海外生産の邦楽CD、国内への還流禁止


海外生産の邦楽CD、国内への還流禁止

また日本の政府が弱い産業を保護する政策に踏み切った。CD 、レコード業界である。これによって一時的には業界を保護することになるが、長い目で見た時に結局はその産業をつぶすことになりかねないと思う。

日本経済は10年前に比べてどれだけ変わったのか? 実は何も変わっていない。大前研一氏のレポートに面白い記事が載っている。以下、

円高で厳しい状況に追い込まれた産業、激しい国際競争にさらされた業界は生き残るために必死に努力するからいっそう強くなっている。また10年前に強かった産業・業界は「官」が介入しないでほったらかしにされたおかげで益々強くなっている。

強い産業・業界とは次の業種のことだ。家電、 OA 機器、携帯電話、自動車などに加えて IT 関連のソフトテクノロジーは今のところアメリカが断然強いが、第2フェイズに入ったら日本が徐々に追いついてくると大前研一氏は予想しいる。

逆に10年前より弱くなっている産業・業界の代表は、銀行、不動産、小売だがこれらのダメ産業・ダメ業界はすべて規制業種であり許認可業種であり、 「官」が税金を使って必死に支えてきた業種である。これらの業種はもともと弱かったのだがこの10年間でさらに弱くなっているとのこと。

この様な大前研一氏の記事を読んでいたので、「アジアなどで売られている日本のアーチストの安いCDが国内に逆輸入されるのを防ぐため文化庁は発売後7年間はCDの逆輸入を禁止できる著作権法の改正案をまとめ、今の国会に提出することになりました。」というニュースを聞いた時、やっぱりという思いとがっかりという思いに包まれた。

還流 CD

実際何が起こっているのだろう? 国内のレコード製造会社で作る日本レコード協会によるとアジアで売られる邦楽 CD は550円から1600円程度で国内価格に比べ最も安くて6分の1程度。一部が還流しディスカウント店などで通常価格より1000円程度安く売られているらしい。

今後還流 CD は02年の68万枚から12年に1265万枚に膨らむと予測している。そして今後の展開内容をみると様々な点で矛盾していることが分かる。読者の皆さんはどう思うだろう?

改正案で輸入禁止の対象となるのは、レコード会社が現地企業に対し販売地域を限定し日本で販売しない条件で生産・販売を認めた音楽 CD やレコード、カセットテープ。著作権を侵害する海賊版と異なり現行法では輸入は合法だった。

この様な日本業界の内部事情を前面に押し出した規制を、例えば巨大なマーケットに成長するであろう中国の音楽業界の人たちが、たやすく受け入れるとでも思っているのだろうか? 頭の回転の速い、考え抜くことができる中国人と政府の保護下でぬるま湯につかっているような人材の業界が競争できるのだろうか?

改正後は販売目的で輸入すれば著作権侵害とみなされレコード会社の申し立てに基づき税関で輸入を差し止められる。海外旅行のみやげ品として持ち帰るなど販売目的でない場合は、従来通り認められる。日本のレコード会社がコスト削減のためにアジアの工場で生産し、日本に輸入するのも対象外。

なんで日本のレコード会社がコスト削減のためにアジアの工場で生産し、日本に輸入する場合は OK なのだろう。現地の会社にはいろいろと規制を加えるくせに同じ土俵に立って相撲をとる日本の会社は特別扱いとはどういうことなのか。こんなことが許されていいのだろうか。還流防止策は65カ国が導入しており、先進国では日本だけ制度がなかったとしている。

一方欧米レコード会社が世界各地で生産し日本が輸入している洋楽の CD も、理論上は還流禁止の対象になる。しかしレコード協会は「全世界を市場とする欧米会社が、販売地域を限定した CD を販売することは考えにくく、実質的に還流禁止の対象にならない」としている。

いい加減にしてほしい。はっきりいって差別である。アジアのマーケット、とりわけ巨大な中国市場で大きくなりそうな音楽業界に対しての差別である。もし欧米のレコード会社が中国で生産し日本へ販売をした場合、日本の政府は今度なんと言うのだろう。

今年1月に韓国で日本語音楽 CD 販売が解禁されるなど、アジアで日本生まれソフトの市場が拡大するにつれ還流にも急増が予想されている。音楽産業の衰退につながるとして、レコード業界が還流防止策を求めていた。音楽産業の衰退につながるかもしれないが、日本人のミュージシャンたちにとって本当に困ることなのだろうか?

