2014 FIFAワールドカップ準々決勝総括、闘うイレブンを観たであろうか?


2014 FIFA World Cup Quater Finals

2014 FIFAワールドカップ準々決勝総括、闘うイレブンを観たであろうか?

ループリーグ全て1位通過のチームが残ったベスト8。サッカー強豪国とはこういうことをいうのか、こういうサッカーをするところが強豪国としてトーナメントを勝ち進んでくるのだなぁ、という試合ばかりであった。戦う姿勢、諦めない姿勢、走り続ける姿勢、勝利を強く望む姿勢とどのキャラクターも今回のサッカー日本代表には持ち合わせていないものであり、テレビ観戦していて戦っているイレブンを応援する国々を羨ましく思った。

ドイツ代表1対フランス代表0

イツは4大会連続で準決勝進出ということだから凄い。4大会というと2002 FIFA ワールドカップ以来ということだから日韓共催のあの大会である。1986 FIFA ワールドカップではディエゴ・マラドーナ率いるアルゼンチンと決勝の舞台で戦い、若きマテウスはマラドーナのマークを任されていた。そのマテウスを中心にしてチーム作りを計り、1990 FIFA ワールドカップで見事優勝。決勝では先のメキシコ大会決勝で敗れた相手、マラドーナ率いるアルゼンチンであった。

そこからドイツは2大会連続で屈辱のFIFA ワールドカップを味あう。1994 FIFA ワールドカップでは、明らかに戦力が落ちたドイツイレブンを観ることになり、屈辱的な敗退とともに去っていった。1998 FIFA ワールドカップでも以前の強豪ドイツは蘇っていなかった。

この大会のドイツイレブンはどうだったであろうか? 私はバイエルン・ミュンヘンのサッカーを観ているような感覚に陥った。バイエルン所属選手中心に構成されたドイツチームはこのシーズンの欧州チャンピオンズリーグで準決勝まで行った構成イレブンを備えている。そこにアーセナルのエジルとレアルのケディラが加わったのだからチーム力が上がるのは言うまでもない。

FWをどうするのかなぁと思っていたけれど、ミュラーも調子がいいし、ゲッツェも得点を決めている。その上まだ代表でプレーしていたのかという感じのクローゼもちゃっかり得点を決めているのでチームバランスで言ったら決勝進出まで行く実力はどこのチームよりも持っているのではないだろうか。

準決勝で対戦するブラジルにドイツイレブンはリベンジの気持ちで挑んでくるに違いない。2002 FIFA ワールドカップでは決勝でブラジルイレブン、ロナウドにドイツイレブンはやられてしまった。今回は似たような存在のネイマールが怪我で出場できないという運も転がり込んできた。ブラジルを破ることができれば優勝はドイツがするであろう、と言うのが私の予測である。

フランス代表はほとんど印象に残っていない。ディディエ・デシャン率いる若きイレブン、2年後のUEFA欧州選手権はフランスで開催されるということもあり、ここに照準を合わせている感じ。ベンゼマにジルーというFWがいることは頼もしいが中盤が物足りない。

私には将軍プラティニ率いるフランスとジダン率いるフランスが強烈過ぎたのだろう。プラティニ、ティガナ、フェルナンデスなどが率いたフランス代表のサッカーといえば1986 FIFA ワールドカップで死闘を繰り広げたブラジル代表との試合は本当に凄かった。延長でも決まらずPK戦までもつれ込み、ジーコとソクラテスがPKを外すというとんでもない幕切れでフランスが勝利した。

プラティニ引退後はジダンの登場までフランスは冴えなかった。そして1998 FIFA ワールドカップでジダン率いるフランス代表優勝。中盤にはジダンや、ピレス、ヴィエラといったタレント揃いだった。今回コートジボワールに日本は敗れたが、この代表イレブンを指揮した監督がジダン率いるフランスイレブンでプレーしていたサブリ・ラムシ氏である。プラティニ、ジダンに続くスーパースターの登場が待たれる。

ブラジル代表2対コロンビア代表1

イマール怪我、ということが全て。来シーズンからパリ・サンジェルマンで一緒にプレーするセンターバック二人、チアゴ・シウバ、ダヴィド・ルイス、の得点でチームの雰囲気が一段と良いムードになったのにエース不在で迎える準決勝ドイツとの戦いはとても残念。ネイマールが出場しているブラジルで優勝したかったというのがブラジル全体の願いであったはずである。

