なかったからだ。どんな経済でも、技術のいらない肉体労働を多少は必要とする。

今日、派遣をクビになったしかしながら、中国とアメリカが自由貿易協定を結ぶと、2国の世界で低技術労働者は940人、知識労働者は160人になる。誰にでもできるような仕事、容易に中国に移せる仕事をしているアメリカの低技術労働者は、困ったことになる。

それは否定できない。賃金は間違いなく低下する。生活水準を維持するか、上げるには、水平ではなく「垂直」に動かなければならない。大幅に広がった米中市場に間違いなく生まれる新しい仕事につけるように、教育や専門的技倆を高めなければならない。( フラット化する世界 トーマス・フリードマン

アメリカのビッグスリーだけの問題だと思っていると、アメリカにある日本の自動車メーカーはその内痛い目に合うであろう。

そして対岸の火事よろしく傍観しているであろう多くの日本人にとっても同じことが言える。

「アフリカで毎朝、シマウマが目を覚ます。一番足の速いライオンよりも速く走らないと殺されることを、シマウマは知っている。

毎朝、ライオンが目を覚ます。一番足の遅いシマウマに追いつけないと飢え死にすることを、ライオンは知っている。

ライオンであろうとシマウマであろうと変わりはない。日が昇ったら、走りはじめたほうがいい。」

シマウマもライオンも走り始めてしまったのだ!

救済と破綻のコスト比較

ビッグスリーと同じミシガン州に本拠を構えるコンサルティング会社、 BBK とその傘下のアメリカン・エコノミック・グループの 2 社が共同で、あるシミュレーションを行った。ビッグスリーに対する救済(つなぎ融資)に踏み切った場合とビッグスリーが破綻した場合の両方について納税者が負担するコストを試算したところ、「救済」の場合のコストは 164 億ドル、「破綻」の場合は 659 億ドル。「破綻」を選択することは「救済」の 4 倍もの コスト負担増になるという結果が得られた。そのリポートは 12 月 8 日に公表され、議会関係者にも情報が伝えられていた。

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    大橋一弘(1968年11月3日生まれ) 19歳で渡米、あれから21年が経ちました! ノースカロライナ、ロサンジェルスを経て現在ニューヨーク在住13年。ネットの世界でエッセイスト、スポーツジャーナリスト、写真家、小説家、起業家のステイタスを確立するため日々奮闘中。 続き・・・

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