村上春樹著「海辺のカフカ」を読み終わりました。


村上春樹著「海辺のカフカ」を読み終わりました。

村上春樹ワールド。ちょっとわかったような気がします。ストーリーは現実的にありそうな展開で進んでいき、物語が訴えかけてくるリアリテイーを違和感なく受け入れていく自分がいます。なんとなくありそうな日常生活、と言いましょうか。

で、ある程度まで物語が進んでくると、ちょっとしたスパイスが加わります。このスパイス加減がバランスよく取れていて、小説のクオリティーを読者に投げかけます。スパイスが効きすぎて受け入れられない読者。程よく受け入れることのできる読者。

ちょっとファンタジーな世界であったり、もしかしたら実際にあり得るかも、というあり得ない説得力と言いますか。ここらへんで、好き嫌いがはっきりするのでしょう。私の場合は、村上春樹ワールド、受け入れることができました。

「海辺のカフカ」で言ったら、猫とお話ができるナカタさんとか、後半登場するホシノ青年とか、佐伯さんと田村カフカ少年との幻想的な出会いとか。物語の前半部分にある戦争中の出来事、あの気を失ったままの少年がナカタさんと繋がったり・・・

後、村上春樹ワールドには必ずエッチな描写が存在します。少しイヤらしいんだけどそれほどエロティックでもなく、しかしやることはやっているという感覚。プラトニックっぽいんだけど、しっかりエッチはしているという現実的な質感と言いますか・・・

小説を読み進んでいくうちに、上手いなあ、と感心してしまいました。田村カフカ少年を中心とした世界の物語と、ナカタさんを中心とした世界の物語が上手い具合にキャッチアップしていくんです。どうやってこの展開を収めて行くのだろう、と想像します。

非現実的であり、現実的な感じで石に纏わる物語は終わりを迎えます。それらに絡んでくる登場人物も普通に日常生活へと戻り。この辺りの展開、終わらせ方のニュアンスでガッカリさせられること、なかったです。

田村カフカ少年が森奥深くへ入ってからの展開。自分の頭の中でイメージを浮かばせながら読み進んでいきました。15歳の自分がこの「海辺のカフカ」を読んでいたらならば、私はきっと泣いていたかもしれません。それくらいピュアでした。

田村カフカ少年と佐伯さんのとった行動は、どちらとも、正しかったと思います。居るべき場所に、居るべき世界に、戻りなさい、と。うーん、良い小説だったなぁ。「1Q84」を読んだ後だったから、村上春樹ワールドを受け入れることができたのかもしれません。


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