What's up, Japan?, 今の日本って大丈夫? - Written by B-KOOL on 火曜日, 1月 20, 2009 14:21 -
激動2009年、経済の行くへ – 世界はどこへ、そして日本は
年明けの元旦の日の行われた NHK 討論会での議論は興味深く見させてもらいました。経済、外交、国内と3つの部門に分かれていてそれぞれ7人の論客をスタジオに招き、議論を繰り広げます。
竹中平蔵氏「危険な分かれ道」、岡本行夫氏「ポールポジション(競争のスタート位置)取りの時代」、八代尚宏氏「危機 = 改革」、金子勝氏「ブッシュ・小泉型からの脱却」、山口二郎氏「民主政治で社会を変える」、斎藤貴男氏「もう誤魔化せない年」、勝間和代女史「働きすぎをやめよう年」、などは各人が上げた今年のテーマというか印象となるキーワード。
僕は全体的な議論を聞いていて竹中平蔵氏と勝間和代女史が発する発言に多く共感しましたけど、この番組を見た方はどのように感じられましたか?
番組進行はまず経済のトピックから取り扱います。世界経済大混乱、どうする日本、市場原理主義、規制緩和、減税、個人と企業が自由に競争問われる市場原理主義、などのキーワードが紹介された後、 NHK が取材したビデオテロップが紹介されます。
アメリカのアッパーミドル
アメリカはカリフォルニア州、サンフランシスコ近郊のマウンテンハウスという場所が登場するんですけど、ちょっとしたタウンハウスのような高級感漂う感じの住宅用地が密集している場所といった感じでしょうか。
こういった場所は僕がロスアンジェルスに住んでいるときにも目に付きました。多分不動産開発業者などがある広大な面積の土地を投資用として開発、住宅などを複合的に構造した小さなコミュニティーみたいなものを消費者たちに提供します。
このような場所に入居できることイコール、アッパーミドル、という印象を自他共に与え、アメリカでは安全はお金で買うというように、小さく管理されたマウンテンハウスのような場所は外壁などで囲まれ、中の環境は安全性や衛生面などの運用管理が行き届いています。
番組での紹介の通り、そこには年収一千万円を越える人たちが入居していましたが、この金融危機のさなか、多額の借金を抱えた入居者の夜逃げが目立つようになっているそうです。玄関先のドアには水道料金の支払い要求のペーパーなどが挟まれています。
別にお金持ちだけが夜逃げしているわけではないんです、移民してきた貧しい人たちも自分たちも家を購入できるということで借金を抱え、その支払いが追いつけなくなり、メキシコなどの中南米から来たと思われる大量の不法滞在者も自分たちの国へ引き返している実態も存在します。
このような事実は結構地元住民、特に白人などからは歓迎されている節もあり、アメリカ人自身も苦しんでいる一方で、多くの不法移民が撤退することはいいことだ、という狙いはアメリカ政府が後押ししているんじゃないか、と噂されるほどです。
悪い借金 by 金持ち父さんの定義
話をマウンテンハウスに戻します。そこに3年前移り住んできたある夫婦の場合を紹介してくれます。バーナデッド・ワイヤーさんは夫と子供二人という家族構成で、敷地面積 725 平方メートル、11部屋もある自宅に住んでいます。
自宅は5000万円のローンで購入、他に投資用の物件としてローン4000万円を組みました。それらの家を担保に借金をして高級家具や4台のスポーツカーなどを購入することを繰り返していたそうで、倹約や貯蓄といった考えは全くと言っていいほど考え付かなかった、と夫のジョン・ワイヤーさんは語っていました。
仕組みはこうなります。ジョージ・ W ・ブッシュ政権の下、減税というシステムを多くの消費者は利用します。住宅ローンの返済した金利分が減税され、丸ごと戻ってくる(すごいですね!)、投資用に2件目の家を購入したときにも受けられる減税の仕組み。
こうなると住宅購入者は返済する金利分は減税され戻ってくるとわかっているので金利分だけとりあえず支払っていこうと考える傾向になります。金利が支払われて儲かるのは金融機関。金利分を高く設定して消費者が支払う減税となって帰ってくる予定の金利分を増やすには多額のローンを組ませればいいわけです。
購入した物件、投資した物件は上昇し続けますよ、というセールストークを信じて借金を繰り返します。その購入した物件が値上がりすれば、それを担保に多額のローンを組むことができますから、膨れ上がった金利分だけを返済、減税の対象となってもどってきたお金を大量の消費として浪費するわけです。金融機関としては金利分が即、収入になるとなれば、借金に対する減税政策、多くの金融機関の貸付競争の激化に繋がりました。
