Life Style, Myself - Written by B-KOOL on 日曜日, 3月 29, 2009 1:54 -
物書き冥利に尽きるまで
ブログの空間
自分が次の朝、何かをすることを待ちわびるとしたら何か? ということを考えたとき今の自分だったら物を書くことではないだろうか、とおもい始めたのは2009年始め頃のことではないだろうか。
ブログというツールを利用することにより誰でも自分の思いを発信することができる世の中になったのはなんという幸運だろう。人はそれぞれ何かを表現したという欲求があるとしたら、それはある人にとっては音楽であったり、絵を描くことであったり、スポーツだったり、またはビジネスだったりとそれこそ十人十色、人それぞれだと思う。
それが僕の場合は物を書く、ということなのかもしれない、いやこのスタイルが一番僕にぴったりとくるのだ。だからこのブログの空間は、僕の個性がたくさん詰まっている。そんな雰囲気をさりげなく楽しんで、訪れてくれる人たちの生活のリズムに小さな刺激を与えられればと思っている。
What’s up, Japan ?
エッセイ、インタビュー。日本は僕にとって永遠に故郷。故郷日本を愛するがゆえにまた批判もきつくなってしまう。海外で生活することによって見えてきた日本の良さと悪いところ。僕にできることは一つの考え方を皆に伝えることぐらい(父方の先祖が海援隊だった影響があるかもしれません)
So What? – dedicated to all athletes
スポーツエッセイ、取材。海外に日本人のスポーツ選手が出るようになって見えてきた日本人の本当の実力。海外で生活する者にとっては、その各選手が活躍するだけで明日への生きる勇気を与えてくれる。美しきアスリート達の人間模様を伝えたい
Book Review
作家はあれこれと頭をひねって、さまざまなテーマで小説を書く。でも、究極の理想は日百冊の本を書くことではなく、「旅する本」のような一冊を仕上げることなのではないか。誰か一人の読者の心にしみとおり、その人を深く目覚めさせる小説。たくさん売れるのもめでたいけれど、そんな作品こそ理想なのだ。 - 石田衣良
Entertainment
普段は出不精な僕がカメラを手にしたことによって外に出かけるきっかけをつかむ。日本にいながら異国の地の風景を写真を通じて膨らませていってほしい。ニューヨークといわず、地球を舞台に歩き回ろうではないか。世の中広いぜー
小説 – ショートストーリー
居心地の良い場所、紙一重、異質、十人*色(人間観察記)
ブログのタイトル
物書き冥利に尽きるまで、というタイトルをつけることにした理由にはある本の中のエピソードによるところが大きい。それは落合信彦氏の「狼たちへの伝言3」の最初のエピソードの部分に書かれていた。
狼からの手紙
オレは感激しやすいたちだが、最近、特に感激したことがある。ある読者から手紙がきた。その男は元やくざだったという。
素直な字で次のようなことが書いてあった。「一年前、先生の本に出会えてからというもの、それらは私の内面に大きく影響し、私の人生を大きく変えてくれました。それらは私の血を沸かせ、肉を躍らせ、睡眠不足に落とし入れたうえに、殴りつけ、そして大きな世界があることを教え、夢と希望を与えてくれました。昨年の6月末、私はそれまでの人間関係といっさいの収入源を捨て、やくざから足を洗いました。
「自分を追い込み、血を流すことを恐れるな。血の小便をし、反吐を吐くことをためらうな」この文を何度も涙して読み返し、勇気付けられた私は、肉体労働を始めました。先生によって、人を傷つけて生きることの虚しさ、人を感動させて生きることのすばらしさを知った今、私の中で愛する人々が増えつつある今、昔の生活に帰ろうなどとは全く思わない。
物書き冥利に尽きるとは、まさにこのことだ。同時にオレは思った。この男は本当の勇気を持っていると。長年どっぷりとつかってきたぬるま湯から飛び出して、人生を180度変えるのはなまやさしいことじゃないし、彼のこれからの人生は決して甘くはない。いろいろな障害にぶつかるだろうし、挫折にも遭うだろう。
だが、こいつなら生き残れるという感じを、オレは彼の文面から感じ取った。それにしても、オレは改めて活字の力の凄さを感じさせられた。こんなに人の生き方に影響を与えられるんだから。(狼たちへの伝言3)
ここまで自分も落合氏のように他人の人生に大きな影響を及ぼすことなどできるはずはないけれど、それでも自分の中に生まれる書きたいという欲求や、伝えたいという願望を抑えるよりはせっかくブログという伝達できる媒体が自分でも利用できるということで誰が読んでくれるかわからないけれど、このようにして発信し続けているというか、今後も発信していこうという気持ちには今のところ土台となる軸がぶれる様子はない。
物書きとは?
