FIFA コンフェデレーションズカップ 2013 ブラジル代表のサッカーはセクシーだった


ネイマール

FIFA コンフェデレーションズカップ 2013 ブラジル代表のサッカーはセクシーだった

わってみれば開催国ブラジルの優勝。開催国、地元ブラジルが優勝することを期待して実際にそれを成し遂げた今、ブラジル国民は深い満足感に包まれているはずである。羨ましい、自国のサッカーが強いというだけでそれなりのリスペクトを海外では得られることを多くの日本人は知っているだろうか?

期待していた決勝、スペインのパスサッカー、ボール支配率で敵を上回り、細かな隙を巧みについてゴールを奪ってしまうサッカーはジレンマに陥っているようだった。ペナルティーエリアからゴールまでの展開が見えないというか、限界を感じた。空中戦に強い選手を置くよりも、狭いゴール前、混戦状態の中でも状況を見極め、瞬時にしてゴールを奪う嗅覚を待望するスペインサッカー。フェルナンド・トーレスもダビド・ビジャもひ弱だった。

対するブラジル。組織的でもあり、個人技でも強い。全体的に洗練されているというかブラジルのサッカーはセクシーだった。どうしてそう感じたのだろうか?

キーパーのジュリオ・セザール。イタリアセリエAのインテルからイングランド・プレミアリーグのQPRに移籍したのは去年のこと。中堅とも言えない弱小チームになぜに移籍したのか不思議だったのだが、対戦相手の強豪チームでも相変わらず反応の良いセーブを頻発していた。

センターバックの補強が求められる日本代表とは打って変わってブラジルの真ん中二人は実に頼もしい。パリ・サンジェルマンFC所属のチアゴ・シウヴァとチェルシーFC所属のダヴィド・ルイス。そしてもう一人控えにブンデスリーガ・バイエルン・ミュンヘン所属のダンテがいる。各国リーグ内で強豪チームのデフェンスを任せられる人材。

チアゴ・シウヴァの顔を観るといつも想像してしまうのだが、現在もブラジルアマゾン流域に存在していて原始的な生活を送っている原住民の血が混ざっているであろうと。野性的な感覚、敵から身を守る感覚、獲物を仕留める感覚。デフェンスとしては頼もしい限りである。

ダヴィド・ルイス。チェルシーはどうしても好きになれないチームの一つなのでチェルシーに所属する選手のプレーのチェックは甘くなってしまう。今時流行らないだろうボサボサのヘアースタイルにジューイッシュ系の顔つき。しかし一対一での強さを持ち合わせ、空中戦にも強い。決定的なチャンスを確実に潰してしまうポジション取りなど見事である。

冷静沈着なチアゴ・シウヴァと闘争心溢れるダヴィド・ルイス。日本のセンターバック、吉田と今野は確実にプレーしようとして肝心なところでミスをしてしまう幼さが印象に残る。成熟しきっていない若手サラリーマンとでも言おうか、要は経験が足りないのだと思う。闘莉王と中澤を一度今の代表で使ってみてはどうだろう?

両サイドバックもブラジルは強烈な個性を揃えている。右にバルセロナ所属のダニエウ・アウヴェス、左にレアル・マドリード所属のマルセロ。どちらも体格的には大きくないが攻撃を仕掛けるタイミングと前線に上がっていくスピードは抜群。

相手サイドオフェンスに足の速い選手、ドリブル突破を仕掛けてくる選手とでは必死に食らいついて来るようだが、走りきられてしまうところもある。これを防ごうとしているのか攻撃は最大の防御というようにサイドから高い位置にポジションを取り、頻繁に攻撃参加して、相手サイドオフェンスを下がらせてしまう。ここでの駆け引きが上手い。

ダニエウ・アウヴェスのFCバルセロナで見せる攻撃参加はブラジル代表の試合中でも健在だった。右サイド前線に少しでもスペースがあればパスを受けるべくポジションどりをし、縦への突破を図ったり、アーリークロスを入れたりと積極的である。

日本代表で言うと内田ということになる。現代サッカーの象徴とも言えるサイドバックの攻撃参加はできている。一対一でも負けていないし気持ちも強い。ブラジル戦ではネイマールと対戦し負けてはいなかった。内田と組める縦とのコンビが日本代表には必要。

マルセロ。彼の特徴は速くて正確なロングフィードを前線に出せることだと思う。日本代表との試合でも最初の得点は左の位置に居たマルセロから低い弾丸ライナーのクロスがフォワードのフレッジに当たる。ボールを胸で落としたところをネイマールの見事なボレーシュートが炸裂というシーンである。ロベカルのようなドルブル突破のスピードはないがそれを補う才能があり攻撃参加は見事!

