So What?, Soccer - サッカー - Written by B-KOOL on 火曜日, 7月 6, 2010 21:35 -
岡田ジャパン、サムライブルー、日本サッカーのこれから
グループリーグでの結果に誰もが驚いた
今回の日本代表ほど大会前の予想を大きく裏切ってくれたチームはないであろう。直前に行われた4試合すべてに完敗してチームの膿を出し切ってしまったのが良かったのかもしれないが、誰もここまで楽しませてもらうとは思わなかったに違いない。
岡田武史監督の講演内容(岡田武史氏が語る、日本代表監督の仕事とは)がネットに公開されていたけど、これを読むとなるほど、と思う箇所が幾つかあり、あの4試合負け越したあとの決断は必然であったのか、結果論になってしまうがチーム力が付いたという点では評価できるのではないだろうか?
あそこまでチーム力がまとまってよくなったのはほとんど奇跡といって良いかもしれない! イタリア代表やフランス代表、イングランド代表までがチーム内での不協和音で取り乱し、チームの結束が本当に大事だ、ということの重要性を日本代表は2006 FIFAワールドカップですでに経験していた。
そして迎えたカメルーンとの大事な初戦でまさか(本気で勝てると思っていた人はどれぐらいいたであろうか?)の勝利。これは本当に大きかった! カメルーンが自滅したということもあったがこれも運、松井大輔からのクロスに落ち着いて対応した本田圭佑の実力。少し前の日本代表ならばお決まりの如くゴール前のチャンスボールもバーを越えて大きく外していたに違いない。少しは信じることができるようになった日本代表、海外組みが過酷な環境で様々な経験をしていることは大きい!
この初戦で勝ったことによりオランダ代表含む第2戦以降、日本有利の展開で迎える経験をしたことがかつてあっただろうか? この辺りの経験も一つ一つ、日本代表の貴重な情報として未来へ活かされていかなければいけない。4年に一回開催されるFIFAワールドカップとは大会に出場することはもちろん、出場して勝ち進むごとに得られる情報の質がこうも違ってくるのかと思うほど、関わっている人間性までも変えてしまうというか、きっともっと深いところ、DNAレベルの遺伝子に訴えるのだと思う! 日本民族がサバイバルしていくための貴重な情報としてである。
去年オランダと親善試合を実際に戦っていたことがここで生きてくるとは! 結果0対1で負けたにせよ、本気度満点のオランダ、FIFAワールドカップでのオランダとガチンコで勝負できたことは大きい。FWに魅力を感じない、攻めのできない日本、守備一貫の日本代表といわれてもそこまでが精一杯だったことを考えるとこれもまた小さな一歩、次に繋がる一歩だったであろう。FW、得点力、個人レベルで状況を変えることができる技術に精神的な逞しさ。日本代表に選ばれる人物が一番よくその辺りは把握しているはずだ。ファンは信じて待つ! あの4年前も惨敗した後、チームの崩壊を嘆いたではないか!
グールプリーグ最後のデンマーク戦。あそこまで楽しめた日本代表の試合を最近ではいつだったのか思い出せないほど。3対1、気持ちが良かった! 本田のフリーキックは彼の個としての強さがあの結果を生み出したといってもいい。
そして遠藤保仁のフリーキック。FIFAコンフェデレーションズカップ2003のフランスとの対戦で見せたゴールポスト直撃の遠藤のフリーキックを思い出した人もいたであろう。今回も見事なまでにキーパーの予測を裏切り、遠藤の描いたボールは奇麗にネットへ吸い込まれていった。
日本代表に負けたカメルーンもデンマークも最初からなめていたというか、まぁ大会前の4試合連敗という情報を元に戦術を考えるならば、眼中なし、日本戦でとりあえず勝ち点3を、と思われても致し方がないであろう。
決勝トーナメントでの歴史がない日本
2002 FIFAワールドカップのときにもホームの利点を生かして決勝トーナメントまで勝ち進んだが、あの時の日本代表はそこまで進んでいくことへの準備ができていなかったため、代表関係者及び応援していた日本国民までもグループリーグ突破、ということに全エネルギーを費やしてしまった感があった。
そうである、あのときの貴重な経験が今回も役に立っていたではないか! グループリーグ突破以降の目標がはっきりしていたため、代表関係者及び応援してた日本国民もしっかりとその余力というかパラグアイ戦へ挑む準備が精神的にもできていたのはちょっとした前進であろう。
