So What?, スポーツ他 - Written by B-KOOL on 金曜日, 7月 3, 2009 0:01 -

ツール・ド・フランス2009の見所

ランス・アームストロング

いよいよ今年もツール・ド・フランスが始まる。毎年のことだがこの時期、テニスのウィンブルドンが準々決勝、準決勝、決勝と盛り上がっていく中、フランスではわぁーい、ツールが始まるぞぉ、といった雰囲気で盛り上がってくる。

今年の見所はどこであろうか? やっぱりこの人の復活であろう。4年前に7連続ツアー総合優勝を果たして引退したランス・アームストロングが出場するのだ。今年の初めにはツアー復活を宣言し、それなりにトレーニングを積みつつ、徐々に試合勘とかを取り戻すためにいろいろなツアーに参加していた。

2月にツアー・オブ・カリフォルニア、5月にはジロ・デ・イタリアに参加。ランスが参加するというだけで話題になり、この7月のツールに照準を合わせているなぁ、と周囲を楽しみにさせていた。8連続総合優勝なるか、と噂されるランスであるが本人はいたって冷静。年齢的に考えても体力に限界があることを悟っているのか、ツアーに参加できていることをまず喜んでいるようだ。ジロ・デ・イタリアでも所属するアスタナ・チームのエースであるリーヴァイ・ライプハイマーのアシストに徹する形となり、自身は総合12位となる。

鮮やかな色彩のチームユニホームを纏った集団

今回のツールでも自分はアルベルト・コンタドールをサポートすると宣言している。まぁチームの状況から考えたらアルベルト・コンタドールが一番ツールで優勝する可能性があり、一番の実力者ということで彼をサポートしていく体制を整えるのは常識的なアプローチであろう。しかし、ランスは必ずどこかのステージでの優勝を狙っているはずだ。ここに注目してみたい。特に山岳地帯のステージで脅威的な強さを発揮するランス。彼のペダル上でのダンスを見ることが出来るか楽しみである。

ツール・ド・フランス7連覇において、2位との差は2003年にヤン・ウルリッヒと1分01秒差であったのを除けば、いずれの年も6分を超えている。これほど圧倒的な差がついた理由としては、トライアスリート時代の成績が証明するように、肉体的にずば抜けた素質を持っていたことに加え、生い立ちやガンとの闘病で得た強靭な精神力を兼ね備えていたことも大きい。

ランスの強みが最大限に発揮されるのは山岳ステージである。それまでの中心だった重いギアをゆっくり踏んでいくという走り方に対し、ランスは当時としては極めて小さなギア(フロント51T/リア12-23等)を選択し、ケイデンスを上げるという正反対の走り方でステージ優勝を量産。この走り方は、後にエネルギー効率や筋肉への負担軽減の点などからも正しいことが証明され、コンパクトクランクが普及するきっかけとなったが、たとえ同じ機材を使っていても、ランスが上り坂で勝負に出れば誰もついていくことは出来なかった。

2009 Tour de France山岳ステージで積極的にタイム差を広げる戦術は過去の偉大な王者たちには見られなかったもので、この点ではランスはいくら賞賛されても良い。

また、ランスは登り坂だけでなく、タイムトライアルにも非常に強く、多くのタイムトライアルステージで勝利をものにしているが、これはスポンサーのナイキがランスのために莫大な予算を投じて風洞を用いた空気抵抗の少ないフォームの研究やスキンスーツの開発を行っていたことも要因の一つと考えられている。

この他に所属していたUSポスタルやディスカバリーチャンネルチームが、ヨハン・ブリュイネール監督の元、ランスがツール・ド・フランスで総合優勝することに専念できるようなチーム体制を作り、維持していたことも要素として挙げられる。

アシストも他チームならばエースを務めるような選手がそろっており、タイムトライアルに強いビアチェスラフ・エキモフタイラー・ハミルトンが平地などで活躍。ケビン・リビングストン、マヌエル・ベルトランをはじめ、ロベルト・エラスパオロ・サヴォルデッリといった実力者が山岳での牽引役を務め、石畳などパンクが懸念されるコースでは、クラシックでの経験が豊富なジョージ・ヒンカピーが先頭を走る、という具合に全ての環境に対応できる重厚な布陣が敷れており、2004年のツールでもライバルと目されたイバン・マヨが、石畳のコースでアシストを受けられずに大きく遅れてしまい、優勝争いから脱落したのとは対照的であった。(ウィキペディア参照)

二人の日本人選手参加

他に注目しているのが日本人選手の参加という出来事。新城幸也選手と別府史之選手という一度に2人の参加というのはとても嬉しい。ツール・ド・フランスのオフィシャルサイトでも日本人選手2人の参加について触れており、近年日本でもロードレース (自転車競技)の人気が高まっていることなども紹介されていた。

This 96th edition of the Tour de France will be historical with the announced presence of two Japanese riders in the pack. Fumiyuki Beppu (Skil Shimano) and Yukiya Arashiro (BBox), are expected to take part in the event and become the successors to Kisso Kawamuro, who had tried his luck back in 1926 and 1927, failing both time in his quest to reach Paris.

Sixty years later Daisuke Imanaka, a member of the Polti team started the Tour and also never saw the French capital and its finish line. Since then cycling has continued developing in Japan. Letour.fr, based on this record number of Japanese riders, spoke to Tomoharu Masuda, general producer of the cycling section at J SPORTS that broadcasts the Tour since 1997.

フランスの田舎は美しい

ランス・アームストロング(写真提供AP)ということで今年のツールも多くの人に視聴してもらい、ツールの魅力に触れ、それぞれの戦いに歓喜してもらいたい。

フラットなステージではラスト2キロのところからバトルが始まり、最後の500メートル、いや300メートルを切ったところから始まるもの凄い格闘はとてもスリリングである。選手同士の駆け引き、驚異的なスプリントを仕掛ける選手たちの恐ろしいまでの集中力と爆発的なパワーを存分に楽しんでいただきたい。

山岳地帯ではスペインとの国境ピレネー山脈の山々やアルプスの山岳ステージでは山岳スペシャリストがものすごい集中力と共にペダルをこぎ続け、沿道に群がる周囲の声援を時には掻き退けるためのエネルギーとして、ときに自らを奮い立たせるためのエネルギー源として活用していく。、ツールマレー峠モン・ヴァントゥガリビエ峠ラルプ・デュエズ等が有名であり、このような山岳ステージでポイントを稼いだ選手が総合成績で上位に躍り出る。

後は、個人ステージで本当に強いのは誰か、という俺がこの大会総合優勝するに相応しい選手だぞ、と証明するステージ。チームのアシストもなし、あるのは自分自身と戦うのみという本当の実力が試されるステージ。ツアー後半の個人トライアルで優勝する選手がだいたいにおいてそのツアーでの総合優勝者ということが多いし、これで周囲も納得する大事なステージとなっている。

とにかくそれぞれのステージで、選手同士の駆け引きが行われているし、充分映像を通しても楽しめる。そしてツアー全体を通して体感することになるフランスの田舎の美しさ。

フランスの美しい田舎の中、鮮やかな色彩のチームユニホームを纏った集団が一定のスピードで駆け抜けていく景色は本当に美しい。それはまるで動く現代アートとでも証したくなるほどどの景色を撮っても絵になるのだ。

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    大橋一弘(1968年11月3日生まれ) 19歳で渡米、あれから21年が経ちました! ノースカロライナ、ロサンジェルスを経て現在ニューヨーク在住13年。ネットの世界でエッセイスト、スポーツジャーナリスト、写真家、小説家、起業家のステイタスを確立するため日々奮闘中。 続き・・・

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