それよりも中国などのアジアで売れることを考えてみるが良い。日本と違いパイの大きさが違う。日本の音楽産業が衰退することで自分たちが生活できなくなるとでも考えているのだろうか。そんな小さい考え方はやめてほしい。

アメリカでヒットするとどうして世界中でも売れることになるのだろう。それは世界共通語の英語で歌っているから。だから世界中がマーケットとなり一躍ミリオンセラーになってしまう。これと同じようなことが日本のミュージシャンにも起こりうる可能性がある。

こらから発展するであろう中国市場などのアジアで活躍することができるならば、どんどん日本の外へ出て行くべき。日本の音楽業界など心配する必要はない。もっと大きなパイの市場に飛び出そう。必ず近い将来、アジアで活躍できるスターが誕生するであろう。

彼らは日本でも韓国でも中国でも、アジアのどこへ行っても人気者になるはず。今回の日本レコード協会を保護するニュースなどで、将来を危うく考える必要などない。日本のミュージシャンは外へ飛び出せ!

消費者の立場はどうなのだろうか。音楽 CD は再販売価格維持制度に基づき、価格が6ヶ月から1年間固定されている。消費者団体は「再販制度に還流禁止が加わると、価格競争がなくなり消費者が損をする」と導入に反対している。このため文化庁や経済産業省は業界に対し、再販機関の短縮や通常価格の引き下げに努力するよう捉す。

日本の消費者の皆さん。だまされてはいけません。日本政府がやることにだまされてはいけません。自分の頭で考えてどうしたら世界から安くていいものを手に入れることができるか考えましょう。どうしたら日本政府に邪魔されず自分の生活を豊かにできるか考えましょう。

賢くお買い物

例えばここアメリカで日本の本を買う場合、僕はどうしていたでしょうか。円安時にインターネットなどでアマゾン・ドットコムを利用して日本から購入していました。個人輸入という形になるのでしょうか。別に難しいことをしているわけではありません。日本のアマゾン・ドットコムのサイトに行くと、ちゃんと海外の住所にも商品を届けてくれます。

これだと現地の日本書店で買うより、円安の場合に限って安く買うことができます。日本からの送料を入れても充分に安く買うことができました。全部で日本円にして1万円程度の買い物をした時(送料を含む)、こちらの銀行が発行するクレジットカードで支払い、円安のお陰で80ドルぐらいの支払いですみました。現地の日本書店で日本円にして8千円程度の本を購入した場合、120ドルぐらいチャージされるのが普通です。

繰り返しますが、日本の消費者の皆さん。頭を使って自分の生活を豊かにしましょう。日本レコード業界を保護することが、自分たちの生活を豊かにすることにはつながりません。日本の音楽、日本のミュージシャンを守ることにもつながりません。

日本の音楽業界、日本のミュージシャンを守り育てるならば、巨大な市場を与えてやるべきです。そして日本の消費者はアジアの巨大マーケットで活躍するミュージシャンの CD などを安く手に入れて、どんどん音楽を楽しんでいってほしいです。日本の CD 業界などは外へ出て行って、競走するべきです。

落合信彦氏が言っています。

檻の中の豚は死ぬ。死にたくなかったら狼になって檻の外へ出なくてはいけない

文化庁、公正取引委員会など関係省庁で最終調整し18日に与党に骨子を示し、今国会に著作権法改正案を提出、05年1月の施行をめざすそうです。


,

Powered by WordPress. Designed by WooThemes