元々物書きとか作家というのはどういう仕事なのか、ということで非常に参考になったのが村上龍氏が書いていた、世の中の出来事を作家は翻訳することが仕事だ、というようなことが大きな刺激となった。つまり歴史家が歴史を振り返ってその時代の様子を現在に、また未来へと伝えていこうとする作業のように世の中の出来事を物語風にというか、ある感覚を持って、この場合、鋭い洞察力だったり観察力、社会科学に行動心理学などの叡智を駆使しながら社会を読者という視聴者にわかりやすく翻訳していくこと。このような大仕事が作家の、物書きの役目なのではないかと自分なりに定義するようになった。
本との出合い
本を読むようになったのはいつのことだろうか? 振り返ると小学校高学年の5年生ぐらいだろうか? 国語が苦手だった小学校低学年の頃、本を読んだという記憶が余りない。きっかけは小学校5年生の時、クラスの男子の間で流行っていた「江戸川乱歩シリーズ」に出会ったのがきっかけであったと思う。
あの頃、クラスでどれだけシリーズの本を読んだか、ということが話題になり、競うようにして自分はこれを読んだ、あれを読んだと図書室で「江戸川乱歩」の本を借りてきては読者カードに自分の名前を皆、記して言ったのである。ここで僕も夢中になった。小学校5、6年の間、密かにモテた僕は誕生日のプレゼントに何が欲しいのかクラスのある女の子二人の尋ねられたとき、今思えば全くロマンチックでない返答をしていた。
「大橋、誕生日のプレゼント、買ってあげるから何が欲しいのかいいなさいよ!」
「えっ、じゃぁ、江戸川乱歩の本!」
「・・・・・」
当時の僕はそれほど「江戸川乱歩」の本に夢中になっていたのだろう。親にもせがんでドラえもんの漫画以来となる「買ってぇ」を連発したのである。しかし、中学、高校では部活に明け暮れ、疲れて帰宅する自分はもっぱら制服を着たまま寝てしまうという生活スタイルを続けていた。
ホットドックプレスにGORO
しばらく読書から遠ざかっていた、すなわち勉学から遠ざかっていた自分が活字に夢中になるのはあることがきっかけだった。
高校生ともなるとエッチにも興味を持ち出すし(ちょっと遅いか?)、比較的自由に行動できるようになるので、その頃の僕の日課といえば、夜中に近所の友達、もしくは一人で深夜のコンビニへ行ってぶらぶらと雑誌を立ち読みすることだったのである。
もちろん、その中には「スコラ」や「GORO」なども含まれていた。そこで偶然であったのが「GORO」に連載していた落合信彦氏と「ホットドックプレス」に連載していた北方謙三氏であった。特に落合氏の「狼たちへの伝言」には衝撃と大きな刺激を受けたことを覚えている。
雑誌をいずれは捨てるのだが、落合氏の連載だけは切り抜いてファイルにして取って置いた。そのファイルは僕のアメリカへ向かわせる原動力となり、留学してからもノースカロライナへそのファイルを持参。自分のエネルギーの糧として利用し、多くの友達にも読む機会を与えたりしていた。まだ「狼たちへの伝言」シリーズが本として出版される前の話である。そしていざ、「狼たちへの伝言」が出版されることになり、今とは違ってアマゾンとかないので(インターネットも)日本から送ってもらい、その本の中の前書きの部分に出会うのである。
考え抜くことに大切さ
こうしてみると物書きとしての読書量はやはりまだまだ少ないといわざるを得ない。速読ができるわけでもないし、意識して早く読むようにしてはいるものの、僕の読書量などタカが知れている。でも物書きとしてのステイタスを確立するためには死ぬまで勉強ということを自分に強いていかないといけないと心得ているし、知的向上心はその点、人一倍は強いほうだとおもうので読書が自分の生活スタイルの中から消えてしまうことはないであろう。
ではどこで物書きの先輩たちに追いつき追い越すことができるのかといったら、僕は密かにその個人がどれだけ考え抜いたか? ということに大きな差が生まれると確信している。考えるではない、考え抜くのだ! この考えを強く意識するようになったのはある人物についてのエッセイを書いているときであった。
羽生善治氏始めとする棋士たちのすごさ!