先ほどのワイヤー家の場合、結局借金総額は1億2千万円にも膨れ上がり、古今の金融危機のため、職を失った奥さんの収入は絶たれ、夫の収入だけではやりきれなくなりつつあるそうです。
多額のローンを返済するために物件を売却しようにも住宅価格が暴落、売れない状況が続いています。
マイナス成長へ
去年、8年前のアメリカ同時多発テロ事件以来、個人消費支出はじめてマイナスへ、 -1 %という数字をアメリカ経済はたたき出しました。
「 本当のお金持ちの戦略 – ウォーレン・バフェット 」の時書きましたけど、こういうときに本当のお金持ち、「金持ち父さん、貧乏父さん」のロバート・キヨサキ氏などは市場に出て行って投資に向けた動きを活発化させます。
“他人が強欲なときに臆病になり、他人が臆病なときに強欲になりさえすればいい。”とはウォーレン・バフェット氏の言葉です。
この現在進行形で進んでいる米国経済の行き詰まりは日本経済への打撃、直撃となり あのトヨタ自動車は59年ぶり赤字転落、日本の主要製造業に大きな影響を与えています。市場原理主義、規制緩和などを進めた日本の形が非正規雇用、失業者8万5千人(去年10月から今年3月)という数字で現れています。
市場原理主義を見直す動き
アメリカでは社会保障、教育の充実があげられ、道路や学校の修復に2兆3千億円の投入が見込まれ、これにより300万人の雇用創出へということを目指しています。
環境、エネルギーの分野にも力を注ぐ方針で今後10年間で14兆円の投資計画。カリフォルニア州にあるバイオ燃料会社社長のリサ・モルテンソン女史などは環境ビジネスへの投資が活発化するとの見通しを立てているようです。
オバマ次期大統領、経済ブレーンの一人、ロバート・ライシュ教授は次のように語っていました。
ブッシュ政権では、一部のエリートに富が集中し、経済成長は非常に狭い範囲に限られ限界に来てしまいました。オバマ政権はこれを一変します。学歴や収入などを問わず、より広い層の人たちを底上げすれば、経済はもっと大きく成長するのです
市場原理主義、見直すべきか?
ここからスタジオでの議論が始まるんですけど、僕が印象に残っているのはやはり竹中平蔵氏と勝間和代女史の意見です。二人に共通しているなぁ、と感じた部分は二人とも現実に起こっていることを程よく把握しているなぁ、ということと、それを踏まえたうえでだから次に進むステップとしてこういった感じの方向性に行くべきなんだけどなぁ、という枠組みがしっかり構築できている点だと思われます。
竹中平蔵氏曰く、新しいルール作りが必要であり、新しい金融技術などの市場の活性化などは今後も利用すべきであるけれど、それらが暴走するのを防ぐルールをきちんと決めて実行していくべき、というものでした。
経済はこれからも大きくなるし、そこでの仕組み作りをしようではないか、反省、理論、理想よりもこれからどうするのかの議論が必要なんです、ということを力説していました。
勝間和代さん曰く、改革は頻繁に行われないといけない、 Innovation 、適度な社会システムの変化適応などのキーワードを示し、高齢者政策ばかり、若い人が社会の変革に絡んでこないといけないとも語っていました。
世界で54位とは日本のジェンダー・エンパワーメント指数であり、世界で98位とは日本のジェンダーギャップ指数だそうです。女性の社会参加の度合いを示す数値となっており、高齢の男性人が英語でいう社会のいたるところで Decision Maker であると。この二人が示した部分には共感しました。
他の先生方のいうことは一旦、今までの状況、こうなってしまった現状をみんなで整理、把握して、じゃ、こうこうこういう理由だからこちらの方向へ進んでいこうよ、といった一回進む前にクッションを置こうとしている点にじれった差を感じました。
ここがいけない、ここが悪いんだ、というのは結局のところ揚げ足取りをお互いが行っている感じで、じゃ、その人の主張通りあなたのほうが正論です、となってもどうしても勢いがそこから生まれないような気がするんですね。
間違ってもいいから、失敗してもいいから、とりあえずやってみろ、というのがアメリカ型とかいったらなんでもかんでもアメリカの後追いしていたから今回のようになったんじゃないかぁ、といわれそうですけど、こういうところのいいところは現状を破壊、新しいものに変えていくイノベーションが生まれ実行を遂げていくエネルギーはこちらのほうが生まれやすいというところでしょうか?