しかしパラグアイのそれとはやはり日本のそれは比べ物にならなかった。パラグアイのFIFAワールドカップでの歴史は日本のそれと比べ物にならないぐらい先輩格である。両チーム、初のベスト8を賭けての戦いは悔しさの歴史がその国民のDNAにどれだけ刻まれているかによって決まると僕は思っている。
素直に考えればサッカーの神様が日本代表はまだ早いと判断したのかもしれない。90分戦い、延長30分、PK戦での敗退は貴重な情報と経験を日本代表にもたらした。
ベスト8でのスペイン対パラグアイの試合を観ただろうか? 本当に強いチームは延長という手段を選ばない。90分の戦いの中で必ず得点を決めてくる、というかそうなる状況を作り出すために全力をあげて攻めあがるのだ。延長戦でも決まらずPK戦、というのはドラマになるが実践的ではない選択肢であろう。そこまで行くと運になってしまうのでイタリア代表やイングランド代表のようにPK戦では勝てない、というジンクスを自ら背負ってしまうことになる。
日本代表、日本国民に必要なのは悔しさの歴史、悔しい体験をしたことが一人一人のDNAに刻まれ、この想いを晴らすことが驚異的な集中力を生み、日本人がFIFAワールドカップという舞台で素晴らしいサッカーを展開することに繋がるのだと思う。たかがサッカー、されどサッカー。世界中の国民を巻き込むスポーツイベントが他に存在するであろうか?
多くの日本の外で生活経験をしたことのない国民は世界ではサッカーでどれぐらいその国が強いか、ということが共通の話題になる、という事実を知らない! アメリカ人はサッカーを知らないので今のところ例外だが、それ以外のほとんどの国民、世界中の国民はサッカーの強い国イコール、あこがれの対象であり、羨ましがられるイレブンなのだ!
日本人はこれから好むと好まざるに関わらず、日本国外で生活する、日本国外のものが自分の生活の一部へ浸透してくる、という選択肢を選ばざるを得なくなる。クール・ジャパンとしていろいろ世界中から注目され始めている日本だが、サッカーが強い、ということも尊敬の対象となることを覚えていて損はしない!
本気度満点の舞台で戦えた貴重な経験
決勝トーナメントで勝つしか前に進めない、という状況で試合の経験をしたことは非常に大きい。ボールを廻せた場面、攻撃ができた場面、振り返ればもう少しあそこで、という機会は後々その個人の内部で大きくなるに違いない。
僕が一番大きかったなぁ、と思うのは世界にも通用する日本人の技術だと言っても良いかもしれない。
まだまだトラップにしろ、パスの精度にしろ、シュートにしろ世界のトップレベルと比べたら貧弱かもしれないが、デンマーク戦やパラグアイ戦を見る限り、今までの日本代表のように選手たちが縮こまっていただろうか? 外の要因に触れることで強いられる緊張や不安に対してビビっていただろうか? チームワークの結束も働いたことであろうが、一番の要素は自分たちで勝利を得たことによる自信を一人一人が感じることができた、これに尽きると思う。
中田英寿と本田の対談で両者が話していたことが本当ならば日本代表は練習レベルならば世界トップクラスだという。要はプレッシャーのない世界での話。しかしプレッシャーのかかった本気度満点の試合となると多分経験不足の違いで萎縮してしまう日本人。世界で戦える実力あるのに!
自分の実力にどのようにして閃くか?
サッカー以外でも今の日本ってそうなんだけど、日本人というか日本に関するあらゆる要素、もっと日本人って自信を持っていいと思うだけど妙にひねくれている感じを受けてしまう。
僕は昔このような経験をしたことがある。ニューヨークへ来たばかりのころ一時期、誠道塾へ通っていた。そこで発見したこと! それまでは誰か野郎と知り合って、そいつがボクシングでも空手でもやっていた、という話を聞いただけでビビっていたけど、実際にその世界に入って周りを見てみると自分って結構やれるんだなぁ、と思ったこと。実際空手をやっている8割は大した事ない! まぁそれなりに武道などに関する知識は付くであろうが、空手をやっている、と聞いただけでビビるに値しないのだ!
勿論本当に凄い奴というのも存在していて、それが全体の2割弱。こういう奴とはこちらも真剣に対処しなくてはいけなくて、この彼らの存在が自分自身をさらに強くする、一つ上へのステップへ登っていくきっかけになりうるので感謝する。
こういうことって今の日本代表、日本国内でいじけている日本人に言えないだろうか?! ビビる必要などない! 日本人はもっともっとできるのだ。要は経験がないだけの話。英語を流暢に操る外国人と接して怖気づく必要なし!
