イランのアザデガン油田開発交渉で基本合意


イランのアザデガン油田開発交渉で基本合意

石油資源開発が4320円、260円高と買われ人気を集めた。石油公団傘下の同社や国際石油開発、トーメンの3社連合とイラン政府がアザデガン油田の開発交渉で基本合意、2010年の本格生産を目指すと報じられたことが背景。

同油田の埋蔵量は260億バレルと中東最大級、日本の原油輸入量のほぼ10%に相当する日量30万ー40万バレルの産出が期待されている。事業総額は約2000億円、契約では、投資資金に一定の利益を上乗せした金額に相当する原油を引き取ることになっている。当初、イラン側の条件が厳しく交渉が難航したが、「日本側の利益確保ができる条件に近づいてきた」と報じられている。(日本経済 新聞紙 02/19 )

日本独自の石油ルート開発・確保することはいいことだと思う。アメリカに住んでいて気が付いたことだが、日本のパスポートを持っているならば入国できるたくさんの国々が基本的に世界中あるが、同じアメリカのパスポートを持っていても入国ができなかったりアメリカ政府の方針で、ある一定の国への入国を進めていない国が多々ある。

今回の中東イランなどは、このケースに当てはまるのではないだろうか。イラン政府との間に基本合意が確立されたことは、今までと違ってアメリカへの顔色を伺いながら行動していた日本の政府にしては上出来。基本的にアメリカの石油戦略は強力である。民間会社のトップなどの間からなるコネクションを使いながら、アメリカ政策として石油戦略を進めてしまう。このつわもののアメリカ相手に日本の石油戦略は勝てるのだろうか?

その点、お隣の中国はとてもしたたかである。商人国家だけあって抜け目がない。世界中にある中国料理レストランはじめ、華僑パワーは知的、体力的にみて日本の上を行く。まぐまぐのメールマガジンの一つ「 Gold News from Guinea 『金鉱山からのたより』マガジン ID5790 」の2月13日発行の記事に、中国のアフリカ石油外交のことが詳しく載っている。例えば次のような視点。以下、

中国国内での石油消費量が大きく伸びている状況下での中国外交は、常に油のしがらみを意識し続けなければならない。911事件後の2002年4月には当時の江主席がリビア、イラン、ナイジェリア、チュニジアを訪問し強力な石油外交を展開している。

米国が「悪の枢軸」と避難している最中の国々に対しても多額の投資を約束して協力関係を補強し、それぞれの国の豊かな石油資源を確実に手中にした。さすがは中国。しっかりと自分の国の外交を展開している。自分たちの立場などを踏まえ、世界の石油事情などをよく健闘し、且つ行動に移しているところがすばらしい。

中国のアフリカ・スーダン事例

中国側のパートナーであったカナダの会社でさえ、アメリカの圧力で撤退させられている。日本にこの中国のような実力は備わっているのだろうか。メジャーを通して産出物を輸入するのではなく、常に自分の力での採掘を考えている点は、さすがというよりそのように行動できる中国が羨ましいし、逞しくもある。アフリカの国々からの信頼という点からみても、中国のほうが一枚上手のように感じる。

人間は経済的な生き物

アフリカのような貧しい国々の人々は、 毎日の生活が安定するような援助(ギニアの水力発電所や生活必需品の流通など)を展開している中国のほうが、一般的に言われている日本の小切手をひらひらさせる外交よりも、心にアピールするのではないだろうか。

胡主席の四カ国歴訪 ( フランス、エジプト、アルジェリア、ガボン ) の内容を読んでいて次のようなことを考えてしまった。きっと近い将来、世界中で展開している中国系レストランなどのように、中国系資本からその存在まで、いろいろなビジネスとして大きく発展してくるであろうと。

今までは共産主義体制の下、冷戦や産業構造の影響下、中国には資本を大きくする術が世界中での小売やレストラン事業など、華僑のネットワークなどを利用して発展するしかなかった。東南アジアのタイやインドネシアを除けば、アフリカなどの中国の影響といえば小売やレストラン関係の小資本でできるような事業が限界であったのだろう。

しかし、今や中国は日本の高成長工業時代のように急成長で技術や資本を蓄えている。このもともとあった商人としての感覚に技術や資本が加わったことで、小資本でしかできなかったビジネスの展開をもっとスケールの大きな事業へと、アフリカなどの国で展開できるようになってきている。

世界中、どこにいっても チャイニーズ・レストランがあるように、今に世界中どこに行っても中国資本が参加している事業に出会うことになるであろう。それは基本的なインフラ設備から生活関係のものまで多岐にわたる。

足元を固め始める中国と日本の行くへ

いろいろなことが言われているが、中国のリベリアやコンゴへの PKO 部隊派遣と比べるとどうだろう。じわっ、 じわっと実力を付け始めた中国。アメリカと対等にやっていけるのはもはや中国かもしれない。リベリアとコンゴには海底油田が存在している。

これから北京オリンピック、上海国際博覧会と世界に中国の存在をアピールする舞台が次々と訪れてくる。そのときにアメリカは中国に対してどのように出てくるのであろうか。この秋のアメリカ合衆国大統領選挙は、次の4年間を予測する上でも非常に重要且つ、興味深い。それに対して中国はどのように出てくるのであろうか。元の切り上げ問題などは、北京オリンピック前にきっちりと片付けてくるに違いない。

今はそのタイミングを見ているのだろう。そのように感じる。大前研一氏が予想するように、共産党政権をやめてしまうかもしれない。いずれにしろ、世界がアメリカ中心の外交に振り回されている間に(イラクや北朝鮮など)、中国はしっかりと自分の足元を固めていくだろう。

さてこの我が国日本は、どのように自分たちの戦略を進めていくべきであろうか。中国人のようにしたたかに、ビジネスを展開していくことなど無理のように感じてしまう。きっと中国の工業化がこれからも一段と進み、日本の工作機械のような高度技術が必要な産業だけが、中国の世界進出のおこぼれを貰うことになるのだろう。

アメリカにたてつけ、といっているのではなく、対等の立場で物事を言える政府に成長しろ、と言っているのだ。せっかく一部の産業では、世界に通用する技術を持っているのである。日本政府はそのような産業が世界中で活躍できるように、外交を進めるべき。

生活者に指示されれば、その国から信頼を得ることができる。今一度、日本は世界に対して何ができるのかを考えてみるべきであろう。そしてその後が大事だが、必ずその決めた方向に基づいて信念と共に行動を起していくべきだ。

今回のイランのアザデガン油田開発交渉で基本合意のニュース。これは日本の国民にとって有益なことなのか、それともイランの国民にとって有益なことなのか。それとも一部の企業が潤うだけなのか。皆さんはどう思うであろうか?


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