文化といわれてしまえばそれまでですけど、変化を期待しない、変化のスピードが遅い、といった現状は慎重すぎる、一つクッションをおいてから安全が確認された上で前に進んでいく、といったスタイルの日本社会であり、そうしてみてみるとアメリカのいいところと日本のいいところのおいしいとこ取りをすればいいのでは? といった方向性も見えてきそうです。
地域社会の発達のために
経済特区を作ってそこは例外なくどんどん新しいことに挑戦させる、つまり実験的に新しい体制に合うものを試行錯誤させ、実証された時点で、マクロの部分に適応させていくというもの。思い切って北海道と沖縄の両県を経済特区として指定してしまってはどうでしょう?
大前研一氏も言っていますけど、北海道は時差を設け、1時間でも2時間でも本土の時間帯より進めてしまう。そうしておいてそこに金融機関を作り出し、日が明けてから最初にオープンするマーケットとして成長させてしまう。
中国やオーストラリアからの観光客が増えていることなどもチャンスです。新千歳空港などは国際空港として扱い、スイスのチューリッヒのように発展するチャンスがあるということです。沖縄もそうです。那覇空港を国際空港へとアップグレードさせてアジアにおけるハブ空港として発展させていく。
後、都市開発も活発に行い、アメリカのネバダ州ラスベガスやフロリダ州オーランドのようになれるチャンスは充分にあると思います。ご存知でしょうか? 沖縄は東京、神奈川についで県外から移動して住み着く県として第3位の位置にいるんです。
コンベンションセンターを作ってビジネスミーティングが盛んに開かれるような高級リゾートとして開発しても良し、カジノやウォルト・ディズニー・ワールド・リゾートのようなアトラクションを作っても良し(でも上海にディズニーランドができる計画ですから、他のものを考えないと)。
ゴルフやテニス、マリンスポーツの施設を充実させ、お年寄りが暮らせる施設も一緒に作る。フィリピンなどからも沖縄は近いですから介護の人材も頻繁に行き来できていいのではないでしょうか?
僕だったら沖縄にスポーツ施設を充実させますね。ジョギングやサイクリングコースを充実させ、野球場、サッカー場、室内、屋外を問わず、様々な競技場を充実させて、いろいろな大会を開く、または誘致する(国内だけに限らず近辺の中国から来てもらうとか)、モーターレースができるような場所を作ってもいいでしょう。
若者が来る、健康的な、スポーツ的なイメージを沖縄に持ってもらえば大勢の若者が来るのではないでしょうか? お年寄りが暮らしていける施設も一緒に充実させれば若者の活気に囲まれて気分的にも若返るかもしれませんし、何しろ気候がいいですからね。
学校などの教育施設も充実させて、英語、中国語などの語学に力を入れる、 IT 始めとしたテクノロジーの分野に力を入れる、ファイナンシャル IQ のようにお金に関しての教育を充実させていく、音楽や芸術などの分野でも充実した施設が利用できるように仕向ける。
こんな風だったら僕が将来、日本へ帰っても東京には住まないで沖縄へ移住してしまうかもしれません!
話を NHK 討論会へ、元に戻します。外需と内需の問題も指摘されていましたけど、外需産業10%、例えばトヨタ自動車などに代表される自動車産業やソニーなどのエレクトロニクスの分野(輸出をして儲けている)が、内需産業90%を食べさせている、という現状を何とかしないといけません。
日本はどの産業を成長させて、食べていこうとしているのか? こういったことの意見や方向性が女性や若年層から上がってこないといけないんですけど、みんな、「わかんない、めんどくさい、関係ない、しょうがない」といった感じで考えようともしないように見えるんですけど、本当のところはどうなんでしょうか?
日本的福祉システムの終わり
法人税を低くする、そうしないと企業は海外へで出て行ってしまう、とは竹中平蔵氏。
今のような状況になると、必ず「企業は景気のいいときもうかったのだから、内部留保を取り崩して雇用を守れ」という話が出てくる。こういう精神論は、企業が労働者のセーフティ・ネットになっていた日本的福祉システムを前提にしているが、そんな構造はとっくに崩壊しているのだ。日本的経営の典型と思われているトヨタも、すでに海外生産が国内生産を上回った。
こういう状況で製造業の派遣を禁止したら、派遣労働者は間違いなく失業者になる。不況で労働需要が急減しているので、企業が正社員を新たに雇用することは考えられない。人手が足りなければ、海外にアウトソースするだろう。円高も進んでいるので、今後も雇用規制が強まることが予想されれば、海外生産にシフトする。つまり派遣規制の強化は「空洞化」を促進するのだ。
中略・・・
会社が年金や社宅まで丸抱えで世話する日本的福祉システムは、企業がグローバル化した現在では、もう維持できないのだ。ところが派遣村の人々が求めるのは、「派遣を社宅に入れろ」。こういう古い発想では、今はマスコミにちやほやされるかもしれないが、そのうち彼らも雇用問題には飽きるので、忘れられるだろう。
企業に依存した福祉システムが崩壊し、「すべり台社会」になったという湯浅誠氏の問題提起は正しいのだが、その流れを止めることはできないし、社宅や生活保護を求めても本質的な解決にはならない。解雇規制を撤廃して労働市場の柔軟性を高めるとともに、再教育システムや雇用データベースの整備などによって労働者が動きやすくするしか道はないだろう。(日本的福祉システムの終わり – 池田信夫 blog)
雇用不安、元区は?