ただ日本人のそれは今までの英語教育に問題があっただけの話で日本人の実力から言ったら正しい対処法で英語などの諸問題にあたっていけばそこそこ行けるのだ! その中に存在する2割ほどの優秀な人間たちの中では真剣になって取り組んでいく。日本人も必ずやっていける。ただ経験がないだけの話だと思う!
チーム力
個の話はこれでいいとして、今回のキーポイントだったチームとしての完成度。2006 FIFAワールドカップで経験したチーム崩壊は無駄ではなかった!
後僕が感心したのが情報に関する日本代表の接し方。対戦相手しかり、会場となるスタジアムからそのほかありとあらゆる必要と思われる情報をチームにフィードバックさせる。外的不安をどれだけ取り除くことができるか、という方向性は間違っていない。
そして選手一人一人の体調面での徹底した管理。血糖値を毎日取り、個々の選手の疲労度などを管理、精神面でのテイクケアなど素晴らしいものがあった。スタッフも自信をつかんだ今回の大会だったのではないだろうか?
これからのサムライブルー
グループリーグ、決勝トーナメントと感動を与えてもらったにも関わらず、こういうことを書くのは非情だと思うがやはり感じるまだまだ足りない個の力。均衡した試合展開の中、個がその個人が持っている実力で自分たちが有利になるような状況を創っていく、手に入れていく、そしてそれが最終的に勝ちに繋がる、という状況までまだ行けていない。
守りを徹しても攻撃力を秘める力、オランダなど攻撃力のあるチームが無気味だと思うのは絶対になめたら大量失点を食らってしまう、というような潜在的なレベルでの恐れが存在するからだ! FW二人に中盤の一人だけで相手ディフェンスを翻弄してしまうような攻撃力を日本代表も持つことができるかどうか? 次のレベルに行くにはここの部分を強化しないと絶対に先へは進めないであろう。
本田が言っているではないか、若い奴はもっと世界に飛び出せと! 世界で戦える精神力、技術力は個人一人一人が変わってやる、という自発的な行為に包まれない限り誰も助けてはくれない。決断と決意、勇気に行動力が必要なのだ!(日本人がマイノリティーな場所で闘うことだけが個人を強くする)
そしてできる限り頑張っている個人には日本サッカー協会、スポンサー、政府が後押しをしてほしい。セルジオ氏と同じように僕も前から言っているがスポンサーだけを喜ばすだけのホームでの気合の入っていない日本代表の試合は意味がない! 日本代表と試合をしてください、とこちらから出向いていく姿勢を世界に示す。世界も、おぉ、日本はどうやら本気らしいなぁ、とこれで伝わるであろう。現在は日本へ親善試合しに行くのか、いいなぁ、適当にやってどれぐらいのギャラもらえるんだ、ときっと世界中の評判になっているはず!
ここで安全面、移動に関する様々な情報から現地での対策、経験などを積み重ねて日本代表の財産にしていく。代表に選ばれる選手にはこれら貴重な情報と、貴重な経験を自らに課すことができるということで嫌々代表にくる選手などは居なくなるはずだ。選ばれて海外遠征する、ということが特権になるぐらいの環境を日本サッカー協会は準備するべきであろう。
スポンサーも同じ金を出すのだったらもっと近視眼的に金銭を用意するのではなく、近い将来から未来の世代に希望を持たせる意味でも賢い大人の金の使い方をしていただきたい!
そして政府も観光庁だけに留まらず、スポーツ庁などを設け、日本の貴重な経済力がまだ余力を持っている間にそれら貴重な資源を日本人が勇気を取り戻すきっかけ、環境作りに投資していただきたい!
大げさになってしまったが、サッカーとはそれほどインパクトのあるスポーツであり、本気で取り組むに値するイベントなのだ!
最後に今回の岡田ジャパンに日本人としての喜びをありがとう、感動をありがとう、と! 批判的な意見は僕も随分書いてきました! (人材不足の日本サッカー界 – 本当に2010年南アフリカW杯に行けるのか?)、(FIFAワールドカップで優勝することのメリットを日本人は想像できていない)、(2010FIFAワールドカップアジア最終予選、日本対バーレーン)、(2010FIFAワールドカップアジア最終予選、日本対オーストラリア)
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Tags: FIFAワールドカップ, サッカー, サッカー日本代表
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