選手層が厚いとはいえ、ここまで健全なサッカーをしているドイツを破ることが出来るであろうか? 中盤とボランチが創造的に攻撃を仕掛けることができればブラジルが勝つであろう。逆に同点でゲームが進んでいった場合、ドイツは明らかに延長戦での長期戦を狙ってくると思う。先制点を取ったほうが有利であることは間違いないが、この試合、ブラジル代表対ドイツ代表、は凄い試合になる予感がする。ここで勝ったチームが今回のFIFA ワールドカップ優勝ということになると思う。

コロンビア代表、1994 FIFA ワールドカップ以来引きずっていた悲しみを払拭できた感じである。ハメス・ロドリゲスという若き天才の登場はメッシ以降、次世代のスター誕生の予感がする。あの日本代表との試合で決めた4点目は若き日のメッシと重なってしまった。憎いぐらいに落ち着いたボール捌き、ハメス・ロドリゲスは間違いなく注目される選手へと成長していくであろう。

コロンビアは強かった。ファルカオ不在の中、期待のジャクソン・マルティネスはまあまあの出来であったが観ているサッカーファンは充分に楽しめたのではないであろうか。私はハメス・ロドリゲスの他に、中盤のクアドラードとキャプテンでデフェンスのジェペスに惹かれた。

1994 FIFA ワールドカップでコロンビアはグループリーグ初戦、ルーマニアに破れチームは一気に自信を失っていく。更に選手や監督、コーチとコロンビア代表は殺しの脅迫まで受けるようになっていた。あの頃、アメリカ政府とコカイン戦争を展開していたコロンビアにとってグループリーグでの第2試合、アメリカとの対戦で負けることはイレブンの死を意味していた。

プロサッカーリーグ(メジャーリーグサッカー)設立に向けて盛り上がるアメリカ、自国開催ということで盛り上がる。コロンビアは初戦に負けたショックと殺しの脅迫といった精神的苦痛を抱えていてとても良い雰囲気とは言えなかった。そしてあの事件が起こってしまったのである。まさかのコロンビア、デフェンス、アンドレス・エスコバルによるオウンゴール、0対1でアメリカ代表に負けてしまった。

ここからコロンビアは一気にネガティブの連鎖に陥っていく。結果を残せないまま帰国となり、コロンビア代表関係者には身の危険を重視してボディーガードをつけることに。オウンゴールを献上してしまったエスコバルは家族や友人などに励まされ元気な姿を見せるまで回復していた。そしてまだ巷で危険な雰囲気が漂っているにもかかわらず、チームメイトなどが家にまだ居たほうが良いという忠告を聞き入れず、街へ繰り出していく。自分の元気な姿を見てもらおうと。

だがドラッグマネーが絡んでいたこともあり、マフィア連中は気が収まらない。夜のバーでエスコバルと遭遇したマフィア連中は自責点を献上したエスコバルを罵り、6発の銃弾を浴びせた。コロンビア国民は深い悲しみに包まれ多くの国民はサッカーから離れていくことになり、FIFA ランキングで34位にまで落ち込んでしまうという屈辱をコロンビア国民全体が経験することになっていった。

そしてあの大会、1994 FIFA ワールドカップから20年、コロンビアは再び復活したのである。代表監督を務めたアルゼンチン人のホセ・ペケルマン氏は必死だったに違いない。なんとしてでもコロンビアサッカーを復活させたいと。負けはしたが近い将来、ブラジル、アルゼンチン、ウルグアイに続く南米からのFIFA ワールドカップ優勝国はコロンビアがなるであろうと私は期待している。

アルゼンチン代表1対ベルギー代表0

ィ・マリアの怪我が痛い。それほどこのレアル・マドリードに所属する攻撃の脅威を一人失うことはアルゼンチンにとっては痛い。オランダ代表とはこれまで色々なドラマを展開してきた。1978 FIFA ワールドカップではマリオ・ケンペス率いるアルゼンチンに決勝で敗れた。1998 FIFA ワールドカップではベルカンプ率いるオランダがオルテガやバティストゥータ、シメオネ、ベロンなど率いるアルゼンチンを破っている。

マスチェラーノ率いるデフェンス陣はロッベンやファン・ペルシの攻撃を止めることが出来るであろうか? メッシは徹底的にマークされるに違いない。オランダ選手を3人は引き連れることが出来るメッシ。ここで周りの選手に上手くボールが周り得点することができれば勝利の女神はアルゼンチンに微笑む。かつてマラドーナがブラジル相手に3人を引き連れてカニーヒアに決定的スルーパスを出して勝利した1990 FIFA ワールドカップ再現となるか?

