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2006年02月26日

チャイナ・インパクト

プロローグ

第1部 中国の成長は止まらない
第1章 新しい中国の誕生 - 古い中国は消え去った、朱鎔基(しゅようき)が推し進めた地方分権、中国の発展を約束する三本の矢
第2章 中国 その競争力の秘密 - 現代中国企業の実力、中国ビジネスを取り巻く最新事情、メガリージョンの集合体としての中国

第2部 現代中国を支える六つのメガリージョン
第3章 二大IT産業集積地 - 珠江デルタ、長江デルタ
第4章 発展著しい新興地域 - 北京・天津回廊、山東半島、福建省
第5章 日本とつながる東北三省 - 旧満州と重なる中国東北部、急成長する遼寧省

第3部 大中華圏=グレーター・チャイナの予兆
第6章 アジアを飲み込む中国経済 - メガリージョンが生み出す競争力、アジアを支配するグレーター・チャイナの脅威、中国の繁栄はいつまで続くのか
第7章 中国政治体制の行方 - 現代中国の素顔、2002年、中国共産党がなくなる!?

第4部 日本経済はどこへ向かうのか
第8章 日中関係の行方 - 中国における日本の存在、10%国家への転落
第9章 対中関係の切り札・地域国家戦略 - メガリージョンとは道州で付き合え、アジアのEU化、日本に残された時間は少ない
第10章 日本経済のとるべき道 - 日本企業の敵は中国の皮をかぶった日本企業、産業空洞化は悪者ではない、チャイナ・インパクトを変革の原動力とせよ

エピローグ
あとがき

チャイナ・インパクト
大前 研一
講談社 (2002/03/30)
売り上げランキング: 460
おすすめ度の平均: 4.4
4 現在最も優れた中国テキスト
5 数少ない体験者の声
5 中国を知るうえで参考になった

中国、中国と騒がれているがその本質を鋭く解説している人はどのぐらいいるだろうか? その本質を充分把握している人となるとどうであろう?

本書は中国と騒がれる前にいち早く自分で実際に歩き目で見て、いろいろな人と話した大前研一氏の中国レポートだ。普段見聞きしているニュースからでは読み取れない真実をこの本は教えてくれる。多分、今の日本で中国経済のすごさを認めない人はいないだろう。そしてこの先、日本はどうなるのかと心配している人も多いはずだ。

中国経済は間違いなく巨大になる。それはきっとアメリカと肩を並べるまでになるだろうし、国際社会での中国の立ち回りもアメリカのそれと同等になる日がきっと近いうちに訪れることだろう。これは事実であり真実だ。日本人が認めなくてはいけない現実なのだ。だとしたら、中国経済の威嚇におびえるより、それをどのようにして取り組めば自分達も生き残れるか、という思考に変える必要があるのでは。

たくさんの人が中国株に、たくさんの人が中国不動産に、そしてたくさんの人が中国でのビジネスに関わっている今日、この本が指摘するメガリージョンの特色と中国経済の本質、そして日本経済が取るべき道しるべとして、一読する価値は充分すぎるほどあると思う。

プロローグから

中国は完全に目覚めてしまった。12億人を超える人口を背景にした安価で良質な労働力と、最新鋭設備を取り入れた産業基盤を背景に発展する中国経済の力強さは、もはや疑いようがない。

中国をもっとも利用し、成功した日本企業は、おそらく「ユニクロ」を展開するファーストリテイリングだろう。その「ユニクロ」も今では追いかけられる立場となったが、中国の競争力を自社の費用構造の中に取り入れる、いわゆるユニクロ化戦略は、日本の企業社会にあっという間に定着してしまった。

ホンダや三洋電機の中国での取り組みなどの例はまだまだ少ない。長ネギやシイタケにセーフガードが発動された例を見ればわかるように、日本はいまだ中国を市場や職を奪う脅威としか見ていない。何かあったら政府に泣きつき、自分達の市場を守ってもらう。そういった発想からの転換ができずにいる。

しかし、こうした見方は表層的で、日本に流入してくる中国産の工業製品や農作物は、実は中国に進出した日本メーカーや、開発輸入を得意とする日本の商社が持ち込んできている。世界の工場を利用した日本企業が、利用していない日本企業に攻め込んでいるという構図なのである。ユニクロの例がまさにこれだ。

では、本当の中国の姿とは何か?

政治的にはまだ北京の中央集権国家なのだが、経済的にはすでに別の国に生まれ変わってしまった。朱鎔基(しゅようき)が首相になってはじめた改革により、経済面では地方に権限が委譲され、実質的には連邦制の当地国家になってしまった。その中でも特に発展し、経済的な自立を果たしているのが「東北三省」「北京・天津回廊」「山東半島」「長江デルタ」「福建省」「珠江デルタ」という、沿岸部の六つの地域である。

これらの地域はそれぞれが独立性を持って発展しており、独立性が高い。中国の一部というよりは、一つの国家として認識したほうがより正確に把握できる。私はこれらを「メガリージョン」と呼んでいる。

中国は、このメガリージョンが互いに競争しながら、外資系企業を呼び込み、その力を借りながら経済発展するという、いわゆる貸席経済で伸びてきた。世界をよく見れば、繁栄している国というのは、アメリカを筆頭にすべて貸席経済の国ばかりだ。

中国には全国をカバーするメディアはないし、コマーシャルもすべてローカルだ。だから、このメガリージョン、カルチャーユニットごとの戦略が必要になってくる。それぞれの地域は、まったく別個の国として認識するほうが真実に近いのである。

北京だけを見ていては、中国のマーケットは見えてこない。地域ごとの戦略を練る視点が、中国を攻めようとする企業にとってはどうしても不可欠だ。企業ばかりではない、日本という政府も中国との付き合い方を考え直す必要がある。


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