セイフティーネット( 生活保護)をどうする? といった議論もされていましたけど、ネット上ではベーシックインカム( 最低限所得保障)、というアイディアも上がっていました。
オランダ型労働システム
雇用問題はワークシェアリングという方向性に向かっていくのではないか? という気がしています。
ワークシェアリングとは、従業員同士で雇用を分け合うこと。各々の労働時間を短くする時短によるのが典型的な方法である。
ワークシェアリングは、IRSによれば、以下の六類型にまとめられる。
- 週当たり労働時間の短縮による雇用創出
- ジョブシェアリング
- 早期退職措置としてのパートタイム化
- 自発的パートタイム化
- 連続有給休暇時の代替要員
- キャリア・ブレーク時の代替要員
- 雇用維持型 - 不況などで企業の業績が悪化した際に、一人当たりの労働時間を減らすことによって企業全体での雇用を維持する。典型例にドイツがある。
- 雇用創出型 - 様々な業務ごとの短時間労働を組み合わせることによって、雇用機会を増やす。典型例にオランダがある。 80 年代前半の失業率 12% は、 2001 年には 3% を下回るまで低下している。
1970 年代でのオランダでは製造業部門で生産性の伸びを上回って賃金が急激に上昇し、競争力が失われた。 80 年代に入っても不況と物価上昇は改善されず、失業率の上昇と社会保障支出の増大が発生した。このような当時の経済状況は「オランダ病」と呼称された。
ワッセナー合意以降、パートタイマーの比率が 83 年の 18.5 %から 2001 年には 33.0 %に上昇し、失業率は 2001 年には 2.4% まで下落、実質 GDP の伸び率も 2 ~ 4 の安定成長を実現した。他方では生産性上昇率の伸び率が低く、物価は上昇傾向にある。このため生産性の改善が課題となっている。
日本においても平成不況のおりに政府が解雇を避ける目的で推奨したが、政府の基準レベルで実施されたのはゼロ件であった。日本におけるワークシェアリング導入には、サービス残業の抑制による労働時間の観念の明確化、フルタイムとパートタイムの差別の禁止、業務領域の明確化が課題となると指摘する声もある。
いわゆるフリーターやパートタイム労働者ら非正規雇用者への待遇改正にしても一部雇用対策法が改正されたにとどまり、労働市場全般に亘る対策は十分ではない。日本でワークシェアリングを導入している自治体をあげると大分県姫島村などがある。
大量の派遣切りで雇用問題が起こった2009 年1 月 6 日に日本経団連の御手洗冨士夫が「ワークシェアリングも一つの選択肢で、そういう選択をする企業があってもいい」と発言した 。しかし、御手洗自身が会長を務めるキヤノンが自ら導入するどうかに関しては、未だにコメントがない。
「金持ち父さん、貧乏父さん」の著者、ロバート・キヨサキ氏の本の中に「キャッシュフロー・クワドラント」について書かれたものがあります。ここのアイディアが参考になると思われます。
つまりオランダ型の労働方式導入、週4日は仕事、従業員として働きます。 Employee の E からの収入。そして残りの3日は、 Small Business Owner や Specialist と S のクワドラントからの収入が上がることに費やしたり、または Big Business Owner 、つまり B のクワドラントからの収入が発生するように時間を費やす。 I としての Investor つまり投資家としての収入を得られるように努力する、というものです。
Employee としての、従業員としての一つの収入源だけ、という形ではこれからの自己責任型社会においてはサバイバルしていくのが益々難しくなるような予感がしますが、いかがでしょうか?
「金持ち父さんのキャッシュフロー・クワドラント
」の本、オススメです!
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Tags: NHK特集, ワークシェアリング, 日本の若者
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