ベルギー代表。赤い悪魔と呼ばれて昔は強かった。1986 FIFA ワールドカップ以来かなぁ、こんなに強いベルギーは。このチームも2年後のUEFA欧州選手権へ向けて更に成長していくべきチーム。期待していたアザールもコンパニも印象が薄い。一番印象に残っているのはゴールキーパーのルトゥワ、あのレアル・マドリードとこの欧州チャンピオンズリーグ決勝の舞台で戦ったアトレティコ・マドリードのゴールキーパー。

準決勝進出したチームのゴールキーパーはどこも上手い。ゴールキーパーがスーパーセーブをしてチームを助ける。この要素もFIFA ワールドカップ、決勝トーナメントで勝ち上がる要素なのであろう。若手が育っていけば2年後のUEFA欧州選手権、そして4年後の2018 FIFA ワールドカップで期待が持てる存在になる。

オランダ代表0対コスタリカ代表0(PK4-3)

ランダも確実に結果を出してくるから憎い。強豪国の中でも安定している。タレント、特に攻撃陣のタレントをいつの時代にも輩出してくる。フリット、ライカールト、ファン・バステンが活躍した1990 FIFA ワールドカップ。ベルカンプ、フランク・デ・ブール率いたオランダは1998 FIFA で活躍した。マンUで活躍したファン・ニステルローイやバルセロナで活躍したクライファートも忘れてはならない。

2010 FIFA ワールドカップではスペインと決勝を争った。惜しくも負けはしたが今回はチャンスがある。準決勝相手のアルゼンチンはディ・マリアが怪我のため出場できない。決勝に進むチャンスは十分にある。メッシ対スナイデルの戦い。お互い激しいマークに合うだろうが、それでも仕事をしてしまうタレントが二人には備わっている。期待を裏切らない試合になるに違いない。

コスタリカ代表。本当なら日本代表がこの位置まで進んで準々決勝でオランダと対戦。2010 FIFA ワールドカップでのリベンジなるか、というところだったはずが・・・コスタリカもイレブンが良く走る。闘うサッカーを繰り広げるのである。メキシコといいコスタリカといい、中米であまり目立ったスターの存在が居ない割にはサッカーを良く知っている。

球際でも南米強豪国や欧州強豪国相手にひるまない。得点の臭がする攻撃を展開できるし、羨ましい限りである。彼らの国では体格差で負けたとか言い訳するのであろうか? 日本人と体格的にもさほど変わらないではないか。メキシコ同様、中米の希望、コスタリカ。FIFA ワールドカップでベスト4進出は充分期待できる将来が目の前に広がっている。

ベスト4進出チーム

ラジル、ドイツ、アルゼンチン、オランダ。共通点は何であろうか? サッカーに関する文化や歴史も在るであろうが、もっと選手に近寄って観察してみよう。多くの選手が欧州チャンピオンズリーグに出場して、グループリーグでも勝ち残り、決勝トーナメントで上位進出を狙えるチームに所属してスタメンとして活躍する選手を数多く抱えている。ここにサッカー日本代表が強くなるヒントが隠されている。

今回の日本代表イレブンでこのカテゴリーに当てはまる人材は内田と長友だけである。香川や本田はビッグクラブに所属しているだけでまだ結果は出していない。そのほかにも多くの選手が欧州へ移籍するようになったが、リーグ下位のチームに所属していたり、中堅どころに所属していてもスタメンで出場していなかったりと・・・これじゃ、まだまだだよなぁ。

ベスト4でも凄い試合を観ることができる。サッカーで闘うとは、FIFA ワールドカップで優勝目指して準決勝、決勝の舞台で闘うとはどういうことなのかを目撃することになるであろう。ブラジルの気候にやられたとか、疲れからコンディションが上手く調整できなかったとかなどの言い訳は絶対に聞くことは無い。

イレブン全員がボールに集中し、よく走る。本当によく走る。ゴールを奪うために、ゴールを守るために闘う。This is a real football. 本当のサッカーを体験してほしい。南米で行われるFIFA ワールドカップサッカーとはそこに参加する南米諸国の国にどのような意味をもたらすのだろう? そのような南米諸国の気概に負けない精神的強さを誇る欧州諸国はどうしてアウェイの環境でも集中して自分たちのサッカーを展開できるのか? 日本イレブンが口にした自分たちのサッカー。闘う姿勢を示せるイレブンだけが口にすることが出来るのだと思う。

2014 FIFA World Cup Quater Finals

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