アメリカで見ることのできる「TVJapan」というプログラムで今年の元旦に放送していた「100年インタビュー」。そのときの人物は将棋界の伝説、羽生善治氏であった。この人のインタビュー内容を書き写し、まとめて行くに当たってその話す内容が濃すぎて非常に苦労するんだけど、ここで羽生氏始めとする棋士たちのすごさに始めて気付いた。
すごいんだよ、その真剣勝負という、普通ならフィジカルを想像してしまう世界を、知という世界、つまり考える聖域の場所で己の叡智を使って正に真剣勝負、昔でいったら武士同士の剣による真剣勝負のような戦いが、将棋という盤の上で展開されているすごさに気付いたのである。
すごいよ、本当にプロの棋士というひとたちは! 思考というものがこれほどまで攻撃となって相手を負かすことができるのか、という人間の創造力というものに恐れおののいた。考え抜くということに徹していたというか、そのレベルが半端じゃないのだ、わかるだろうか? いや実際に将棋を行わない僕には想像などできようはずがない。
しかし、あの棋士たちからあふれ出る思考という巨大なエネルギーなら感じることができた。この考え抜くという才能にすこしでも自分が近づくことができたらなぁ、という思いが非常に強く、これが僕の物書きとしての知的向上心の源になっていることは確かである。
活字の力
ジャーナリストとして、オレがものを書き始めたのは、11年前のことだ。デビュー作の「二人の首領」、そして「2039年の真実」。反響は、かなりのものがあった。だが、それまでアメリカでやっていたオイルビジネスに比べると、儲かる仕事ではないな、というのが実感だった。当たったところで数千万円。百万ドル単位の勝負をしてきたオレには、賭けとしても、面白味に欠けていると思った。
そのころ、アメリカ時代の仲間から、新しい仕事のオファーも入ってきた。書くのは辞めて、アメリカへ戻ろうと、半ば決心していた。それを、ある編集者に話したところ、彼はしんみりとした口調で、オレにこういった。
「落合さん、活字というものは、書くということは、他人の人生を決定する力さえ持っているんです。石油がいかに面白い勝負だとしても、活字ほど他人を感動させる力はない。辞めるのは、あなたの自由だが、それは活字の力を本当に知ってからでも遅くはないでしょう」
彼の眼からは、涙がこぼれていた。いまもオレがこうして書き続けているのは、その言葉に感じるものがあったからだ。そして、その”活字の力”を実感できる機会が間もなくやってきた。それは、22歳の若者から届いた、一通の手紙だった。汚い字だった。
「僕は、いま病院でこの手紙を書いています。体力がなくなるので、手がふるえて字がきたないのは許してください。・・・今の僕の楽しみは、あなたが書いたものを読むことです。僕は落合信彦が大好きです。ただそのことだけを伝えたくて、この手紙を書きました」。そんな文面だった。今までこんな熱烈なファンレターをもらったことはなかった。オレはすぐ返事を書き、新刊本にサインして、その若者あてに送った。返事はすぐ来た。だが差出人は若者の母親からだった。
「手紙を書いた数日後、息子は亡くなりました。落合さんからいただいた本を、胸に抱きしめたまま・・・」彼は癌だったのだ。残り少ない貴重な時間をオレへの手紙にあててくれた。あの編集者がいったことが、オレには痛いほどわかった。(狼たちへの伝言)
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Tags: 狼たちへの伝言
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