そのほかにも決勝のスペイン戦でもセンターライン少し後方でボールを受け取ると前線で張っていたネイマールに速くて正確な弾丸ライナーのパス。何だ今のパスはと録画していた動画を再生しなおしてしまった。美しすぎる・・・

日本代表で言うと長友かぁ・・・今回のコンフェデレーションズ杯、怪我明けということもあって持ち味の積極的に左から仕掛けていくプレーは見られず、なんとか無難にこなしておこうという安全策ばかりの長友のプレーにはがっかりした。

ブラジルのボランチ。ブンデスリーガ・バイエルン・ミュンヘン所属のルイス・グスタヴォとコリンチャンスからトッテナム・ホットスパーへの移籍が決まったパウリーニョ。二人共プレー自体では目立たないが運動量は豊富でデフェンスでのポジションどりといい、攻撃参加でのゴール前での得点を狙う意欲といい、素晴らしい。

現代サッカーの特徴の一つ、攻撃はボランチの位置からスイッチが入る。ブラジル代表はセンターバックからサイドにボールをサイドに散らすというパターンから、両サイドが前線にボールを当てるというパターン。後はボランチから両サイドにボールを散らして攻撃を仕掛けるというパターンとサイドから攻撃を仕掛ける形が多かったように思う。

フォワードのフレッジは最終ラインで張っていただけだったと思う。両サイドのネイマールとフッキ(ウルク)からの攻撃に自信をブラジル代表は持っていたのだろう。ここからチャンスを作れるという意志を選手全員が共有していることは強い。

日本代表で言ったら長谷部と遠藤。長谷部はキャプテンであるし今のチームをまとめる精神的な支柱と言ったところか? ここの交代要員が細貝では物足りない。もうすこしクレバーな選手、私だったら中村憲剛をボランチの位置に持ってきたい。

遠藤はどうだろう? 経験とサッカーをまとめる存在は大きい。体力的に心配だがここも俊輔や小野伸二をいざというときのために代表で使ってみる。三人ともパッサーだし、経験もある。交互に使ってボランチ選手の体力温存を図るというのはいかがだろうか?

トップ下のオスカル。大好きに慣れないチェルシーFC所属ということでチェックが行き届いていない。特徴は目立った存在ではない、ということだろうか。攻撃参加でのスピードは大したものだがカカに比べるといまいち迫力を感じることができない。今のブラジル代表の両サイドが強烈な個性だからバランスがいいのだろう。

日本代表だと本田というところか。精神的にも絶対に勝つという気合を選手全員に伝えることができる存在として必要。ボールのキープ力もあるが足が遅い。本田の走っているイメージは両足の裏全体が地面に付いている感じ。つま先を蹴って走っているイメージは湧いてこない。

ブラジルの両サイド、ここの二人は本当に頼もしい。左にFCバルセロナ所属へ移籍するネイマールと右にFCポルトからFCゼニト・サンクトペテルブルクへ移籍したフッキ(ウルク)。

ネイマールは今私がメッシの次に注目する選手の一人である。彼のプレーは観ていて楽しい。ボールを貰ってからのドリブルで仕掛けていく当たりは観ていてワクワクしてくる。ドリブルにリズムがサンバで踊る姿を連想させる。

日本代表だと香川ということになる。この選手もドリブルが上手いし観ていて楽しい。クレバーなプレーが随所で見られ、経験と自信が加わったら相当な選手になるであろう。

フッキ(ウルク)は警告・退場が非常に多かったが精神的に大人になったのだろう、ブラジル代表ではしっかりデフェンスも行い、前後にと豊富な運動量でチームに貢献していた。強烈な左足からのシュート。ドリブルでの仕掛けも体格的に逞しいので負けない。スピードも在る。

日本代表だと岡崎というところか。献身的だが足元の技術はいまいちであると思う。運動量は豊富だがドリブルといい、パスといい、シュートに至るまでヨーロッパ中堅レベルのチームでプレーする器量の選手という感じがする。

次期候補として期待するのが乾や清武だがプレーに踏ん張りがない。簡単にボールを奪われる当たり、せっかくの攻撃リズムを潰してしまうところが残念である。フィジカルで負けない強さを身につけてほしい。それと強豪チームと対戦する経験かなぁ・・・

ブラジル代表のトップはフレッジ。ほとんど馴染みのない選手でフルミネンセFC所属。年齢も29歳と若くはない。この選手を観ていて思った、ゴール決定力が高いのである。数少ないチャンスでも確実にゴールを決めてしまう。最終ラインに張っているだけで目立たないが、デフェンスからの視界に消え、見事なポジショニングでパスを受け取りゴールを決めてしまう。

ロビーニョも29歳と若くないし、アレシャンドレ・パトやレアンドロ・ダミアンの成長が望まれるところ。日本代表とは違い贅沢な悩みだと思うが・・・

日本代表だと前田かぁ・・・今一番代表のフォワードとして安定しているが国際試合経験が足りない。海外でのプレー経験もないのでやはりひ弱に感じてしまう。ハーフナーは背が高いだけで足元の技術も走るスピードも物足りない。柿谷を体表で試してみてはどうだろう?

点を取られても点を取り返して勝ちきる強さ。両サイドに強烈な個を揃え、フォワードとトップ下4人で簡単に攻撃を多彩に仕掛けるブラジル代表。ブラジルサッカーの伝統である。日本代表のように執念とか、根性という雰囲気が存在しない。躍動感溢れるリズムと快楽主義的なサッカーを愉しむ、人生を愉しむという雰囲気に包まれている。

ブラジル代表のサッカーはセクシーだった!!

ネイマール


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